世界の真理を知って立ち上がれる者は俺以外にいるのだろうか

つうばく

第6話 「彼のこれから」

 あの誓いを立てたあと、もう外はすっかり夕方だったので僕が家に帰らねば心配されると、ホムラが言ったのでそれに従い僕は家に帰った。
 僕は帰りしなにホムラも一緒に連れて帰った方が良いかと思ったが、両親にこの事は言わない方が良いだろうとホムラが言っていたのを思い出し、仕方がないと諦めて家へと帰った。

 家に入ると早々にいつもより帰りが遅い僕を心配していたアークとパルムが迎えてくれた。
 僕は少し叱られたが、優しい両親は危ない事だけはしたら駄目だからね、と注意をして許してた。

 ご飯を食べる時に、僕はいつもよりニコニコとしていて、それを見てアークとパルムは「何か良いことでもあったの?」と聞いた。
 僕はそれに対して少し言い方を考えた。
 ホムラとの事をあまり言わないようにして、尚且つ楽しかったことを伝えるためにはどうすれば良いかと考えていたのだ。

「はい! 友達が出来たのです!」

 僕は結局、そう答えた。
 アークとパルムは森の動物の事の様なので問題はないだろうと思い、特に注意はしなかった。
 その後、僕はホムラと遊んでいた時の事を自分のことの様に嬉しそうに話した。
 それをニコニコとアークとパルムは聞いていたのだった。




 そして太陽が出てきて数時間。
 僕は遊びに行ってくると伝え、森へと入った。
 静まりかえった森には僕の足音しか音が無かった。
 暫く歩くと木が生えていない場所まで来た。
 プレートが埋まっている場所だ。
 昨日と同じ様にプレートに触れると僕の身体は異次元へと消えた。




 白く何もない部屋。
 来たのは二回目だがとても僕は見慣れていた。
 それは大事な人と一緒にいるからだろうが、そんな事は今は知りもしなかった。

「おはよう。ハデス」

「おはよう。ホムラ」

 短い言葉で挨拶を僕とホムラは済ませた。
 互いを理解し合っている僕等にはそれだけで充分なのだ。
 僕とホムラはソファーに腰を掛けた。
 ソファーはホムラが何処かから出したものだ。
 一瞬過ぎて僕はどうやったかが全く分かっていなかったが、いつかは教えてくれるだろうと思い、それを確認するのは止めた。

「今日から本格的に活動開始だね。......具体的にはこれからどうするの。作戦でもあるの?」

「ああ、ある。だが危険だ。それでもするか」

「勿論。それが世界を救うための一歩となるのなら」

「そうか。ならまずは私の話を聞いてくれ」

 ホムラが僕に話したのは、ロキの案だった。
 今ではロキの案ではなく、人間滅亡カタストロフィーというのが正しいがな、という言葉を言いホムラが話し始めた。

人間滅亡カタストロフィーの計画はもう既に約400年前から始まっている。ハデスは400年にあった出来事を知っているか」

「400年? 分からないな」

「では言い方を変えよう。約400年前に生れたものを知っているか」

「勿論。究極生命体アルティメットシインだろう。それが何に関係しーー!? もしかしてこれが」

「ああ、そうだ。今では当たり前のようになっているが、それがこの計画の一つだ。究極生命体アルティメットシインが持つ力ーー神通力は便利だが、ハデスも知っているだろう。最近では一ヶ月前に起きた事件が有名だが、神通力を使い過ぎた者が魔人となったことを」

「うん。知っている。神通力を使い過ぎた者はなるんだろう」

 衝撃の事実に僕の頭は混乱していた。
 しかしそれは少しなのでなんとかホムラの話についていけていた。
 だが、それをさせないかのように、最も重要な事をホムラは口にした。

「一般的にだがな。実際は神通力を使い過ぎると......神通力が消え、究極生命体アルティメットシインでは無くなるのだ」

「消える?」

「ああ、消えては人間滅亡カタストロフィーの計画が台無しになるからな。奴等はそれを防ぐ為に神通力を使い過ぎた者に直接、天罰を降し、魔人にしているのだ」

「そんな事が裏であったなんて。じゃあ、計画を潰すのは神通力を無くし究極生命体アルティメットシインでは無くすという事なの?」

「そうだ。もしくは奴等を殺すかだな」

 そう言ったホムラの言葉に僕は驚きしか今はなかった。
 魔人化事件の裏の真相。
 究極生命体アルティメットシインの真実。
 そんな大事な事を聞いたら一番強い感情は驚きになることを僕は改めて知った。
 だが、そんな世界の大事な事をさらりと言うホムラの爆弾発言はまだ止まらなかった。

 一番大切な事は最後に言うかのように......













「計画では......約13年後に究極生命体アルティメットシインである者全てが、奴等により死ぬのだからな」

「............へ?」

 その言葉が理解出来なかった僕は、思わず口から間抜けな声が漏れていた。
 それは部屋中にに響き渡ったのだった。

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