外道魔術師転生から始まる異世界動物のお医者さん
58話 再会
「キンドゥ!!」
俺は走り出していた。
武器は気がついたら放り投げていた。
フードを外せば懐かしいメンバーだ。
キンドゥ、ルペル、ゴーザ、マジ……そしてユキミ……
「ダイゴローーーーー!!!!」
「ユキミ!」
飛びついてくるユキミを抱きとめる。
以前と変わらない、柔らかく、暖かく、いい匂いがする。
「……ダイゴローだよニャ?」
「え? 酷いよユキミさん!」
「いや、だって……なんか細くなってるから……」
「色々大変だったんだ察してやれユキミ」
「ネズラース! ってことは間違いないのニャ!」
再び強くユキミを抱きしめる。
「よく見たら、今のダイゴローもかっこいいのニャ!」
「な、ユキミ嬢言ったろ? こいつがくたばるようなタマじゃないって!
さぁて、これで心置きなくユキミ嬢を口説けるぞー!」
「なに言ってんだキンドゥ! 再会早々酷いぞ!」
「あっはっは! こいつは照れてんだよ、お前が落ちた後の狼狽えよう見せてやりたかったよ!」
「そうよぉ、自分も飛び込みたいけどユキミちゃんを止めなきゃーって葛藤が目に見えるようだったんだからー」
「流石キンドゥ様……」
「今のどこに流石要素があるんだよ!
でも、ありがとうキンドゥ、心配かけたな」
「心配なんてしてないさ。まぁ、まさか帝国に入るハメになるとは思わなかったがな……」
「ダイゴローたちが落ちてから、こっちも色々あったニャ……」
「まぁ、積もる話も有ると思うが、まずはお前の居る村へ行こう。
こちらの商人から話は聞いている。んで、残りの二人は俺の関係者だ。
ま、それも落ちつけてからにしよう」
「ダイゴロー、別の集団が森へ入ろうとしている。規模は15人ほどだ」
「あっちゃー……掴まれたか……」
「どうするニャキンドゥ?」
「取り敢えず、時間稼いでもらうかぁマジ、ユキミ嬢頼めるか?」
「おう! 任せとけ!」
「わかったニャ!」
「森の精霊よ、森の精霊よ、汝が境界を侵さんとするする者を迷宮へといざいないたまへ……
深き暗い迷宮」
「大気よ惑わせ、深き霧よ、今顕現するニャ……ミリオンフォグ!」
二人の詠唱で森は雰囲気を変える。
そして周囲に濃い霧が立ち込めてくる。
なんだか方向感覚が麻痺したような不思議な感覚を覚える、あれ? めまいまで起きてきたぞ……
「あ、わりー。ダイゴローにもかかっちまったか。
森の精霊よ、我が友を汝が加護のもとへ導きたまへ」
マジさんが手をかざすと目眩のような感覚はスッと消えた。
こわいこわい。
「そしたら行くニャ!」
それから全員でウーズ村へと移動する。
ネズラースいわく森へと侵入してきた人間はグルグルと同じところを行ったり来たりしているようだ。
「あちらにも我々の動きを掴まれましたね。
思ったよりも動きが早いですね」
キンドゥの仲間という男がキンドゥと話している。
長髪黒髪の人間、めずらしく男性だ。
しかし、めちゃくちゃイケメンだ。なんていうか正統派イケメン……まさかキンドゥ……
「おい! ダイゴロー! 今ものすごく失礼なことを考えたろ!」
「い、いや! そんなことないよ!」
「動揺しまくりなのニャ、彼はマサムネ、キンドゥの部下とは思えないほどちゃんとした男ニャ。
でもう一人がムラマサ。マサムネの弟ニャ! 二人共東の方の国のシノビって一族ニャ!」
「ゆ、ユキミ様! いくらキンドゥ様の友とは言えあまり我らの事を話さんでください!」
そう答えたのはもうひとりのムラマサさん。
短く借り揃えられた短髪で体つきががっしりしている。
マサムネさんが生徒会長系のイケメンで、ムラマサさんは体育会系のイケメンって感じだ。
この移動速度に商人を背負いながら着いてきているだけでも実力が垣間見える。
ルペルさんとマジさんはキンドゥの肩に乗って楽をしてる。
「以前の皇帝ならこんなに早く手は打てんだろ。
やはり、噂は本当か……また、大きな戦いになるな……」
「もうすぐだ、詳しい話は家で聞こう」
霧の向こうにウーズ村が見えてくる。
この低気温の中でこれだけの霧を発生させるのは大変だろう、ユキミも成長したようだ。
「おお、なんと、ここがウーズ村!?」
背負ってもらっている商人が驚きの声を上げる。
「だいぶ変わったでしょう?
