『ミナ』 ~吸血鬼に愛された人間~

しげぞうじいさん

49節

 ここはどこだろう……?
 黄色い平原に真っ青な空。いい天気だ。これなら洗濯物も乾きそうだ。それに気持ちよさそうな草だな。ここで寝転がって日向ぼっこでもしたいな。ああ、本当にいい天気だ。でも、私の帰る場所はどっちだろうか。私はどこへ行く訳でもなくただ真っ直ぐ歩いた。
 そして、一つの影が見えた。その影に近づいてみた。しかし、その影は笑いながら逃げていく。私は必死になってその影に追いつこうとした。だが、その距離は一向に縮まらない。しばらく走っただろうか。急にその影は動くのを止めた。そしてこちらに振り返る仕草をすると、こう言って来た。
「お帰りなさいませ、お嬢様」
 お、お前は……
 ミナ……!
「さあ、これからも私を手として使ってくださいね」
 ミナはそう言って、私の椅子を下げてお茶会のようなテーブルを出した。そして、私の分のお茶を入れ始めた。
「ほら、お嬢様が大好きな私のお菓子です。前は贅沢であまり出来ませんでしたけど、ここでなら存分に贅沢出来ますよ!」
 全くお前と言う奴は……どこまで行っても私の召使いのままか……!
「ほら、お嬢様!お茶が冷めちゃいますよ!」
 ああ、わかったよ。お前がそう言うのならとことん尽くしてもらうぞ。
「ええ、わかってますよ、お嬢様」
 私は、遠く離れた場所でその召使いに再開した。その召使いの名は……
『ミナ』

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