TUTORIAL-世界滅亡までの七日間-

舘伝斗

第10話-終演-

 私と剣慈けんじ君以外の勇者から溢れる光。
 その光は風魔王の拘束を打ち破り、皆を新たなステージに引き上げる。

「くっ、拘束が。」

「だから言っただろうが!軟弱野郎が。」

「貴様の脳みそが風化してなければもっと早くに行動できたでしょう!ホウレンソウを知らないのですか!」

「風化ってなんだゴラァ!?」

 光が収まると、風魔王と土魔王が言い合いを始め、その間に私たちは聡介そうすけ君と合流する。

「皆、大丈夫か?」

 剣慈けんじ君の問いに皆が寧ろ力が溢れていると答える。
 私と剣慈けんじ君は残念ながら変化を感じられなかったが。

「よし、運良くあいつらは言い合ってるが、何時矛先がこちらに向くか分からないから手短に言うぞ。風見かざみじゅんで土を、残りで風を倒す。裕美ゆみ嘉多無かたなしさんは遠距離でサポート。裕美ゆみ、風の高速移動は驚異だ。出来るだけ足止め優先で頼む。」

 剣慈けんじ君の淀みない指示に皆が頷く。

「もう我慢の限界です!が、土塊の相手は目障りな勇者を狩ってからにしてあげましょう。」

「何時までも風が土に勝てると思ったら大間違いだと教えてやる。あと風化ってなんだ!」

 魔王も同じ頃に言い合いを止める。
 多分風魔王がまた話を聞いていたのだろう。

「さて、そよ風前の準備体操だ。精々粘れよ?勇者!」

「あぁ、その前に脳筋泥団子。風の勇者はあの槍使い・・・ですのでお気をつけて。貴方を殺すのは私の役目ですから、ねぇ!」

 風魔王の言葉で皆が一斉に動き出す。
 サラッと風の勇者が聡介そうすけ君だとバラされたのでもう奇襲も使えなくなってしまった。
 バレてなければ複数人の同時攻撃で止めをさせたかもしれないのに。
 私は内心で風魔王に苦情を入れつつ裕美ゆみさんと同じように皆とは逆の方向に移動し、誰よりも先に魔力を高める。

「<虚なる勇者が命じる。偽りの仮面で姿を惑わせ。>"隠者の気配ハイドマスク"」

 私の魔法が発動したことを察したのか土魔王の視線がこちらを捉える。

「戦闘の基本は後方支援の排除からだな。"泥弾GO!"」

 そのまま土魔王はじゅん君と接触する前に魔法を放つ。
 私たちに向かってくるバスケットボール大の泥球の数々。狙いは正確で、私たちの体に正確に向かってくる。

 だが、私たちはその泥玉を避けることなく、目も向けない。

 ズドドドドドドッ

 そして泥玉は一つも外れることなく私たちの後方に見える・・・・・・私たちの・・・・体を穿った。
 "隠者の気配ハイドマスク"
 この魔法は対象の姿を相手から隠し、仮初めの幻影を見せる魔法である。
 しかもこの幻影、ダメージを受けても消えることはない。
 つまり、今土魔王が攻撃した私たちというのは幻影であり、土魔王にも風魔王にも穴だらけになった私たちの死体が見えている。
 だが、欠点もあり、あくまで幻影であるので触れると気付かれる。もし土魔王が魔法ではなく近接攻撃で私たちを排除しに掛かったらこの魔法の意味が無くなっていた所だ。

「はっはぁ!お仲間が二人減ったぞ、勇者!だが安心しろ。すぐにお前らも同じところに行くことになる!」

 土魔王はそう言って突進の速度を上げ、じゅん君との接触に備える。
 その光景にふと疑問を覚える。
 土魔王がじゅん君との接触に必要以上に力んでいる様に見えた。
 まるで、じゅん君の背後から迫る聡介そうすけ君を意識していないかのように。

「おぉぉぉぉ!"泥BOX!"」

 その疑問が事実であったかのように土魔王とじゅん君が接触する寸前にじゅん君を覆う様に泥の壁が生成される。

「はっはぁ!俺は知的だからな。そよ風の策には嵌まらねぇぜ。槍使いを風属性だと思わせて実はこのちっこい方が風なんだろ?俺を騙そうとは、半年早いぜ。」

 土魔王ここに極まれり。
 何と風魔王の言葉が真実ではなく、自分を貶めようとしたものだと深読みし、土魔王は聡介そうすけ君ではなくじゅん君が本当の風属性だと勘違いしたようだ。
 そのせいで不必要にじゅん君との接触に備え、聡介そうすけ君を無視していたようだ。

