イケメン被りの青春オタク野郎と絶対利益主義お嬢様
10
「こらっ、起きろ! 朝だぞ?」
明るい声が聞こえた。
その声は昔からずっと聞いている声だ。
俺の幼馴染の声。
俺にとって唯一の幼馴染の声。
それは懐かしさを感じさせる。
「ほらっ、起きてよ。ソラ、そうしないと弁当抜きにするからね」
俺はその言葉に反応して飛び起きる。
「お、おはよう。今日も早かったね。助かったわ」
ユカは意地悪そうに笑う。
本当に俺の使い方が分かってやがる。
「おはよう……ユカ。それでこれはどういうシチュエーションなのか説明してもらおうか?」
俺は目を覚ます前から感じていた不信感を尋ねてみる。だって何故かユカが家に居るし、おまけに俺の身体の上に馬乗りになっているのだから。これはどんな修羅場なのだろう。
「シチュエーションって……なっ、なんか如何わしい」
彼女の顔は少し赤くなった。
だけど目も睨んでいた。
これはツンデレ属性なのだろう。
俺は長年の知識と分析力を駆使して、そう判断した。朝から頭がこんなのにも働くとは今日はついている。いつもはもっと眠たくて眠たくて仕方が無いというのに。
「別にそんな意味で言った訳じゃないよ。まぁ、そういうことでこの状況を説明して貰おうか?」
ベットに仰向けのまま俺は言った。
すると彼女の身体が少し動いた。
夏服だという事でブラウスから下着が薄っすらと見える。だが内緒にしておこう。
っ、ちょっと待て。
それなら他の男子にユカのブラがバレちまう。
それは勘弁だ。
「なぁ、ユカ……下着が透けてるぞ」
俺がそう言うとユカは何を言っているの、という風に首を傾げた後、漸く俺の言ったコトが分かった様でとりあえず俺の頬をビンタした。
おまけに「この、変態っ!」という罵倒付き。
教えてあげたというのにその態度とは酷いもんだ。しかしそのお陰か、完全に目が覚めた。
「あの……ごめん。私が悪かったよね。いきなりビンタしてごめん。ちょっと気が動転していた」
「いやいいよ。俺も女の子だったらそうなると思うし」
「あ、その……ありがとうね」
「何が?」とは聞かない。
だってそれは地雷だという事が分かっているから。その言葉を言ってしまえば女の子からの好感度は下がるから。
だから俺は言わん。
でもさ、でもですよ。
俺は二次元が好きだよ。
だからこそ、ここは忠実に再現するべきじゃないか?
同じシチュエーションというモノを味わってみたくないか?
オタクとして。いや、人間として。
こんな羨ましすぎるこんな展開を味わっておくべきじゃないだろうか?
あぁ、どうしよう。
「どうしたの? ソラ、険しい顔しちゃってさ。らしくないぞ?」
ユカが馬鹿にするように笑う。
だけどその笑顔が美しい。
「あ、あのさ……俺を殴ってくれないか?」
俺の口はどうやら色々と考え過ぎて、こんなことを言ってしまった。本当に馬鹿だ。
「ん?」とユカがにっこりと笑う。
俺には分かる。これが何を意味しているのか。
それは俺が殴られるってこっだぁぁぁぉーいったーーーーい!
いったい。イタイイタイ。
何発も殴んなよ。彼女が彼氏の胸をポカポカと殴るレベルじゃないよ?
これはもう犯罪レベルだよ?
もう、『幼馴染殺人事件』とかいうサスペンスドラマ制作できるレベルだよ?
まぁ、嘘だけど。
「どう? 目、覚めた?」
「おかげさまで」
「それは良かった。じゃあ、朝ごはんにしましょう!」
ユカはそう言って、俺を踏み付けながらベットから降りる。何か今日の態度冷たいような。
俺の勘違いか?
「あぁ、分かったよ」
「じゃあ、わたしはご飯と味噌汁をついでくるから。咲ちゃんを起こしてあげて」
「はいはい、分かったよ」
俺は適当に返事をした。
生返事と言う奴だ。
って、ちょっと待て!
なぜユカがこの家に居るんだよ。
確か、昨日俺はキチンと閉めた筈なんだが……俺の勘違いだったのか?
