とある英雄達の最終兵器
第88話 ロリ巨乳エロフメイ、ドフッ
翌日。
「さて、今後の予定だが、一ヶ月後にロディニア闘技大会と五大国会議があるのは承知しているな? で、その前に3年間で5回ある課外研修の内の一回目を行う。課外研修の内容はなんだ。アンフィス!」
帰りのホームルームで担任であるルーナが教壇の上からアンフィスを指名する。
「他国訪問ス」
簡潔明瞭に答えるアンフィス。恐らく最後の「ス」はあいつなりの敬語なんだろう。あいつはホント世渡り上手くないタイプだな。
「まぁ、そうだ。一年時には一回他国訪問をする。その国とはリエース共和国だ。滞在期間は4日だが、行きの移動時間が1日から2日くらいか……。まぁウチのクラスに限って2日もかかるノロマはいないだろうがな」
ルーナが不敵な笑みで含みを持たせたことを言ってくる。移動時間が伸び縮み? ノロマ? まさか……?
「はい、センセーセンセー! まさか徒歩で行くのでありますか!?」
こういう時何の遠慮もなく突っ込んでいけるのがテップの良いところだよな。
「ッフ、遠足じゃあるまいし、ましてここは世界に名高いハルモニア校だぞ? 当然競え。そして競うからには歩くなんていう選択肢はない。ひたすら走れ」
「「うげぇー」」
質問者であるテップと傍観者であったリリスがうんざりした表情でうんざりした声を出す。君たち正直すぎるよ? 内申点下がっちゃうよ? まぁ気にするタイプじゃないよね、うん。
「というわけで概要を今から紙面にて渡す。各自目を通しておけ。質問はそれを読んだ後にしてこい。連絡事項は以上だ、解散」
そしてルーナはこれ以上の質問は受け付けず、足早に教室を去っていく。
「ふむ、とりあえず読んでみますか」
周りはざわざわと盛り上がっているが、概要を読まないことには始まらないだろう。とりあえず今しがた配られた紙に目を通す。なになに……。ふむふむ。
ざっとまとめると、プチ修学旅行って感じだな。他国、他種族の生活や風習、文化に触れて興味を持て、と。
で、事前にどういった国かを調べて……、お、滞在三日目は自由行動もあるじゃないか。ふむ、知らない場所を旅する時、人は旅人となる。オラわくわくしてきちまったな。
移動手段は……本当に徒歩か。こっからだとリエース共和国まで200kmくらいあるかな? まぁ本気で走れば……あれ? 一時間かからない……。が、問題は団単位での行動なんだよなぁ。間違いなくテップとリリスは頑張らないだろうし……。むしろあいつらは野宿したいとか言い出すな……。多分。いや絶対。
しかし、到着した順位で宿泊施設のランクや食事のランクが変わるからな、否が応でも走らせよう。どうせなら美味いもん食って、フカフカのベッドで寝たい。そして温泉あったら温泉に入りたい!!
「ってな感じだな。カグヤ」
「そうだね。きっと考えていることは一緒だね……。二人には頑張ってもらわないと……」
カグヤと目を合わせ頷き合う。
「ししょー。大会直前だから修行しながら行きたい」
「ん? あぁ、移動中は修行しながら行こう。んで、三日目は道場破りでも行くか?」
「それいい」
ポンッと手を叩き、道場破りの四文字に目を輝かすレーベ。道場破りに目を輝かす少女ってどうなんだろう……。しかし、もう既にリエース共和国の猛者との戦いを夢想しているのか、レーベは目を閉じ、むふーと言いながらニヤニヤしている。そっとしておいてやろう……。
「走るのイヤなのだー」
「イヤなのだー」
一方問題児二人は、机の上にぐてーっと項垂れて文句を言っている。なおテップはリリスに真似すんなと蹴りをもらっている。しかし、蹴る方も蹴られる方も実にめんどくさそうだ。お前らちょっとはやる気出せ。
「セシリアは久しぶりの故郷だろ? 良かったな」
そんな二人は放っておいてリエース共和国出身であるセシリアに話しかける。
「はいっ! すごく楽しみですっ! あと、その、もしよろしければ皆様自由行動の時に私のお家に遊びに来ませんか?」
「あぁ、もち――」
いや、待て。セシリアの家ってリエースの指導者、つまり王様的な家だろ? そこに他国の姫さん4人連れて行くの? なんかそれ外交的にどうなの? おっけーなの?
