超越クラスの異世界談義が花を咲かせたようです! 〜愚かな国の異世界召喚術にて〜
5 マイデータ講習(1)
紫蒼は、皆より早く元の冷静な状態へと戻ると、手を叩いた。
「よし! まず、自分達のマイデータについて詳しく知っていこうと思う。転移後、最初に観察眼である程度は理解しただろうけどこの世界のマイデータの概要は知って損はないからね。各項目についてお姫様に説明してもらおうと考えているけど、いいかな?」
彼が話し始めたことで一同皆、現実に復帰し彼が話しかけたメルハの方に目を向く。
「ええ、問題ないです。では説明させて頂きますね」
メルハは一息つくと、説明を始めた。
「まず、NAMEとAGEは言わずとも分かりますよね? そのままの意味で、自身の名前と年齢です。RACEですがこちらは種族についてです。私達がヒューマンであるように、先程話した他種族、エルフ、ドワーフと、そのように記載されます。またアニマンの場合は、特徴によって表記が変わってきます」
そこで煎杜が手を挙げた。
「何でしょうか、煎杜様?」
「アニマンにはやっぱり様々な種っていうのがあるのか?」
「そうですね……奴隷商や、ヒューマン国の冒険者ギルドでは、稀にですがアニマンの姿が確認されることがあります。時間が空き次第街に降りるのも一つの手かと……質問の答えとしては多数の種が存在しますよ」
彼女がそう答えると、煎杜は破顔させ、モッフモッフや〜、と騒ぎ出した。
いつまでもだらけきった顔をさせた煎杜にメルハが困り顔でいると、それに気付いた閃莉が煎杜を蹴っ飛ばした。
「煎杜キモイぞ。いつまでそんな顔してんだ。姫さん困ってるじゃねーか」
「痛いじゃねーか閃莉!! 蹴るこたァーねーやろ!」
「何もう一回蹴ってほしいって!? いいぜ今度はテメーの股間蹴ったるよォッ!!」
「すみませんでしたァァァァァッ!!!」
閃莉に蹴られて壁にぶち当たった煎杜が、蹴った相手に反抗の声を上げる。そんな彼の背後に般若を伴った閃莉が歩いて近づいていたのに気づくと顔を一瞬で真っ青に変えた後、額を地面につけるポーズ、所謂、土・下・座、をして反抗一転の謝罪と形を必死にとった。
はっきし言って様式美というか茶番である。
──
「ゴッホン、ではマイデータの説明に戻りますね」
ミルハの言葉に、煎杜と閃莉は申し訳ないといった表情を浮かべる。それに大丈夫というように微笑みかけてから彼女は続ける。
「次にJOBについてです。JOBは親の存在が大きく関係しており、それに準ずる又は同一のJOBが子に反映されると言われており、事実その通りなのですが、シキ様並びにほかの転移者の方々はやはりその立場上、例外的にオリジナルのJOBが出ていますね。多分各々の長所が活かされたJOBになっていると考えられるのですが、どうでしょうか?」
成程と皆一同に頷き、己のJOBに目を向ける。
紫蒼は指揮者から統帥に
人を導く役目という繋がり。
希咲は女優から巫女に
人を魅了する役目という繋がり。
時雨は歌手から魔女に
言葉を紡ぐといった繋がり。
雅は傭兵から武帝に
戦闘面での繋がり。
理緒は医者から闇医者に
ほとんど一緒だが、魔法が関係するのだろう。
煎杜は料理人から料理王に
元の世界のまま。哀れ、煎杜……。
空翔は執事から影武者に
人をサポートするといった繋がり。
閃莉は交渉人から調教師に
これは単に性格からである。
だかしかし、次の二人はよく分からない。
彩葉は画家から亜女神に
もうこれは存在感で済まそうか、となる。
一番謎の扉冴は科学者から破壊者に
もうよく分からない。
俺の頭脳で世界のバランスを壊すぜッ、キリッ!