俺はそんな気持ちを胸に咲の部屋へと向かう。
明るい声が聞こえた。
その声は昔からずっと聞いている声だ。
俺の幼馴染の声。
俺にとって唯一の幼馴染の声。
それは懐かしさを感じさせる。
「ほらっ、起きてよ。ソラ、そうしないと弁当抜きにするからね」
俺はその言葉に反応して飛び起きる。
「お、おはよう。今日も早かったね。助かったわ」
ユカは意地悪そうに笑う。
本当に俺の使い方が分かってやがる。
「おはよう……ユカ。それでこれはどういうシチュエーションなのか説明してもらおうか?」
俺は目を覚ます前から感じていた不信感を尋ねてみる。だって何故かユカが家に居るし、おまけに俺の身体の上に馬乗りになっているのだから。これはどんな修羅場なのだろう。
「シチュエーションって……なっ、なんか如何わしい」
彼女の顔は少し赤くなった。
だけど目も睨んでいた。
これはツンデレ属性なのだろう。
俺は長年の知識と分析力を駆使して、そう判断した。朝から頭がこんなのにも働くとは今日はついている。いつもはもっと眠たくて眠たくて仕方が無いというのに。
「別にそんな意味で言った訳じゃないよ。まぁ、そういうことでこの状況を説明して貰おうか?」
ベットに仰向けのまま俺は言った。
すると彼女の身体が少し動いた。
夏服だという事でブラウスから下着が薄っすらと見える。だが内緒にしておこう。
っ、ちょっと待て。
それなら他の男子にユカのブラがバレちまう。
それは勘弁だ。
「なぁ、ユカ……下着が透けてるぞ」
俺がそう言うとユカは何を言っているの、という風に首を傾げた後、漸く俺の言ったコトが分かった様でとりあえず俺の頬をビンタした。
おまけに「この、変態っ!」という罵倒付き。
教えてあげたというのにその態度とは酷いもんだ。しかしそのお陰か、完全に目が覚めた。
「あの……ごめん。私が悪かったよね。いきなりビンタしてごめん。ちょっと気が動転していた」
「いやいいよ。俺も女の子だったらそうなると思うし」
「あ、その……ありがとうね」
「何が?」とは聞かない。
だってそれは地雷だという事が分かっているから。その言葉を言ってしまえば女の子からの好感度は下がるから。
だから俺は言わん。
でもさ、でもですよ。
俺は二次元が好きだよ。
だからこそ、ここは忠実に再現するべきじゃないか?
同じシチュエーションというモノを味わってみたくないか?
オタクとして。いや、人間として。
こんな羨ましすぎるこんな展開を味わっておくべきじゃないだろうか?
あぁ、どうしよう。
「どうしたの? ソラ、険しい顔しちゃってさ。らしくないぞ?」
ユカが馬鹿にするように笑う。
だけどその笑顔が美しい。
「あ、あのさ……俺を殴ってくれないか?」
俺の口はどうやら色々と考え過ぎて、こんなことを言ってしまった。本当に馬鹿だ。
「ん?」とユカがにっこりと笑う。
俺には分かる。これが何を意味しているのか。
それは俺が殴られるってこっだぁぁぁぉーいったーーーーい!
いったい。イタイイタイ。
何発も殴んなよ。彼女が彼氏の胸をポカポカと殴るレベルじゃないよ?
これはもう犯罪レベルだよ?
もう、『幼馴染殺人事件』とかいうサスペンスドラマ制作できるレベルだよ?
まぁ、嘘だけど。
「どう? 目、覚めた?」
「おかげさまで」
「それは良かった。じゃあ、朝ごはんにしましょう!」
ユカはそう言って、俺を踏み付けながらベットから降りる。何か今日の態度冷たいような。
俺の勘違いか?
「あぁ、分かったよ」
「じゃあ、わたしはご飯と味噌汁をついでくるから。咲ちゃんを起こしてあげて」
「はいはい、分かったよ」
俺は適当に返事をした。
生返事と言う奴だ。
って、ちょっと待て!
なぜユカがこの家に居るんだよ。
確か、昨日俺はキチンと閉めた筈なんだが……俺の勘違いだったのか?
俺はそんな気持ちを胸に咲の部屋へと向かう。
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