 その土魔王にじゅん君を閉じ込める箱を飛び越えて聡介そうすけ君が迫る。

「風の勇者を解放したいのは分かるが、お前の属性は効かねぇぜ?そして、"泥のARMORアーマー!"これで、神器であれ俺に傷つけることは不可能だぜ。」

 土魔王は自身を泥の鎧で覆い、聡介そうすけ君の悪あがき(勘違い。)に対して腕組みしてふんぞり返る。

「ふっ!"颯の戟ゲイルピアス"!」

 ズドッ

 対魔族の失敗から学んだ聡介そうすけ君は油断なく、確実に土魔王の頭部を貫く。

 ドサッ

 土魔王が倒れると共にじゅん君を覆っていた泥の箱もグズグズと崩れていく。

「えっ、マジで?」

 起き上がる気配のない土魔王を聡介そうすけ君の視線が貫いた。





「あぁ、その前に脳筋泥団子。風の勇者はあの槍使い・・・ですのでお気をつけて。貴方を殺すのは私の役目ですから、ねぇ!」

 風魔王はこちらが不利になる情報を土魔王と共有する。

「くそ、お前は土を殺したいのか殺したくないのかどっちなんだよ!」

 風魔王のまさかの手のひら返しに拳成けんせい君が叫ぶ。

「おや?何を言ってるんですか?あの頭に泥が詰まった男はあの様に言っておくと変に勘繰って自滅しますよ?それより、こちらも戦いましょうか。・・・幸いにも火の彼女・・・・は泥団子が潰してくれたようですしねぇ!」

 ズドドドドドドッ

 その言葉とほぼ同時に皆の背後に土魔王の放った魔法が着弾し、風魔王の体を魔力が包む。

「飛べっ!」

 その魔力に反応して拳成けんせい君が声を上げる。

「<風の魔王が命じる。彼等に終わることのない苦痛を与えよ。>"阻世風そよかぜ"」

 ブオッ

 風魔王の魔力がその名の通り、微風そよかぜとなり、周囲に拡散する。

 シュァァァァッ

 風が青々と生い茂る草木に触れると、まるでその生気を奪うかの如く草木は枯れていく。
 その影響で、剣慈けんじ君が作った扇形に拡散する更地の中心角に新たに円形の更地が生成される。

「風が消えない?」

 加えて、その風は霧のようにその場に留まり続ける。
 いや、良く見ると僅かずつではあるがその顎を外へ外へと広げている。

「ふふふ、私に近付くことが出来ず、遠距離攻撃が可能かつ、私の唯一の弱点である火属性の彼女が居ない今、貴殿方は私に勝つことが出来ますか?」

 風魔王は霧の中央で余裕の笑みを浮かべている。

「俺が一思いにやるか?」

 その状況に本当の火属性の勇者・・・・・・・・・である阿樟あくす君が提案する。

「いや、まだだ。今お前が行っても軽くあしらわれるだけだ。」

「なら俺がいこう。状態異常系は得意だ。恥ずかしながら操られていた間に得た力もあるしな。」

 剣慈けんじ君が阿樟あくす君を止めると、拳成けんせい君が魔力を纏う。

「いけるのか?」

「任せろ!"漆喰しっくい"。」

 阿樟あくす君の心配を他所に拳成けんせい君は纏った魔力を解放する。
 すると徐々に拳成けんせい君の輪郭がボヤけてくる。

「さて、魔王の力とやら、見せてもらおうか。」

「ふふふ、何時でもどうぞ?」

 拳成けんせい君は足に力を込め、更に魔力を高める。

「はぁっ!"魔装まそう"!」

「何っ!?」

 拳成けんせい君の言葉に剣慈けんじ君だけでなく風魔王までも驚愕の色を隠せないでいた。

 皆が驚いている間にも拳成けんせい君の体に変化が現れる。
 輪郭をボヤけさせていた魔力が形を持ち、拳成けんせい君の鎧として全身を覆う。その姿は多少の違いはあれど確かに魔族が最後に使用した"魔装まそう"と似ていた。

「ふ、ふふ。まさか、まさか我々の技を勇者が使用するとは。我々のように魔力を帯びた血液ではなく体を纏う魔力を魔装まそうの触媒にする発想には驚かされました。やはり、侮れませんねぇ。ですが血液ではなく魔力を直接触媒にしたその技、長続きしますか?」

