お世辞にもイケメンとは言えない残念幼馴染が異世界で何故か優良物件になってた………え?結婚してくれ?

シフォン

色々あって現在ロリエルフです

異世界転生、それは人知を超えた現象であり、前世の記憶とちょっとした・・・・・・チートを持って転生するというのが主流なものだ。
まぁ今時、現代人の知識そのものをチートとして活用したり、転生後のスペックだけでもとんでもないチート、なんてのもあるらしいけど。
らしい、ってつけたのはあくまでこれが勝城からの受け売りだから。
クラス内でちょっとネットの小説が流行った時、勝城から一通りレクチャーを受けてそれ以来ずっと覚えてるんだよね。
特に異世界転生のところの解説には熱が入ってたよね。『一口に異世界転生と言っても様々な種類がある』とか言って一時間くらい熱く語ってたっけ………あれにはちょっとドン引きした。

確か、転生は大きく三つの種類に分けられて、オーソドックスなチート持ち転生、記憶と人格のみ引き継いだ転生、人格は違うものになりつつも記憶は引き継いだ転生と区分できるんだよね。
でもって今回私が出会ったのはチート転生系列で、その中には工業系チート転生、戦闘系チート転生、人間関係チート転生、さらには産まれる場所への補正チート転生、バグ付き人チート転生………訳が分からないほどたくさんの種類があって、とりあえず無双ものやハーレムものは多くがここに入るって言ってたんだけど………
多分、今回の転生はこれだろうなぁ。
勝城によれば『一番扱いが難しい転生』である【総合チート転生】。いわゆる完全無欠パーフェクツな転生だ。
ありがたやありがたや。
下手に戦闘系やら工業系やらのチートを渡されても使いこなせる自信がないし、でも人間関係とか産まれ補正もそれだけじゃ不安だし、付き人ってのはどうにも頼りきりになっちゃいそうであまりよろしくなさそうだし、ね。
でも、これはちょっと酷いよ勝城。

転生してから早15年。
私は今、どこに居るのか分からない幼馴染を恨んだ。
………うん、まぁ転生先がエルフなのは良いんだよ?
だってエルフは基本可愛いイメージがあるし事実可愛い。
そしてエルフ耳にはこの世界でそれなりに需要がある。だからモテたいと思っていた私にとっては好都合なボーナスだ。
あぁ、うんその点についてだけは感謝するよ、勝城。お前のセンスはちょっとテンパってたあの時から時間が経って頭が冷えた今考え直すと、素晴らしいものだった。そこだけは素直に称賛しよう。何ならこのエルフボディで美少女(自称だけではない)になった私が添い寝してやっても良いぞ。小6くらいまではお母さんが仕事で出かけて一日帰ってこない時によく同じ布団で寝たからね、恥ずかしくなんてない。
ただ………

自分が隠れロリコンだからって、その趣味のために私を幼女にしないでくれるかなぁ!

転生時、私はいたって普通(とんでもないチート持ちだけど)の女の子として転生した。
お母さんは優しくて美人で、お父さんは………里の族長?ってやつでなおかつ人間でいう三十路に差し掛かってなおも強くなり続けている千年に一人の天才だったもんだから、子供の頃からみんなに愛されて育ったんだ。
それで私は嬉しくなっちゃって、里をより良くしようと現代の知識を活かして何かしようとしたんだけど………出来たのは中学生レベルまでの簡単な計算を教えることと、ルールの分かりやすい遊びを広めることくらいだった。
しかも、不幸なことに私の同い年にとんでもない大天才がいて………私はただ少し頭が良くて、年齢の割に大人びてて、あとちょっと魔法が得意って意外に取り柄のない女の子って立ち位置にすっぽり収まっちゃったわけ。
でも幸か不幸か、つい先日、私にはもう1つ特徴があることが判明した。
ここからは説明になるんだけど、通常の場合エルフってのは単独である程度行動できる13~15歳くらいになると成長がゆるやかになりはじめて、大体800年から1000年ほどを生きるんだ。
しかしその中にも例外があって………理由はよく分からないけど50人から100人に1人くらいの割合で子供のまま成長も老化もせずに1500年ほどを生きていくって体質のエルフも私の産まれるつい数年前から産まれ始めているらしい。
それが私。大体100人に1人かそこらの割合で生まれる………はずの、老化しない体質を持ったエルフ。

