絶対守護者の学園生活記
平穏な時間は一瞬で
俺が入学してから一週間が経った。
それだけ経てば俺の生活のルーチンも定まってきた。
朝早く起きてソフィ先輩と鍛錬をする。たまにアリスも混ざるが、学園トップツーの実力だけあって有意義な時間を過ごすことが出来ている。終わった後は二人と別れ、シャワーを浴びた後に食堂へと向かう。そこではカレンとリリィ、さらにミーナとマルクの五人で一緒に食べるのがお決まりとなっていた。マルクは女子三人が美少女なため、かなり喜んでいた。だが許嫁さんにチクるぞと言ってからは大人しくなった。尻に敷かれてるなぁ……。その後はそれぞれの教室へと向かい授業を受ける。放課後は誰かしらと街へ出たり、孤児院に顔を出したりしている。
    平和だなぁ.....
アリスを魔物から助け、入学式では学園長と戦うことになり、果てには貴族の家を一つ滅ぼした。まだダルクさんの所を出て一カ月と少ししか経っていないのに、随分濃い時間を過ごしてきたもんだ。しばらくは何事もなく過ごしたい。平和万歳!
そんなことを考えてる間にも時は進み、実技の時間になっていた。一学年全員が訓練場に集まっていた。
「いよいよ来週には野外実習だ。実際に外に出て魔物を狩ってもらう。つーわけで班を組め。しばらく時間を取るから五人一組を作れ。しっかり前衛後衛のバランスは考えろよ?」
そして、皆が一斉に動き始め班員を探し出す。五人か。ならちょうどいいな。
「ミーナ、マルク、組もうぜ」
「おう」
「よろしくね。後二人はどうするの」
「それなら……」
「レオン!」
「ほら来た」
カレンがリリィを連れてこちらへとやってくる。
「いつもの五人か。そういや一学年の二大美少女が決まったぞ。聞きたいかね、レオン君?」
生えてもないのに口元の髭を撫でるかのような仕草をするマルク。ただただうざい。
「いいから早く聞かせろ」
マルクはともかく、俺だって男なので気になったりはする。
「ふむ、お前もやっぱり男だな。まあぶっちゃけるとそこにいるんだがな」
そう言ってカレンとリリィを指さす。この二人か。まあ妥当だな。
むしろうちの妹が選ばれなかったら学園の野郎どもの目を疑う。こんなにも可愛いのに選ばれないわけないだろ! いや、むしろ野郎どもにそういう目で見られないためにも選ばれない方がよかったのか?
「ふーん、どうでもいいわね」
「………迷惑」
「おぉう……選んだ奴らが可哀想に思えるくらいザックリと……」
俺には選ばれた側の気持ちなんて分からんが、少なくとも当事者達は良い思いではないようだ。
今更だが二大イケメンなどはないのだろうか。いや、男には需要がないから必要ないか。
「そ、そういえばレオンはどう思うの?」
「カレン達が二大美少女に選ばれたことか?」
「うん」
「妥当じゃないか? 俺の目から見ても二人とも可愛いし」
「そ、そう……」
ん? カレンとリリィが真っ赤になって俯いてしまった。なんやかんや選ばれて本当は嬉しかったのだろうか。二人とも素直じゃないなぁ。
「ねぇ、そろそろ野外実習の話もしない?」
「それもそうだな」
ミーナの言葉で脱線していた話を元へと戻す。あれだ、ミーナはこの班においてのストッパー的存在だな。
それぞれの戦闘スタイルなどを確認しあい、戦闘時の陣形などを決める。
「んじゃ、俺とカレンとマルクが前衛で敵を引き付け、ミーナとリリィは後衛で魔法をぶち込むと」
確認したところ、カレンは火魔法と細剣での、マルクは土魔法と大剣での前衛型。ミーナは獣人特有の素早さを生かしたダガーでの接近戦を得意としているらしいが今回はサポートに徹してくれるらしい。リリィは接近戦は全く駄目だが、魔力量に物を言わせた圧倒的な火力の魔法を用いるとのこと。俺はどっちでも出来るが、男としては後ろでチマチマやるよりはゴリゴリ攻めたいため前衛になった。
うん、案外いい感じにまとまったんじゃないか?