「行くのだ! 行くのだ! セシリアの家に行ってみたいのだー!」
「強いの……いる?」
とりあえず外交とか全く考えていない二人が条件反射で反応する。リリスは恐らくダルい社会科見学から、友達の家に遊びに行くにランクアップしてテンションが上ったんだろう。なんという単純さ……。そしてレーベは強い奴さえいれば何でもいいのね? 君はバトル系漫画の主人公になれるよ、うん。
「まぁ大丈夫だろう。入国した時点でどうせ、だ。それにどちらにせよ邪魔するからには挨拶しておかなきゃいけないしな」
テュールが逡巡しているとレフィーがそんなことを言ってくる。確かに、事前に行きますって告知はするだろうしな。
「じゃ、セシリアお言葉に甘えてお邪魔させてもらうよ」
「はいっ、嬉しいですっ!」
本当に嬉しそうに返事をするなセシリアは。
そしてぐでーっとしながら聞いてるのか聞いていないのか分からないような態度のテップが急に目を見開き起き上がると、ずずいっとセシリアに詰め寄る。何事だ?
「む? ということはメイドとかいるのか? 城には若くて綺麗でおっぱいが大きいメイドとかいるのか?」
テップはブレることなくテップだった……。
「え、その、いることにはいますけど……、年齢や、その胸の大きさまでは……」
「いるんだな? エルフは見た目若い子が多いし……よしっ、よしっ! よぉぉおしっ!! 巨乳エロフメイドに出会うため俺はやるぞぉおお!!」
巨乳エロフメイドってすげーパワーワードだな、おい。テップ、お前の気持ちは分からんでもないがそんな大声で言うと、教室中の女子の視線を独り占めだぞ? 悪い意味で。
「そ、それで、更に注文を付けていいならば、ロリ巨乳エロフメイ――」
「はい、ちょっと静かにしようね?」
「ドフッ!!」
血走った目で更に詰め寄るテップをカグヤが両手で頭と顎をサンドし、強制的に沈黙させる。
女性陣5人は頷き合っている。どうやら悪を滅ぼしたという認識に違いないようだ。
テップを除く男性陣4人は頷き合っている。いつものことだ、放っておこうと。
こうしていつものアホなテップを眺めているとレフィーが思い出したように話しかけてくる。
「あぁ、そうだ。テュール。話は変わるが来週の日曜に一日お前を借りたい。ほら、一番最初の貸しがあったろ?」
「一番最初……? んんー? あぁー! はいはい、ありましたありました。もう貸しが多すぎて何が何だか分からないが、最初の貸しね……。つか俺いくつ貸し溜まってるの?」
「フフ、教えてやろうか? 当然私は記憶しているぞ?」
不敵な笑みで指を折り始めるレフィー。両手の指が端から順に折られてゆき、再度伸ばされ始めたところで止める。
「いやいい。聞かないでおく。とりあえずその最初の貸しは返すわ。で、要件は?」
「なーに簡単だ。しつこい縁談が来ていてな、わざわざ五大国会議前の視察と銘打って会いに来るみたいだ。そこで一日恋人のフリをしてくれればいい。なに隣で頷いているだけでいいさ」
「……ま、まぁそれ自体はいいんだが、それ大事にならない? 縁談ってキミ皇女だから相手もお偉いさんでしょ……?」
「そうだな、叔父上の長男で、四龍王の副官をやっている。まぁしかしただのアホだ。そうだなテップと同じくらいアホだな」
ひたかんだ、ひたかんだ、とのたうち回っているテップを顎で指しながらレフィーがそう言う。う~ん、なんだろう急に余裕な気がしてきた。
「と言うわけでよろしく頼んだ」
ポンッと肩を叩いて返事を待たず教室を去るレフィー。こうなってしまったらもう決定事項なんだろう。まぁなんだかんだレフィーは冗談や悪ふざけで済むラインの見極めはしっかりしているから大事にはならないだろう。
こうしてテュールはあまり深く考えず了承し、日曜日までひたすら修行に勤しむのであった。
「さて、今後の予定だが、一ヶ月後にロディニア闘技大会と五大国会議があるのは承知しているな? で、その前に3年間で5回ある課外研修の内の一回目を行う。課外研修の内容はなんだ。アンフィス!」
帰りのホームルームで担任であるルーナが教壇の上からアンフィスを指名する。
「他国訪問ス」
簡潔明瞭に答えるアンフィス。恐らく最後の「ス」はあいつなりの敬語なんだろう。あいつはホント世渡り上手くないタイプだな。
「まぁ、そうだ。一年時には一回他国訪問をする。その国とはリエース共和国だ。滞在期間は4日だが、行きの移動時間が1日から2日くらいか……。まぁウチのクラスに限って2日もかかるノロマはいないだろうがな」
ルーナが不敵な笑みで含みを持たせたことを言ってくる。移動時間が伸び縮み? ノロマ? まさか……?