頑張って発展させました。そしたら俺は村人に話をつけてきます。
そこが俺の家なので入って待っていてください」
俺は避難場所にしている近くの山裾に作った洞窟へ向かい、心配して周囲を警戒していたオーバルに事情を説明する。
昔の仲間と出会えたことを我が事のように喜んでくれたが、まだ帝国側からの追手が迫っているのでしばらくは身を潜めていてほしい事を伝えた。
「大丈夫です。こういう日のために準備はしっかりしてあります。
霧が晴れたら様子を見ながら村へと戻ります!」
リヒトはどんと胸を叩いて俺を安心させてくれる。
「それじゃぁ、世話になった。また、必ず顔をだすよ!」
洞窟内の村の人々にも挨拶をして、俺は村へと戻る。
今、外では何が起きているのか、それを聞かなければならない。
「おうダイゴロー勝手にやってるぞ!」
家に戻ると酒盛りしていた。
「おい! 深刻な話なんだと思って急いで帰ってきたのに!」
「いや、深刻だよ。深刻だからこそ食える時に食ってるんだ。
お前も食え。酒も飲むだろ?」
「わかったよ」
俺は渡されたグラスにワインを注がれる。
「それじゃぁ、ダイゴローの無事の合流に乾杯!」
「「「「「「乾杯」」」」」
こうして再び杯を交わせることに目頭が熱くなったが、杯を煽って誤魔化した。
「……ダイゴロー……? これはどういう事ニャ?」
振り返るとユキミがいた。笑っている。目は笑っていない。
「なに? どうしたの?」
「これはどういうことか聞いてるニャ?」
ユキミが指差す先にはフィーが怯えて小さくなっている。
「お、おい! いじめるなよ! 怖がってるじゃないか……
フィー大丈夫だよー、皆俺の友達だよ」
俺が近づくとフィーは一目散に俺に登り首に巻き付く。
「あ、あ、あーーーー!! う、浮気ニャ!! ほ、他の女と!!」
「はぁ!? いや、いやフィーはあの落ちた洞窟から一緒にいる、まぁ、仲間だよ」
「い、一番つらいときに一緒に苦楽を共にしているうちに二人は……」
「いや、だから! なに言ってるんだよ! フィーは可愛いけどイタチかなにかだろ?」
「……イタチ族は成人するまで、動物の姿を自由に取れるにゃ……もうバレてるのにゃ!
大人しく姿を表わすのにゃ!! この女狐!!」
「ちょ、ちょっとどうしたんだよユキ……」
「ちっ……うるさいなー。これだからおばさんは嫌なのよ……」
聞きなれない声に振り返ると、そこには若い女性が立っている。
イタチ風だが少し人間っぽい顔つき、たしかにフィーの面影が有る……
「え……フィー?」
「キャーダイゴロー、このおばさんがこわーい!」
腕に抱きつかれると、その柔らかな感触は確かに女の子だ……
茶髪というのも変だが、ギャルっぽい、ちょっときつめの顔つき、まだ若いのか同時に可愛らしい感じもある。背は小さいが出るところがしっかりと、かなりしっかりとでていて、若い顔立ちとアンバランスだ。包み込まれている腕は素晴らしい感覚を伝えてくる。
「ちょ、え、ま、マジで?」
「あーあ、せっかくダイゴローとの幸せな生活を楽しんでたのにー……おばさんの性で台無しー……」
「誰がおばさんニャ!! このガキんちょ! ダイゴローから離れるニャ!」
「イヤよ! 私のダイゴローよ!」
「おお、ダイゴローモテモテだな、さ、ユキミ嬢そんな浮気野郎はほっておいて俺と……」
「キンドゥーは引っ込んどくニャ!!」
「取り敢えずフィーちゃんも服を来なさいな~ダイゴローが困ってるわよー」
「あら、そうでしたわ。素敵なおねーさまの言うことには従うわ。
煩いだけのおばさんとは違うわね」
そういうと俺の布団の下から布のタンクトップとショートパンツみたいなものを引っ張り出して着替え始める。あんなとこにあんなものがあったのか!!