「おーし、そろそろどこも決まっただろ。それじゃ今回の実習で引率をしてくれる人を紹介するぞ」
ヤンキー先生の言葉につられて、全員が中央へと集結する。教師たちももちろん引率はするが、何が起きても対処出来るように、一般の冒険者などからも引率者はつけられる。
「では二人ほど紹介する。学園長の勧めで選ばれた人達だ。実力は折り紙付きだぞ。では、入ってきてください!」
そう合図をした瞬間、いきなりヤンキー先生の隣に人が現れる。輝くような金の髪を途中で纏めて前へと垂らし、トパーズを思わせるかのような瞳。滅多にお目にかかれない美人の登場で、生徒たちが浮足立つ。だが俺はその人を見て、嫌な汗が噴き出てくる。
「先生、もう一人は?」
生徒の誰かがそう問いかける。
その瞬間だった。
「俺はここだああああああああああああああ!!!」
上から聞こえてくる声に、生徒一同が一斉に上を向く。
なんとそこからは一人の男が降ってきた。親方! 空から不審者が!
ドッシーン!という大きな音とともに男が着地した。おいおい地面が軽くへこんでるぞ。
あまりに驚きの登場をかましてくれた男に、しばらく周りは静まり返っていたが、やがてヤンキー先生が話し始める。
「というわけで、こちらが今回の引率を引き受けてくださったダルク=ガーディアさんとユフィ=ガーディアさんだ」
そう、まさかのダルクさんとユフィさんが今回の引率であった。
ヤンキー先生の紹介を聞いて、周りの生徒がこちらを向く。まあガーディアって姓を聞けば気付くわな。
これから起こるであろうことを想像し、ため息をつく。
さようなら、俺の平和な時間よ……。
それだけ経てば俺の生活のルーチンも定まってきた。
朝早く起きてソフィ先輩と鍛錬をする。たまにアリスも混ざるが、学園トップツーの実力だけあって有意義な時間を過ごすことが出来ている。終わった後は二人と別れ、シャワーを浴びた後に食堂へと向かう。そこではカレンとリリィ、さらにミーナとマルクの五人で一緒に食べるのがお決まりとなっていた。マルクは女子三人が美少女なため、かなり喜んでいた。だが許嫁さんにチクるぞと言ってからは大人しくなった。尻に敷かれてるなぁ……。その後はそれぞれの教室へと向かい授業を受ける。放課後は誰かしらと街へ出たり、孤児院に顔を出したりしている。
    平和だなぁ.....
アリスを魔物から助け、入学式では学園長と戦うことになり、果てには貴族の家を一つ滅ぼした。まだダルクさんの所を出て一カ月と少ししか経っていないのに、随分濃い時間を過ごしてきたもんだ。しばらくは何事もなく過ごしたい。平和万歳!
そんなことを考えてる間にも時は進み、実技の時間になっていた。一学年全員が訓練場に集まっていた。
「いよいよ来週には野外実習だ。実際に外に出て魔物を狩ってもらう。つーわけで班を組め。しばらく時間を取るから五人一組を作れ。しっかり前衛後衛のバランスは考えろよ?」
そして、皆が一斉に動き始め班員を探し出す。五人か。ならちょうどいいな。
「ミーナ、マルク、組もうぜ」
「おう」
「よろしくね。後二人はどうするの」
「それなら……」
「レオン!」
「ほら来た」
カレンがリリィを連れてこちらへとやってくる。
「いつもの五人か。そういや一学年の二大美少女が決まったぞ。聞きたいかね、レオン君?」
生えてもないのに口元の髭を撫でるかのような仕草をするマルク。ただただうざい。
「いいから早く聞かせろ」
マルクはともかく、俺だって男なので気になったりはする。
「ふむ、お前もやっぱり男だな。まあぶっちゃけるとそこにいるんだがな」
そう言ってカレンとリリィを指さす。この二人か。まあ妥当だな。
むしろうちの妹が選ばれなかったら学園の野郎どもの目を疑う。こんなにも可愛いのに選ばれないわけないだろ! いや、むしろ野郎どもにそういう目で見られないためにも選ばれない方がよかったのか?
