絶対守護者の学園生活記
エルフ国へ
ついに合宿が始まる日となった。
今はエルフ国へと続く学園の転移魔法陣の部屋に全生徒がいるわけだが、俺は既に帰りたくなりつつある。
「おい、あの子ってもしかして……」
「あいつの娘だろ。手が早いな」
「でもあいつのハーレムってカレンさんとリリィさんとミーナさんとアリス先輩だろ?」
「確かそのはずだ。じゃああの髪と瞳の色は一体……?」
Bクラスの奴らが、いや全生徒がこちらを窺うようにして見てきているからだ。興味津々といった感じで。
「パパ~人がいっぱいいる~」
原因は俺に肩車をされながら頭をペシペシと叩いてくるクーである。
さっきの会話からも分かる通り、クーが俺と嫁の間に出来た子供だと思っているようだが、髪の色と瞳の色が一致する人がいないため困惑しているようだ。
ソフィ先輩が嫁になったのは夏休みに入ってからだから、他の人が知らないのは無理もないであろう。
というか見た目四歳児の娘がいる十五歳ってなんだよ。
それにリリィは嫁じゃないぞ?
無事にクーを連れていくことの許可を貰えたので、一緒に行くことになったのだが、合宿中は基本的にはクラス単位で行動する。
その為ソフィ先輩とは別行動になってしまうので、父と母のどちらがクーの面倒を見るかということになった。
そして俺が引き受けることになった。
そのような、あなた!その子は誰の子なのよ!事件(マルク命名)がありつつも、転移魔法陣によってエルフ国へと転移する。
「うわぁ……綺麗……」
転移した直後、ミーナが感動したように呟く。
転移先はエルフ国の学園の転移魔法陣の部屋。そこは色の付いた淡い光がゆらゆらと部屋中を揺れている幻想的な光景が広がっていた。
「ようこそエルフの国、アルフォンスへ。妾は第一王女のクラリリス=リ=アルフォンスじゃ」
光景を楽しんでいたところに、声がかかる。
全校生徒の前に一人のエルフが立っており、どうやらその人はこの国の王女様のようだ。
気品を漂わせており、エルフなだけあって素直に美しいと思える顔立ちをしている。
「妾が合宿先への案内をさせてもらうことになった。ところで……レオン=ガーディアはどこじゃ?」
……
「うわ、露骨に目を逸らしてるぞこいつ」
「レオン君は面倒事は嫌がるからね」
いや、誰だって面倒事は嫌がるだろ。だってこういう時って絶対面倒事に巻き込まれるんだぞ?経験者は語るだ。
木になれ……俺は木……ただ黙ってこの場をやり過ごすんだ……
「パパ呼ばれてるよー!」
クーさん!?そんな大声でパパを呼んじゃダメだよ!?
しかしクーに悪気はないんだよなぁ。代わりにマルクを後で殴っとくか。
ほーら王女様がこっちに来たよ。面倒臭いことになりませんように。
「お主がレオン=ガーディアか。確かに妾の記憶とも一致するな」
「ど、どうも……」
「ふむ……しっかりと見るのは初めてじゃが、顔も良いし性格も周りの友を見れば良いと分かる。そしてその強さ。うむ、お主、妾に仕える気はないか?」
「……はぁ?」
早速面倒なことになったよ……
仕える気はさらさら無いんだが、仮にもエルフ国の王女からの誘いだし、どうすればいいんだ。
嫌ですとか言ったら魔法で焼き殺されたりしないよな?
てか俺がアリスの婚約者だと知った上で言ってるのか?