てとこか? どうでもいいな!! となるのも致し方ないことであろう。
ちなみに、一番おかしなJOBを受けた扉冴本人は、既に新たな技術を日本から持ってきたノートパソコンに入力していた。
……??
「よし! まず、自分達のマイデータについて詳しく知っていこうと思う。転移後、最初に観察眼である程度は理解しただろうけどこの世界のマイデータの概要は知って損はないからね。各項目についてお姫様に説明してもらおうと考えているけど、いいかな?」
彼が話し始めたことで一同皆、現実に復帰し彼が話しかけたメルハの方に目を向く。
「ええ、問題ないです。では説明させて頂きますね」
メルハは一息つくと、説明を始めた。
「まず、NAMEとAGEは言わずとも分かりますよね? そのままの意味で、自身の名前と年齢です。RACEですがこちらは種族についてです。私達がヒューマンであるように、先程話した他種族、エルフ、ドワーフと、そのように記載されます。またアニマンの場合は、特徴によって表記が変わってきます」
そこで煎杜が手を挙げた。
「何でしょうか、煎杜様?」
「アニマンにはやっぱり様々な種っていうのがあるのか?」
「そうですね……奴隷商や、ヒューマン国の冒険者ギルドでは、稀にですがアニマンの姿が確認されることがあります。時間が空き次第街に降りるのも一つの手かと……質問の答えとしては多数の種が存在しますよ」
彼女がそう答えると、煎杜は破顔させ、モッフモッフや〜、と騒ぎ出した。
いつまでもだらけきった顔をさせた煎杜にメルハが困り顔でいると、それに気付いた閃莉が煎杜を蹴っ飛ばした。
「煎杜キモイぞ。いつまでそんな顔してんだ。姫さん困ってるじゃねーか」
「痛いじゃねーか閃莉!! 蹴るこたァーねーやろ!」
「何もう一回蹴ってほしいって!? いいぜ今度はテメーの股間蹴ったるよォッ!!」
「すみませんでしたァァァァァッ!!!」
閃莉に蹴られて壁にぶち当たった煎杜が、蹴った相手に反抗の声を上げる。そんな彼の背後に般若を伴った閃莉が歩いて近づいていたのに気づくと顔を一瞬で真っ青に変えた後、額を地面につけるポーズ、所謂、土・下・座、をして反抗一転の謝罪と形を必死にとった。
はっきし言って様式美というか茶番である。
──
「ゴッホン、ではマイデータの説明に戻りますね」
ミルハの言葉に、煎杜と閃莉は申し訳ないといった表情を浮かべる。それに大丈夫というように微笑みかけてから彼女は続ける。
「次にJOBについてです。JOBは親の存在が大きく関係しており、それに準ずる又は同一のJOBが子に反映されると言われており、事実その通りなのですが、シキ様並びにほかの転移者の方々はやはりその立場上、例外的にオリジナルのJOBが出ていますね。多分各々の長所が活かされたJOBになっていると考えられるのですが、どうでしょうか?」
成程と皆一同に頷き、己のJOBに目を向ける。
紫蒼は指揮者から統帥に
人を導く役目という繋がり。
希咲は女優から巫女に
人を魅了する役目という繋がり。
時雨は歌手から魔女に
言葉を紡ぐといった繋がり。
雅は傭兵から武帝に
戦闘面での繋がり。
理緒は医者から闇医者に
ほとんど一緒だが、魔法が関係するのだろう。
煎杜は料理人から料理王に
元の世界のまま。哀れ、煎杜……。
空翔は執事から影武者に
人をサポートするといった繋がり。
閃莉は交渉人から調教師に
これは単に性格からである。
だかしかし、次の二人はよく分からない。
彩葉は画家から亜女神に
もうこれは存在感で済まそうか、となる。
一番謎の扉冴は科学者から破壊者に
もうよく分からない。
俺の頭脳で世界のバランスを壊すぜッ、キリッ!
てとこか? どうでもいいな!! となるのも致し方ないことであろう。
ちなみに、一番おかしなJOBを受けた扉冴本人は、既に新たな技術を日本から持ってきたノートパソコンに入力していた。
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