絶対守護者の学園生活記

若鷺(わかさぎ)

プロローグ2

 守は気付いたら知らない場所に立っていた。

「は?」

 思わず声が出てしまう。守は辺りを見回し、状況を把握しようとする。分かったことは辺り一面何もなく、ただ白い空間が広がっているということだけだった。結局何も分からず突っ立っていた守だが、不意に

(聞こえる?)
「うおっ!?」

 守の頭の中で声が響いた。 声からすると落ち着いた女性を思わせるが……。
 守は落ち着くために一旦深呼吸をしてから話しかけた。

「誰だ?」
(……神)
「……………」

 守は若干頭痛がしたが、この状況には思い当たることがあった。それは学生生活時代に友達に勧められて読んだ異世界転生もののラノベの流れと同じだと。

「もしかして俺は転生をさせられるのか?」
(………そう)
「……分かった。ただ、一つだけ質問をいいか?」
(うん)
「あの子……優ちゃんは助かったか?」

 そう、守は何よりもそれが気になっていた。

(無事……ありがとう)

 守は安心した。

「分かった。質問はそれだけだ。んで? 俺はこの後どうすれば?」
(生前の行いによる加護を貰って転生してもらう……あげるのは〈想いの加護〉……)
「生前の行いやら加護やらはよく分からんが……」
(それじゃあ……始める)

 すると段々と守の体が薄れていく。

(とりあえず頑張ってみるか。てか俺落ち着きすぎな気が)

 そして体が完全に消える寸前に頭に声が響く。

(お願い……世界を救って……)
「!? それは一体どうい――」

 そこで守は完全に消えた。
 守がいなくなった空間で、かすかに声が響いた。

(私を救ったみたいに……)

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