………え?その体質が勝城とどう関係があるのかって?
まぁ、そりゃそうだよね。ただ私が老化しない体質ってだけならなんてことはないよ。ただの不運だと思って受け入れるしかない。
だけどおかしいんじゃないかな?
ついこの間にお父さんが言っていたのを聞いたんだけどさ、この体質の人間(私は今エルフなのは気にしない)が生まれるようになったと推測されているのは私が産まれるちょうど1年前………つまり365日前で、さらにエルフに限っていえばそもそもの出生率が(そもそも長い時を生きるせいで産まれる人数が少ないから)低いエルフにおいては産まれにくいはずなのに………この里では老化しない体質が現れるようになってからこれまでに生まれた32人中、なんと6人がこの体質であることが発見されているんだよね。
流石に出来過ぎてる気がする。
私の産まれる1年前に現れるようになって、さらにこの里では異常にそれの発見率が高い。
その確率は………大体1/5。おかしいよ。どう見ても誰かの意思が介在しているとしか思えないよ。
おかしいよね?

しかもこの世界、どうにも幼女の需要がないみたいで………笑えない話だけど、仮にも族長の娘である私は15にもなれば縁談の1つや2つが転がり込んできてもおかしくないはずなのに、いまだに誰からも求婚されたことがない。
お陰でお母さんがしてくれてる嫁入りのための様々な花嫁修業?も身が入らないしあまり意味があるような気がしなくて困るよ。
はぁ………アイツ、次会ったらただじゃおかないぞ。
エルフと言う種族に転生させてくれたことだけは感謝するけど、ただじゃおかないぞ。
私は密かに勝城への仕返しを誓うのであった。
別に仕返しったって、何か盛大に嫌がらせをするくらいだけどさ。アイツの場合仕返しへのお返しとかいうえげつないことをしてくるからね………特にあの時の『1週間無視』は壮絶だったよ。
たまたま小テストも何もない週だから良かったものを、あれがテストの前とかだったら………色々な意味で死んでいた。
いや、本当に大変だったよあの時は………

「………聞いてるの?エフィ」

そんな風に私が昔の思い出を振り返っていると、不意にお母さんが言い咎めるような声でそう言った。
どうやら私はついついお母さんの話を無視してしまっていたらしい。
まぁこんな時は落ち着いてなんでもないように返せば大丈夫。前世でのお母さんもそうだったしさ。
それに転生直前のやりとりで私は成長してるんだ。同じ轍は踏まないよ!

「き、ききき聞いてるよ!?お母さん!」

………しかし、その気概はどこへやら、私の口はスラスラと、どう考えてもボーっとしていたことは明白な返答を繰り出していた。
くっ………悔しい………歴史は繰り返す、ってのは事実だったんだね………
私は良く分からない悔しさに打ちのめされた。

「エフィ、いくらあなたがその体質だからって、その歳で結婚を諦めるようではいけませんよ?」

そこにお母さんからのいつものお説教………とりあえず要約すると、『いつまでも幼児体形で需要がないからって、花嫁修業を怠ったらダメ』という内容………が入り、ただでさえ打ちのめされた後でちょっと傷付いていたというのに、追い打ちを喰らって更なる精神的ダメージを受けるのであった。
………あぁもう、なんでこうも嫌なことは続くのかなぁ。
ちなみに傷付いた理由は地味にこの幼児体形を指摘されたこと、ね。
正直もうこの幼児体形は私のコンプレックスになりつつあるんだよ………勝城、あいつのせいで私は転生してもなお独り身生活だよ。

あー!彼氏が欲しい!
私は心の中でそう叫ぶのであった。

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