……なんていうか、着替えたほうがエロい……
「ふぅ、それでは皆様はじめまして。
私が、遭難していたダイゴローと苦楽を共にしていくつもの夜を共にしたフィーです。
よろしくね」
済ましたポーズで挨拶をする……フィーなんだな……
もう、頭が追いつかない……
俺は走り出していた。
武器は気がついたら放り投げていた。
フードを外せば懐かしいメンバーだ。
キンドゥ、ルペル、ゴーザ、マジ……そしてユキミ……
「ダイゴローーーーー!!!!」
「ユキミ!」
飛びついてくるユキミを抱きとめる。
以前と変わらない、柔らかく、暖かく、いい匂いがする。
「……ダイゴローだよニャ?」
「え? 酷いよユキミさん!」
「いや、だって……なんか細くなってるから……」
「色々大変だったんだ察してやれユキミ」
「ネズラース! ってことは間違いないのニャ!」
再び強くユキミを抱きしめる。
「よく見たら、今のダイゴローもかっこいいのニャ!」
「な、ユキミ嬢言ったろ? こいつがくたばるようなタマじゃないって!
さぁて、これで心置きなくユキミ嬢を口説けるぞー!」
「なに言ってんだキンドゥ! 再会早々酷いぞ!」
「あっはっは! こいつは照れてんだよ、お前が落ちた後の狼狽えよう見せてやりたかったよ!」
「そうよぉ、自分も飛び込みたいけどユキミちゃんを止めなきゃーって葛藤が目に見えるようだったんだからー」
「流石キンドゥ様……」
「今のどこに流石要素があるんだよ!
でも、ありがとうキンドゥ、心配かけたな」
「心配なんてしてないさ。まぁ、まさか帝国に入るハメになるとは思わなかったがな……」
「ダイゴローたちが落ちてから、こっちも色々あったニャ……」
「まぁ、積もる話も有ると思うが、まずはお前の居る村へ行こう。
こちらの商人から話は聞いている。んで、残りの二人は俺の関係者だ。
ま、それも落ちつけてからにしよう」
「ダイゴロー、別の集団が森へ入ろうとしている。規模は15人ほどだ」
「あっちゃー……掴まれたか……」
「どうするニャキンドゥ?」
「取り敢えず、時間稼いでもらうかぁマジ、ユキミ嬢頼めるか?」
「おう! 任せとけ!」
「わかったニャ!」
「森の精霊よ、森の精霊よ、汝が境界を侵さんとするする者を迷宮へといざいないたまへ……
深き暗い迷宮」
「大気よ惑わせ、深き霧よ、今顕現するニャ……ミリオンフォグ!」
二人の詠唱で森は雰囲気を変える。
そして周囲に濃い霧が立ち込めてくる。
なんだか方向感覚が麻痺したような不思議な感覚を覚える、あれ? めまいまで起きてきたぞ……
「あ、わりー。ダイゴローにもかかっちまったか。
森の精霊よ、我が友を汝が加護のもとへ導きたまへ」
マジさんが手をかざすと目眩のような感覚はスッと消えた。
こわいこわい。
「そしたら行くニャ!」
それから全員でウーズ村へと移動する。
ネズラースいわく森へと侵入してきた人間はグルグルと同じところを行ったり来たりしているようだ。
「あちらにも我々の動きを掴まれましたね。
思ったよりも動きが早いですね」
キンドゥの仲間という男がキンドゥと話している。
長髪黒髪の人間、めずらしく男性だ。
しかし、めちゃくちゃイケメンだ。なんていうか正統派イケメン……まさかキンドゥ……
「おい! ダイゴロー! 今ものすごく失礼なことを考えたろ!」
「い、いや! そんなことないよ!」
「動揺しまくりなのニャ、彼はマサムネ、キンドゥの部下とは思えないほどちゃんとした男ニャ。
でもう一人がムラマサ。マサムネの弟ニャ! 二人共東の方の国のシノビって一族ニャ!」
「ゆ、ユキミ様! いくらキンドゥ様の友とは言えあまり我らの事を話さんでください!」
そう答えたのはもうひとりのムラマサさん。
短く借り揃えられた短髪で体つきががっしりしている。
マサムネさんが生徒会長系のイケメンで、ムラマサさんは体育会系のイケメンって感じだ。
この移動速度に商人を背負いながら着いてきているだけでも実力が垣間見える。
ルペルさんとマジさんはキンドゥの肩に乗って楽をしてる。
「以前の皇帝ならこんなに早く手は打てんだろ。
やはり、噂は本当か……また、大きな戦いになるな……」
「もうすぐだ、詳しい話は家で聞こう」
霧の向こうにウーズ村が見えてくる。
この低気温の中でこれだけの霧を発生させるのは大変だろう、ユキミも成長したようだ。
「おお、なんと、ここがウーズ村!?」
背負ってもらっている商人が驚きの声を上げる。
「だいぶ変わったでしょう?