「はい、センセーセンセー! まさか徒歩で行くのでありますか!?」
こういう時何の遠慮もなく突っ込んでいけるのがテップの良いところだよな。
「ッフ、遠足じゃあるまいし、ましてここは世界に名高いハルモニア校だぞ? 当然競え。そして競うからには歩くなんていう選択肢はない。ひたすら走れ」
「「うげぇー」」
質問者であるテップと傍観者であったリリスがうんざりした表情でうんざりした声を出す。君たち正直すぎるよ? 内申点下がっちゃうよ? まぁ気にするタイプじゃないよね、うん。
「というわけで概要を今から紙面にて渡す。各自目を通しておけ。質問はそれを読んだ後にしてこい。連絡事項は以上だ、解散」
そしてルーナはこれ以上の質問は受け付けず、足早に教室を去っていく。
「ふむ、とりあえず読んでみますか」
周りはざわざわと盛り上がっているが、概要を読まないことには始まらないだろう。とりあえず今しがた配られた紙に目を通す。なになに……。ふむふむ。
ざっとまとめると、プチ修学旅行って感じだな。他国、他種族の生活や風習、文化に触れて興味を持て、と。
で、事前にどういった国かを調べて……、お、滞在三日目は自由行動もあるじゃないか。ふむ、知らない場所を旅する時、人は旅人となる。オラわくわくしてきちまったな。
移動手段は……本当に徒歩か。こっからだとリエース共和国まで200kmくらいあるかな? まぁ本気で走れば……あれ? 一時間かからない……。が、問題は団単位での行動なんだよなぁ。間違いなくテップとリリスは頑張らないだろうし……。むしろあいつらは野宿したいとか言い出すな……。多分。いや絶対。
しかし、到着した順位で宿泊施設のランクや食事のランクが変わるからな、否が応でも走らせよう。どうせなら美味いもん食って、フカフカのベッドで寝たい。そして温泉あったら温泉に入りたい!!
「ってな感じだな。カグヤ」
「そうだね。きっと考えていることは一緒だね……。二人には頑張ってもらわないと……」
カグヤと目を合わせ頷き合う。
「ししょー。大会直前だから修行しながら行きたい」
「ん? あぁ、移動中は修行しながら行こう。んで、三日目は道場破りでも行くか?」
「それいい」
ポンッと手を叩き、道場破りの四文字に目を輝かすレーベ。道場破りに目を輝かす少女ってどうなんだろう……。しかし、もう既にリエース共和国の猛者との戦いを夢想しているのか、レーベは目を閉じ、むふーと言いながらニヤニヤしている。そっとしておいてやろう……。
「走るのイヤなのだー」
「イヤなのだー」
一方問題児二人は、机の上にぐてーっと項垂れて文句を言っている。なおテップはリリスに真似すんなと蹴りをもらっている。しかし、蹴る方も蹴られる方も実にめんどくさそうだ。お前らちょっとはやる気出せ。
「セシリアは久しぶりの故郷だろ? 良かったな」
そんな二人は放っておいてリエース共和国出身であるセシリアに話しかける。
「はいっ! すごく楽しみですっ! あと、その、もしよろしければ皆様自由行動の時に私のお家に遊びに来ませんか?」
「あぁ、もち――」
いや、待て。セシリアの家ってリエースの指導者、つまり王様的な家だろ? そこに他国の姫さん4人連れて行くの? なんかそれ外交的にどうなの? おっけーなの?
