世界の真理を知って立ち上がれる者は俺以外にいるのだろうか
第5話 「彼が知った世界の真理 2」
「!? ......ゲホッ、ゲホッ」
意識が覚醒した僕は大きく噎せた。
強烈な吐き気と頭痛に襲われたのだ。
暫くし大分マシになってきたと感じ僕は全身痛みながらも立ち上がり辺りを見渡した。
そこはあのホムラの記憶の中の様に色があるわけでは無くーー無だった。
そう、ここはホムラの記憶を見る前にいた場所だったのだ。
だが、肝心のホムラがいて無く僕は困った時の様なポーズをとっていた。
出方も分からず、腹が減っても何も食べれずと、僕は本当に困っていた。
解決策を考えようと、うぅーん? うぅーん? と必死に唸っていた。
そこに迫り来る女性にハデスは必死すぎて気付かなかった。
そのせいで......
「どうだった。ハデス。世界の真理は知れたか?」
「うぁあ!? ......ってホムラかよ」
という事態になった。
この前に何度か話しかけていたのでそれに気づかないハデスが、この場合は悪いのだが、何故か頬を膨らませてホムラに対して怒っていた。
「急に話しかけられたら驚くよ。止めてよねホムラ」
「いや、前から呼んでいたぞ。いつまで経っても気付かなかったのはハデスなのだから、悪いのはハデスの方だろう」
「言い訳言わない! ちゃんと謝れば良い話なんだから」
「分かったのだ。......すまなかったのだ」
「分かればよし」
上機嫌になった僕を見て、ホムラはまだまだお子様だな、とぼそりと吐いた。
だが、そいうのには敏感な僕は、その声がどんなに小さかけろうが聞こえ、お子様じゃないよ! 大人だよ! と大声でホムラに向かって叫んでいた。
やれやれという様な感じで、ホムラは肩を竦めていたのだった。
「......ハデス。お前は世界の真理を見てどう思った」
先程の声とはまるで違い、低い声でホムラはそう呟いた。
僕はこれは真剣な話だとすぐに解り、へらへらしていたのを止め、真剣に考えた。
それは大人でも中々出来ない事。
それが平然と出来ている事にホムラは「ほぉ」という驚きの声を無意識にあげていた。
だが、それは僕の耳にはあまり届かなく、僕は無駄なことを考えず、真剣に考える事が出来た。
「正直に言う。......僕はあの神方の意見の方が正しいとは思う。人間が世界を破滅へと導いているのは全く否定できないし、その元凶の僕達人間がいなくなれば確かに世界は救われるのだろう」
ホムラはてっきり僕は否定してくれると思って期待していたが、人間のハデスさえ向こうの方が正しいと言い、ホムラの中にあった最後の希望が崩れ落ちた。
が、僕の話はこれで終わった訳ではない。
僕は息を吸うと、「でも!」と大きな声で言った。
それにはホムラも予想していなかった様で、混乱したのか、あたふたしていた。
「ホムラ。俺は何も向こうが正しいと言っただけで、賛成するとまでは言っていない。だから最後まで聞いてくれ」
そう言った僕はホムラの方を向き、真剣な目で訴えた。
ホムラはそれに何かしらの希望があると思い、こくっと無言のまま頷いた。
「もう一度言うがあの神達の言っている事は間違ってはいない。だが、あんなのは唯の合理的な方法だ。探せばいくらでもあるはずなのに、それを考えようとはしていない。そんな連中に賛成する訳はないだろう。それに僕は家族を見捨てるなんて事はできない。......何があろうと僕は君について行く。そして僕はいつでも君の味方だ」
堂々と僕はそう宣言した。
そこに込められていたのは、言った本人の僕でも分からない、家族だからなのか、それともそれ以上と無意識に思っているからなのか、それはさだかでは無いが、とても強い意志が込められていた。
ホムラは、そう言って貰えて嬉しかったのか、大声で泣き叫び始めた。
それもそうだろう。
記憶で見たホムラの姿だと少なくても数十年前どころでは無い。
それに神なので歳をとるのも遅い。
そう考えれば、凄く長い間ホムラは一人で戦い続けてきたのだ。
そこに現れた自分の味方。
その存在に感動するのはむしろ当たり前の行為だろう。
僕はそんなホムラへと近寄った。
「ホムラ。......これからは一人じゃない。僕もいる。何かあったら僕に頼れ。一人で抱え込むな。僕達は二人で一人だ。だから泣き止め。こんなところで道草を食っている場合じゃないだろう」
その言葉を聞き、ホムラは泣き止んだ。
そして涙を服の襟で服と、立ち上がった。
「いこう! 僕達二人で。あの神々を倒し......世界を救うぞ!」
「......うん!」
そして僕とホムラはここから歩み始めたのだった。
意識が覚醒した僕は大きく噎せた。
強烈な吐き気と頭痛に襲われたのだ。
暫くし大分マシになってきたと感じ僕は全身痛みながらも立ち上がり辺りを見渡した。
そこはあのホムラの記憶の中の様に色があるわけでは無くーー無だった。
そう、ここはホムラの記憶を見る前にいた場所だったのだ。
だが、肝心のホムラがいて無く僕は困った時の様なポーズをとっていた。
出方も分からず、腹が減っても何も食べれずと、僕は本当に困っていた。
解決策を考えようと、うぅーん? うぅーん? と必死に唸っていた。
そこに迫り来る女性にハデスは必死すぎて気付かなかった。
そのせいで......