「ふーん、どうでもいいわね」
「………迷惑」
「おぉう……選んだ奴らが可哀想に思えるくらいザックリと……」
俺には選ばれた側の気持ちなんて分からんが、少なくとも当事者達は良い思いではないようだ。
今更だが二大イケメンなどはないのだろうか。いや、男には需要がないから必要ないか。
「そ、そういえばレオンはどう思うの?」
「カレン達が二大美少女に選ばれたことか?」
「うん」
「妥当じゃないか? 俺の目から見ても二人とも可愛いし」
「そ、そう……」
ん? カレンとリリィが真っ赤になって俯いてしまった。なんやかんや選ばれて本当は嬉しかったのだろうか。二人とも素直じゃないなぁ。
「ねぇ、そろそろ野外実習の話もしない?」
「それもそうだな」
ミーナの言葉で脱線していた話を元へと戻す。あれだ、ミーナはこの班においてのストッパー的存在だな。
それぞれの戦闘スタイルなどを確認しあい、戦闘時の陣形などを決める。
「んじゃ、俺とカレンとマルクが前衛で敵を引き付け、ミーナとリリィは後衛で魔法をぶち込むと」
確認したところ、カレンは火魔法と細剣での、マルクは土魔法と大剣での前衛型。ミーナは獣人特有の素早さを生かしたダガーでの接近戦を得意としているらしいが今回はサポートに徹してくれるらしい。リリィは接近戦は全く駄目だが、魔力量に物を言わせた圧倒的な火力の魔法を用いるとのこと。俺はどっちでも出来るが、男としては後ろでチマチマやるよりはゴリゴリ攻めたいため前衛になった。
うん、案外いい感じにまとまったんじゃないか?
「おーし、そろそろどこも決まっただろ。それじゃ今回の実習で引率をしてくれる人を紹介するぞ」
ヤンキー先生の言葉につられて、全員が中央へと集結する。教師たちももちろん引率はするが、何が起きても対処出来るように、一般の冒険者などからも引率者はつけられる。
「では二人ほど紹介する。学園長の勧めで選ばれた人達だ。実力は折り紙付きだぞ。では、入ってきてください!」
そう合図をした瞬間、いきなりヤンキー先生の隣に人が現れる。輝くような金の髪を途中で纏めて前へと垂らし、トパーズを思わせるかのような瞳。滅多にお目にかかれない美人の登場で、生徒たちが浮足立つ。だが俺はその人を見て、嫌な汗が噴き出てくる。
「先生、もう一人は?」
生徒の誰かがそう問いかける。
その瞬間だった。
「俺はここだああああああああああああああ!!!」
上から聞こえてくる声に、生徒一同が一斉に上を向く。
なんとそこからは一人の男が降ってきた。親方! 空から不審者が!
ドッシーン!という大きな音とともに男が着地した。おいおい地面が軽くへこんでるぞ。
あまりに驚きの登場をかましてくれた男に、しばらく周りは静まり返っていたが、やがてヤンキー先生が話し始める。
「というわけで、こちらが今回の引率を引き受けてくださったダルク=ガーディアさんとユフィ=ガーディアさんだ」
そう、まさかのダルクさんとユフィさんが今回の引率であった。
ヤンキー先生の紹介を聞いて、周りの生徒がこちらを向く。まあガーディアって姓を聞けば気付くわな。
これから起こるであろうことを想像し、ため息をつく。
さようなら、俺の平和な時間よ……。
コメント
弥生 凛
会いに行く前に会いに来てるw