Suicide Life 《スイサイド・ライフ》
■エピローグ■
裕翔が去った、数時間後。
エルフ達はこのまま立ち尽くしていても仕方が無い。前に進め。生きるために。と使える物をありったけ探し集めた。
そして、彼等が《栽培》を使い生活することができることに気づくのも、後の事だ。
エルフ達は使える物を集めた後、それらを持ち、移動を開始した。
ゼプトは我が家に永遠に眠る妻を返せと嘆き、テラに縋る。
テラは知っていた。
母が目覚めないことを。
テラは知っていた。
母の声がもう二度と聞けないことを。
テラは知っていた。
母は死んでいることを…
だから、立ち直るのも早かった。
切り換えろ。前に進め。裕翔が言っていた。『生きる術を考えろ』と。
「私達は生きるんだ…!!」
■ ■ ■
「エルフ達は荷物をまとめ、新たな人生を始める旅へと出発したとさ☆」
凍りついたエルフの住んでいたカルコ村の跡。
そこに、1枚のカード、“トランプ”がヒラヒラと舞い降りる…
カードのマークは“joker”
そのトランプが地面に触れようとした瞬間、ポンッ!!と弾け、煙と共に、一人の少年が姿を現す。
その少年は顔にピエロの様な道化師のメイクをしており、顔に合わせて、服装も、道化師そのものだった…
少年は、キョロキョロと辺りを見渡し、ある一点を見つけた後、そこに歩み始めた。
「いやー、流石、黒薔薇の剣姫の息子…と言ったところなのかな?二かカカカ☆
それにしても、私は悪運が強い~☆
まさか、“4人共”四天龍を引き当てるとは~☆☆
まぁ、私にとっては好都合だ☆
そろそろ、この世界も“終末”が近づいているから…」
ピタリと少年が立ち止まり、そこに聳える、“霊樹と氷の塔”の頂上に咲く、“血塗られた赤い花”を見上げた…
「やれやれ…ここまでしなくてもよいのですが…」
少年がポンッ!と手を叩くと、赤い花は砕け、中から一枚の“カード”が落ちてきた。
砕かれた赤い花…
そこに、ピクセルの姿は無かった…
「さてと、“裕翔がゲームをクリアする前に、彼の力を引き出さねば”…」
少年が落ちてきたカード、“ダイヤのジャック”を拾うと胸ポケットに入れ、ポンポンと叩いた。
「他の3人には悪いけど、私は彼の力が必要なんだ…」
少年は歩み出す…
「この、“another world”を救う為には…」
それを、口にした少年、ジョーカーの目は強く冷ややかに輝いていた…
少年が、「ハートの3番!!」と言うと、先程、ダイヤのジャックを入れた胸ポケットからカードを取り出した。
そのカードのマークは“ハートの3”…
カードを引き抜いた時、その胸ポケットの中にはダイヤのジャックは入っておらず、空っぽであった…
少年がハートの3番を人差し指と中指の間で持ち、シュッ!!と正面に投げると、1m先に壁でもあるかのように、張り付き、カードが巨大化した。
そのカードには中央から左側の縁にドアノブが付いていた。
それを少年が掴むと、扉を開いた…
そこは別の空間に繋がっているとも言うべきか、暗闇が視界に広がる…
「裕翔…早く強くなってくださいよ…
“私の命が尽きる前に”…」
少年___“ジョーカー”、が扉の中に入り、扉を閉めると、そのカードは薄くなりやがて消えた…
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