「どうだった。ハデス。世界の真理は知れたか?」
「うぁあ!? ......ってホムラかよ」
という事態になった。
この前に何度か話しかけていたのでそれに気づかないハデスが、この場合は悪いのだが、何故か頬を膨らませてホムラに対して怒っていた。
「急に話しかけられたら驚くよ。止めてよねホムラ」
「いや、前から呼んでいたぞ。いつまで経っても気付かなかったのはハデスなのだから、悪いのはハデスの方だろう」
「言い訳言わない! ちゃんと謝れば良い話なんだから」
「分かったのだ。......すまなかったのだ」
「分かればよし」
上機嫌になった僕を見て、ホムラはまだまだお子様だな、とぼそりと吐いた。
だが、そいうのには敏感な僕は、その声がどんなに小さかけろうが聞こえ、お子様じゃないよ! 大人だよ! と大声でホムラに向かって叫んでいた。
やれやれという様な感じで、ホムラは肩を竦めていたのだった。
「......ハデス。お前は世界の真理を見てどう思った」
先程の声とはまるで違い、低い声でホムラはそう呟いた。
僕はこれは真剣な話だとすぐに解り、へらへらしていたのを止め、真剣に考えた。
それは大人でも中々出来ない事。
それが平然と出来ている事にホムラは「ほぉ」という驚きの声を無意識にあげていた。
だが、それは僕の耳にはあまり届かなく、僕は無駄なことを考えず、真剣に考える事が出来た。
「正直に言う。......僕はあの神方の意見の方が正しいとは思う。人間が世界を破滅へと導いているのは全く否定できないし、その元凶の僕達人間がいなくなれば確かに世界は救われるのだろう」
ホムラはてっきり僕は否定してくれると思って期待していたが、人間のハデスさえ向こうの方が正しいと言い、ホムラの中にあった最後の希望が崩れ落ちた。
が、僕の話はこれで終わった訳ではない。
僕は息を吸うと、「でも!」と大きな声で言った。
それにはホムラも予想していなかった様で、混乱したのか、あたふたしていた。
「ホムラ。俺は何も向こうが正しいと言っただけで、賛成するとまでは言っていない。だから最後まで聞いてくれ」
そう言った僕はホムラの方を向き、真剣な目で訴えた。
ホムラはそれに何かしらの希望があると思い、こくっと無言のまま頷いた。
「もう一度言うがあの神達の言っている事は間違ってはいない。だが、あんなのは唯の合理的な方法だ。探せばいくらでもあるはずなのに、それを考えようとはしていない。そんな連中に賛成する訳はないだろう。それに僕は家族を見捨てるなんて事はできない。......何があろうと僕は君について行く。そして僕はいつでも君の味方だ」
堂々と僕はそう宣言した。
そこに込められていたのは、言った本人の僕でも分からない、家族だからなのか、それともそれ以上と無意識に思っているからなのか、それはさだかでは無いが、とても強い意志が込められていた。
ホムラは、そう言って貰えて嬉しかったのか、大声で泣き叫び始めた。
それもそうだろう。
記憶で見たホムラの姿だと少なくても数十年前どころでは無い。
それに神なので歳をとるのも遅い。
そう考えれば、凄く長い間ホムラは一人で戦い続けてきたのだ。
そこに現れた自分の味方。
その存在に感動するのはむしろ当たり前の行為だろう。
僕はそんなホムラへと近寄った。
「ホムラ。......これからは一人じゃない。僕もいる。何かあったら僕に頼れ。一人で抱え込むな。僕達は二人で一人だ。だから泣き止め。こんなところで道草を食っている場合じゃないだろう」
その言葉を聞き、ホムラは泣き止んだ。
そして涙を服の襟で服と、立ち上がった。
「いこう! 僕達二人で。あの神々を倒し......世界を救うぞ!」
「......うん!」
そして僕とホムラはここから歩み始めたのだった。
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