頑張って発展させました。そしたら俺は村人に話をつけてきます。
そこが俺の家なので入って待っていてください」
俺は避難場所にしている近くの山裾に作った洞窟へ向かい、心配して周囲を警戒していたオーバルに事情を説明する。
昔の仲間と出会えたことを我が事のように喜んでくれたが、まだ帝国側からの追手が迫っているのでしばらくは身を潜めていてほしい事を伝えた。
「大丈夫です。こういう日のために準備はしっかりしてあります。
霧が晴れたら様子を見ながら村へと戻ります!」
リヒトはどんと胸を叩いて俺を安心させてくれる。
「それじゃぁ、世話になった。また、必ず顔をだすよ!」
洞窟内の村の人々にも挨拶をして、俺は村へと戻る。
今、外では何が起きているのか、それを聞かなければならない。
「おうダイゴロー勝手にやってるぞ!」
家に戻ると酒盛りしていた。
「おい! 深刻な話なんだと思って急いで帰ってきたのに!」
「いや、深刻だよ。深刻だからこそ食える時に食ってるんだ。
お前も食え。酒も飲むだろ?」
「わかったよ」
俺は渡されたグラスにワインを注がれる。
「それじゃぁ、ダイゴローの無事の合流に乾杯!」
「「「「「「乾杯」」」」」
こうして再び杯を交わせることに目頭が熱くなったが、杯を煽って誤魔化した。
「……ダイゴロー……? これはどういう事ニャ?」
振り返るとユキミがいた。笑っている。目は笑っていない。
「なに? どうしたの?」
「これはどういうことか聞いてるニャ?」
ユキミが指差す先にはフィーが怯えて小さくなっている。
「お、おい! いじめるなよ! 怖がってるじゃないか……
フィー大丈夫だよー、皆俺の友達だよ」
俺が近づくとフィーは一目散に俺に登り首に巻き付く。
「あ、あ、あーーーー!! う、浮気ニャ!! ほ、他の女と!!」
「はぁ!? いや、いやフィーはあの落ちた洞窟から一緒にいる、まぁ、仲間だよ」
「い、一番つらいときに一緒に苦楽を共にしているうちに二人は……」
「いや、だから! なに言ってるんだよ! フィーは可愛いけどイタチかなにかだろ?」
「……イタチ族は成人するまで、動物の姿を自由に取れるにゃ……もうバレてるのにゃ!
大人しく姿を表わすのにゃ!! この女狐!!」
「ちょ、ちょっとどうしたんだよユキ……」
「ちっ……うるさいなー。これだからおばさんは嫌なのよ……」
聞きなれない声に振り返ると、そこには若い女性が立っている。
イタチ風だが少し人間っぽい顔つき、たしかにフィーの面影が有る……
「え……フィー?」
「キャーダイゴロー、このおばさんがこわーい!」
腕に抱きつかれると、その柔らかな感触は確かに女の子だ……
茶髪というのも変だが、ギャルっぽい、ちょっときつめの顔つき、まだ若いのか同時に可愛らしい感じもある。背は小さいが出るところがしっかりと、かなりしっかりとでていて、若い顔立ちとアンバランスだ。包み込まれている腕は素晴らしい感覚を伝えてくる。
「ちょ、え、ま、マジで?」
「あーあ、せっかくダイゴローとの幸せな生活を楽しんでたのにー……おばさんの性で台無しー……」
「誰がおばさんニャ!! このガキんちょ! ダイゴローから離れるニャ!」
「イヤよ! 私のダイゴローよ!」
「おお、ダイゴローモテモテだな、さ、ユキミ嬢そんな浮気野郎はほっておいて俺と……」
「キンドゥーは引っ込んどくニャ!!」
「取り敢えずフィーちゃんも服を来なさいな~ダイゴローが困ってるわよー」
「あら、そうでしたわ。素敵なおねーさまの言うことには従うわ。
煩いだけのおばさんとは違うわね」
そういうと俺の布団の下から布のタンクトップとショートパンツみたいなものを引っ張り出して着替え始める。あんなとこにあんなものがあったのか!!
……なんていうか、着替えたほうがエロい……
「ふぅ、それでは皆様はじめまして。
私が、遭難していたダイゴローと苦楽を共にしていくつもの夜を共にしたフィーです。
よろしくね」
済ましたポーズで挨拶をする……フィーなんだな……
もう、頭が追いつかない……
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