「クララさん、レオン君は私の婚約者なので駄目ですよ」
「む、そうなのかシャル?それはめでたいのぉ」
「えぇ、私の自慢のお婿さんです」
 
俺が困っているといつの間にか近くまで来ていたシャルが、親しげに王女様と言葉を交わした後、俺の腕に自身の腕を絡めるようにして抱き着いてきた。
何事かと俺達の方を見ていた生徒達が目を見開いて驚いている。
シャルが俺の婚約者になったことだろうなきっと。
「いつの間にシャルロット先輩まで……レオン死すべし」
「そんな事言ってるとまたレオン君がシェリーちゃんに告げ口しちゃうよ?」
「レオンおめでとう!俺はとっても嬉しいよ!」
馬鹿とミーナの会話が平和すぎてそちらに混じりたい気持ちで一杯になる。
特別に今回は告げ口はしないであげよう。
「しかしそうなら仕方ないのぉ。今回は諦めるのじゃ」
今回は?次回があるってことですか。もうエルフ国には来ないことにしよう。
「むむ? そういえばアリスとも婚約しておらんかったか?」
「えぇ、してますよ。それに……」
シャルの言葉に続いくようにして、ぞろぞろと何人かの集団がこちらへと向かってくる。
……カレンにリリィにアリス、それにソフィ先輩であった。ミーナもいつの間にか俺の隣に来ている。
「ここにいる全員がレオン君の婚約者ですよ?」
またしても驚く生徒達。今度はソフィ先輩が加わっていることに対してであろう。
「ほほう? 流石は英雄の息子じゃな」
ええい!そのニヤニヤ顔やめい!
「少しぐらい誤爆しても大丈夫だよな……」
「俺も手が滑って全力の魔法当てちまうかもしれない」
「拙者の秘技を見せてやるでござる」
ついに俺に攻撃しようとする奴らまで現れる始末。あと忍者くん久し振りだね。
そんなこんなでギャーギャーと騒いでいたら当然
「レオン?さっきから何をやってるんだ?」
眉をピクッピクッと動かして、いかにも爆発寸前のヤンキー先生にお叱りを受けたのであった。なぜか俺だけ。理不尽である。
※※※
そしてついにやってきました海。
エルフ国の学園からまた転移魔法陣によって移動したらあっという間に合宿場所へと辿り着いた。
一面に広がる青い海。そして雲一つない快晴。全生徒が泊まれるぐらいには大きな、まるで金持ちの別荘のような綺麗な建物。
これもはや合宿じゃなくて旅行じゃねと思わせるような待遇だ。
今回の合宿の予定は三泊四日となっており、初日は移動のみで残りの時間は自由時間となっている。
つまり……
次回は水着回ってことだ!
今はエルフ国へと続く学園の転移魔法陣の部屋に全生徒がいるわけだが、俺は既に帰りたくなりつつある。
「おい、あの子ってもしかして……」
「あいつの娘だろ。手が早いな」
「でもあいつのハーレムってカレンさんとリリィさんとミーナさんとアリス先輩だろ?」
「確かそのはずだ。じゃああの髪と瞳の色は一体……?」
Bクラスの奴らが、いや全生徒がこちらを窺うようにして見てきているからだ。興味津々といった感じで。
「パパ~人がいっぱいいる~」
原因は俺に肩車をされながら頭をペシペシと叩いてくるクーである。
さっきの会話からも分かる通り、クーが俺と嫁の間に出来た子供だと思っているようだが、髪の色と瞳の色が一致する人がいないため困惑しているようだ。
ソフィ先輩が嫁になったのは夏休みに入ってからだから、他の人が知らないのは無理もないであろう。
というか見た目四歳児の娘がいる十五歳ってなんだよ。
それにリリィは嫁じゃないぞ?
