転生したからって、ざまぁされなくてもいいよね?~身内との8年間、攻略対象達との3年間の駆け引き~

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 その日を境にクロード王子との接触が多くなるとともに、専属護衛であるアラン、騎士団長のセルドアとの頻繁に会うことになった。
「王子、アリア姫に毎日花束を届けていますが、貴方は国に彼女を連れて帰るつもりなのですか」
 ある日、アランは臨時の主に尋ねた。するとクロード王子は、
「うーん、どうだろうね」
「どうだろうねって、どういう意味なんですか」
「そのままの意味だよ。僕としては彼女をお持ち帰り・・・・・したいけれどね。尤も彼女の周りの事情がそれを許してくれるかどうかわからないし、そもそも僕も半分くらいはあの兄貴のせいで、この国まで来ているんだしね」
 クロード王子はさしてアランからの問いかけに、興味を持った様子はなかった。彼はリーゼベルツへ外交官としてくるにあたって、父王から言われたことは二つ。一つ目は異母兄である王太子との間の溝をなくすための彼自身の実績を作れ、という事。もう一つはリーゼベルツの軍人との間にコネを作って、リーゼベルツの領土を奪取する下準備をしろ、という事。
 彼はこの国に来た時に、誘拐された、というか、この国内部事情に巻き込まれた。そのため、すでにリーゼベルツ国王にお願いして、この国でパイプを作るための口実として何人かい人を紹介してもらった。代表例として、クリスティアン王太子、騎士団長のセルドア・コクーン卿、アラン・バルティア公爵子息、アリア・スフォルツァ公爵令嬢。彼らは身元がはっきりとし、彼の情報収集に役に立ってくれそうな人物だった。しかし、父王からの二番目の指令である情報の漏洩については、全くもってやる気がなかった。そのため、今現在はどのように嘘の情報を流そうか、と迷っている状態である。
「お前は運命を信じるか、アラン」
 クロード王子は突如、アランに尋ねた。アランは突然の質問に驚きつつも、
「運命ですか。僕は『運命』というものを信じるならば、その『運命』というのは女性に姿を変化することなんだろうな、と思いますよ」
「どういう意味だ」
「僕は人と違って過去の記憶というものを持ちません。正確に言うと、『過去』の概念が時々わからなくなります。しかし、彼女・・を見ていると、過去というものがよくなってきます」
「つまり?」
「そうですね、出会った人それぞれに自分との『運命』というのはあるのだともいます」
 アランは誰かを思いながら答えていた。
「難しいな」
 答えを聞いた、クロード王子はぼそっと呟いた。
「ええ、難しいと思います。僕も誰かを好きになれることがあるといいです」
「そうだな」

 そのころ、アリアは王宮の中庭で優雅にお茶していた――ように見せかけ、近くにまで行って参加者の話している内容を聞いてみると、非常にえげつない会話だった。
「いったい、貴女は何を下級侍女として学んできたかしらね」
 そう問いつめられているのは、ベアトリーチェではなく、アリアだった。

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