女神の加護を持つ死神

つうばく

俺達の戦いはこれからだ!

 あの後、一日かけ、俺は説得に説得を重ね、口を聞いてもらえる事となった。
 本当に何がダメだったんだろ。
 よく分からん。

 まあ、これは置いとき、今、俺は、異世界に来て二百九十七日ーー実に九ヶ月と二十七日。
 俺は、試練などを全て終え、やっと、地上に行ける。

 頑張ったと思うよ、俺。

 魔物が出ては撃ち、魔物が出ては撃ちの日々だった。
 それを乗り越えた。

 やっぱり、これを聞くと頑張ったと、誇らしく言える。
 それに、試練を受けたお陰で、とっても強い仲間が出来たしマジで良かった。

「……そろそろ行こうなのじゃ。かれこれ過去を振り返って三時間。もう私等はどれだけ待たされれば良いのじゃ」
「そうだ」
「いや、俺の、この頑張った過去を振り返るのは、重要だろ。ここまで、どれだけ頑張ったかーー」

 感じてくれ。
 その言葉を口にしようとした瞬間、足元から白い光が輝き出した。

 えっ!?
 これって、転移の魔法陣じゃね。

『はい。そうです』

「もしかしてーー」
「だって、長かったのじゃから仕方ないじゃろ。それにヘーニルが、やっちゃえ! って言ったのじゃから……」
「我のせいか!? なんでもかんでも我のせいにするな!」
「そんなんの、知らないのじゃ」

 仲良いな。
 それよりも、俺は過去を振り返る時間を無くされたんだよなぁ、これ。
 確かに、少し長過ぎたかもしれないが、だからってこんな、合理的作戦をするとは……まぁ、俺が悪いのか。
 いや、けども、こいーー

「もう、その話は良いのじゃ!! もうすぐ転移するからなぁ。準備するのじゃ〜」
「いや、この状況で準備出来る事なんて無いだろ! もう、俺の過去振り返りの時間が〜〜」

 ここは、我慢。
 しかしーー

『少し、我慢してください。もし、我慢出来るのであるなら、向こうに着いたら私が良いものを見せますから』

 良いもの?
 そうとなったら……

「我慢します! どんな長い時間でも!」
「こいうのを言えば、だったら我慢するのか。…ふむふむ。やっぱり、ソラは凄いの〜。キラリの事を分かっておる」
「本当にだ。こいうのは、見習うべき点だな」

 こいつ等の、このピッタリ感、何?
 俺を研究でもしてるの!?

 それより、もうすぐ転移するのなら、今、しかない!

「皆、聞いてくれ」

 そう言うと、アル、ヘーニルがこちらへ振り向き、ソラは『なんでしょうか』と答えた。

「俺はここへ、訳あって、色んな楽しい思い出を作る為に来た。けど、俺の武器もそうだし、俺達の力は異常だ。何かをやらかしたら直ぐに目を付けられるだろう。もしかしたら世界と敵対する事になるかもしれない。そのせいで辛い思いとかをするかもしれないーー」
「それぐらい承知なのじゃ」
「主人に付いて行くと決めた時から、覚悟している」

『私は何があろうとキラリ様の側にいますので』

 今の俺の顔、多分、こいつ等の言葉を聞いて安心しきっている表情なんだろうなぁ。
 それに、こいつ等も同じ様な考えをしているのだろうなぁ。
 安心した顔をしている。

 なら、今こそ、俺の言いたい事が言えるだろう。

「俺はまだまだ自分の中では弱い。だから、お前等に頼られ、守れる力はまだまだ無い。それでも、ついて来てくれるか」
「……やっと言ったか。なら、私も言うが、私は、私の全てをキラリに授ける。そして、一生ついて行くのじゃ」
「……アル」
「我は主人の側から離れないぞ」
「……ヘーニル」

『キラリ様の仰せのままに』

「……ソラ」

 嬉しい……マジ泣きしそう。
 でも、最後にこれだけはーー

「ならーー行くぞ!」

 俺は、最後に胸を張って言った。
 そして、魔方陣の光の輝きが勢いよく増し、俺達は地上へと転移したーー

コメント

  • ノベルバユーザー523679

    急に大量殺人者の名前ww

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  • スライム好きなスライム


    0
  • ノベルバユーザー337822

    キラリ...吉良...吉良吉影()

    0
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