無事にクーを連れていくことの許可を貰えたので、一緒に行くことになったのだが、合宿中は基本的にはクラス単位で行動する。
その為ソフィ先輩とは別行動になってしまうので、父と母のどちらがクーの面倒を見るかということになった。
そして俺が引き受けることになった。
そのような、あなた!その子は誰の子なのよ!事件(マルク命名)がありつつも、転移魔法陣によってエルフ国へと転移する。
「うわぁ……綺麗……」
転移した直後、ミーナが感動したように呟く。
転移先はエルフ国の学園の転移魔法陣の部屋。そこは色の付いた淡い光がゆらゆらと部屋中を揺れている幻想的な光景が広がっていた。
「ようこそエルフの国、アルフォンスへ。妾は第一王女のクラリリス=リ=アルフォンスじゃ」
光景を楽しんでいたところに、声がかかる。
全校生徒の前に一人のエルフが立っており、どうやらその人はこの国の王女様のようだ。
気品を漂わせており、エルフなだけあって素直に美しいと思える顔立ちをしている。
「妾が合宿先への案内をさせてもらうことになった。ところで……レオン=ガーディアはどこじゃ?」
……
「うわ、露骨に目を逸らしてるぞこいつ」
「レオン君は面倒事は嫌がるからね」
いや、誰だって面倒事は嫌がるだろ。だってこういう時って絶対面倒事に巻き込まれるんだぞ?経験者は語るだ。
木になれ……俺は木……ただ黙ってこの場をやり過ごすんだ……
「パパ呼ばれてるよー!」
クーさん!?そんな大声でパパを呼んじゃダメだよ!?
しかしクーに悪気はないんだよなぁ。代わりにマルクを後で殴っとくか。
ほーら王女様がこっちに来たよ。面倒臭いことになりませんように。
「お主がレオン=ガーディアか。確かに妾の記憶とも一致するな」
「ど、どうも……」
「ふむ……しっかりと見るのは初めてじゃが、顔も良いし性格も周りの友を見れば良いと分かる。そしてその強さ。うむ、お主、妾に仕える気はないか?」
「……はぁ?」
早速面倒なことになったよ……
仕える気はさらさら無いんだが、仮にもエルフ国の王女からの誘いだし、どうすればいいんだ。
嫌ですとか言ったら魔法で焼き殺されたりしないよな?
てか俺がアリスの婚約者だと知った上で言ってるのか?
「クララさん、レオン君は私の婚約者なので駄目ですよ」
「む、そうなのかシャル?それはめでたいのぉ」
「えぇ、私の自慢のお婿さんです」
 
俺が困っているといつの間にか近くまで来ていたシャルが、親しげに王女様と言葉を交わした後、俺の腕に自身の腕を絡めるようにして抱き着いてきた。
何事かと俺達の方を見ていた生徒達が目を見開いて驚いている。
シャルが俺の婚約者になったことだろうなきっと。
「いつの間にシャルロット先輩まで……レオン死すべし」
「そんな事言ってるとまたレオン君がシェリーちゃんに告げ口しちゃうよ?」
「レオンおめでとう!俺はとっても嬉しいよ!」
馬鹿とミーナの会話が平和すぎてそちらに混じりたい気持ちで一杯になる。
特別に今回は告げ口はしないであげよう。
「しかしそうなら仕方ないのぉ。今回は諦めるのじゃ」
今回は?次回があるってことですか。もうエルフ国には来ないことにしよう。
「むむ? そういえばアリスとも婚約しておらんかったか?」
「えぇ、してますよ。それに……」
シャルの言葉に続いくようにして、ぞろぞろと何人かの集団がこちらへと向かってくる。
……カレンにリリィにアリス、それにソフィ先輩であった。ミーナもいつの間にか俺の隣に来ている。
「ここにいる全員がレオン君の婚約者ですよ?」
またしても驚く生徒達。今度はソフィ先輩が加わっていることに対してであろう。
「ほほう? 流石は英雄の息子じゃな」
ええい!そのニヤニヤ顔やめい!
「少しぐらい誤爆しても大丈夫だよな……」
「俺も手が滑って全力の魔法当てちまうかもしれない」
「拙者の秘技を見せてやるでござる」
ついに俺に攻撃しようとする奴らまで現れる始末。あと忍者くん久し振りだね。
そんなこんなでギャーギャーと騒いでいたら当然
「レオン?さっきから何をやってるんだ?」
眉をピクッピクッと動かして、いかにも爆発寸前のヤンキー先生にお叱りを受けたのであった。なぜか俺だけ。理不尽である。
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そしてついにやってきました海。
エルフ国の学園からまた転移魔法陣によって移動したらあっという間に合宿場所へと辿り着いた。
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次回は水着回ってことだ!
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音街 麟
まだなっとらん
ペンギン
リリィっていつの間にか婚約者になったんですか?