「行くのだ! 行くのだ! セシリアの家に行ってみたいのだー!」
「強いの……いる?」
とりあえず外交とか全く考えていない二人が条件反射で反応する。リリスは恐らくダルい社会科見学から、友達の家に遊びに行くにランクアップしてテンションが上ったんだろう。なんという単純さ……。そしてレーベは強い奴さえいれば何でもいいのね? 君はバトル系漫画の主人公になれるよ、うん。
「まぁ大丈夫だろう。入国した時点でどうせ、だ。それにどちらにせよ邪魔するからには挨拶しておかなきゃいけないしな」
テュールが逡巡しているとレフィーがそんなことを言ってくる。確かに、事前に行きますって告知はするだろうしな。
「じゃ、セシリアお言葉に甘えてお邪魔させてもらうよ」
「はいっ、嬉しいですっ!」
本当に嬉しそうに返事をするなセシリアは。
そしてぐでーっとしながら聞いてるのか聞いていないのか分からないような態度のテップが急に目を見開き起き上がると、ずずいっとセシリアに詰め寄る。何事だ?
「む? ということはメイドとかいるのか? 城には若くて綺麗でおっぱいが大きいメイドとかいるのか?」
テップはブレることなくテップだった……。
「え、その、いることにはいますけど……、年齢や、その胸の大きさまでは……」
「いるんだな? エルフは見た目若い子が多いし……よしっ、よしっ! よぉぉおしっ!! 巨乳エロフメイドに出会うため俺はやるぞぉおお!!」
巨乳エロフメイドってすげーパワーワードだな、おい。テップ、お前の気持ちは分からんでもないがそんな大声で言うと、教室中の女子の視線を独り占めだぞ? 悪い意味で。
「そ、それで、更に注文を付けていいならば、ロリ巨乳エロフメイ――」
「はい、ちょっと静かにしようね?」
「ドフッ!!」
血走った目で更に詰め寄るテップをカグヤが両手で頭と顎をサンドし、強制的に沈黙させる。
女性陣5人は頷き合っている。どうやら悪を滅ぼしたという認識に違いないようだ。
テップを除く男性陣4人は頷き合っている。いつものことだ、放っておこうと。
こうしていつものアホなテップを眺めているとレフィーが思い出したように話しかけてくる。
「あぁ、そうだ。テュール。話は変わるが来週の日曜に一日お前を借りたい。ほら、一番最初の貸しがあったろ?」
「一番最初……? んんー? あぁー! はいはい、ありましたありました。もう貸しが多すぎて何が何だか分からないが、最初の貸しね……。つか俺いくつ貸し溜まってるの?」
「フフ、教えてやろうか? 当然私は記憶しているぞ?」
不敵な笑みで指を折り始めるレフィー。両手の指が端から順に折られてゆき、再度伸ばされ始めたところで止める。
「いやいい。聞かないでおく。とりあえずその最初の貸しは返すわ。で、要件は?」
「なーに簡単だ。しつこい縁談が来ていてな、わざわざ五大国会議前の視察と銘打って会いに来るみたいだ。そこで一日恋人のフリをしてくれればいい。なに隣で頷いているだけでいいさ」
「……ま、まぁそれ自体はいいんだが、それ大事にならない? 縁談ってキミ皇女だから相手もお偉いさんでしょ……?」
「そうだな、叔父上の長男で、四龍王の副官をやっている。まぁしかしただのアホだ。そうだなテップと同じくらいアホだな」
ひたかんだ、ひたかんだ、とのたうち回っているテップを顎で指しながらレフィーがそう言う。う~ん、なんだろう急に余裕な気がしてきた。
「と言うわけでよろしく頼んだ」
ポンッと肩を叩いて返事を待たず教室を去るレフィー。こうなってしまったらもう決定事項なんだろう。まぁなんだかんだレフィーは冗談や悪ふざけで済むラインの見極めはしっかりしているから大事にはならないだろう。
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コメント
凛として葱
遂にぃ!レフィーちゃんのぉ!恋話回かぁ!
ノベルバユーザー9588
平均時速200km越えとか通った道グチャグチャになりそう