 風魔王の言葉に拳成けんせい君は答えない。

「沈黙は肯定ととりますよ?」

「魔族の技・・・?」

 風魔王の言葉に次は阿樟あくす君が驚く。
 阿樟あくす君を無視して拳成けんせい君が少し表情を強張らせたのを確認した風魔王は口元を歪ませる。

「良く喋る、」

 ググッ

「口だなぁっ!」

 バガンッ

 拳成けんせい君の足場が割れる。

「なっ!?」

 ブォンッ

「ちっ、外したか。・・・まだ速度に体が追い付いてねぇな。」

 そのあまりの速度に風魔王以外は反応すら出来ずにいた。
 突然地面が割れたと思うと風魔王の立っていた位置に拳を振り切った状態の拳成けんせい君と、その上空で冷や汗を流す風魔王の姿。

「驚きましたが、流石にここまでは・・・」

 バゴンッ

「な、ぐはっ!」

 ダァンッ

 20メートル程上空に逃げた風魔王が安心していると、拳成けんせい君は垂直跳びの要領でその高さまで飛び上がり、風魔王を叩き落とす。
 そして、風魔王の落下地点近くに拳成けんせい君も着地する。

「お前の言うとおり時間がねぇから一気に決めさせてもらうぜ?"闇霊招喚"、"憑闇つくよみ"。」

 拳成けんせい君の魔力に反応するようにモワッと薄黒い闇が吹き出す。

「あれは?」

「あれは"精霊招喚"。俺のとは形が違うが、属性の差かな?」

 先程魔族を倒した剣慈けんじ君の"精霊招喚"を見ていない阿樟あくす君の疑問に剣慈けんじ君が答える。

「必殺技的なやつか。」

 目まぐるしく動く戦況の中、姿を完全に隠した私と裕美ゆみさんが機を伺っていると、日記ダイヤ・リーが一人手にページを開く。

<加護>
 この世界に召喚された勇者に属する精霊の力であり、精霊が付いている間はある程度であるが身体能力に補正が掛かり、自属性の魔法に対して高い抵抗力を与えられる。"精霊招喚"を使用すると短時間ではあるが身体能力、魔力が飛躍的に増加するが、一度使用すると精霊の力は衰退し、精霊が消滅しないよう別の精霊と結合する。
 つまり、"精霊招喚"は短時間の爆発的な自己強化の後、自己の身体能力、魔法抵抗力を犠牲に他の勇者の強化を行う捨て身技である。
 ちなみに私と共にあったキーホルダーは、私の代のすべての勇者が"精霊招喚"した後、私が精霊の王の力を借り、加護を封じ込めた物だ。
 これは、魔王にも適応され・・・

 ドンッ

 私がそこまで文章を読むと、拳成けんせい君から放たれた漆黒が地面に倒れる風魔王に接触し、火柱ならぬ闇柱を上げる。

「どうやら私たちの援護は必要なかったみたいだな。」

「そうだね。これで後魔王は2人か。」

 私と裕美ゆみさんが言葉を交わし、私は幻影を解く。

「死んだことに誰も反応しないと思えば、そこに居ましたか。」

 ビシュッ

 ドサッ

 私たちの幻影が消え、本体が現れた瞬間に聞こえてくる風魔王の声。私の横、裕美ゆみさんの倒れる音。

「嘘!裕美ゆみさん!」

「今のを耐えきったのか!?」

 私の悲鳴と拳成けんせい君の声が重なる。
 倒れた裕美ゆみさんの元に剣慈けんじ君、じゅん君が駆け寄り、阿樟あくす君、聡介そうすけ君、拳成けんせい君が風魔王の倒れていた場所を睨み付ける。

「くっ、まずは回復だ!<光の勇者が命じる。聖なる光で傷付いた肉体を癒せ。>"癒しの光"。」

 剣慈けんじ君が回復魔法を使用するが、裕美ゆみさんから流れる血が止まる気配はない。

「・・・もう一回だ!<光の勇者が命じる。聖なる光で・・・>」

 剣慈けんじ君が二度目の詠唱を始めた頃、裕美ゆみさんから光が飛び出す。
 その光は拳成けんせい君から飛び出した光と合流し、じゅん君、聡介そうすけ君、阿樟あくす君に吸い込まれるように消える。

「そんなっ!裕美ゆみ裕美ゆみ!」

氷村ひむらさん、目を開けて!氷村ひむらさん!」

「リーさん・・・今のは?」

<回答>
 勇者の肉体の不可逆的な衰弱を認めた精霊が次なる肉体へと向かう現象。
 恐らく彼女はもう目覚めない。

 パサッ

 私は思わず日記を落とす。
 その音に気付いた剣慈けんじ君とじゅん君の目が日記の文章を捉える。

「そんな・・・嘉多無かたなしさん。これ・・・。」

 じゅん君のすがるような瞳に私は小さく頷く。

裕美ゆみ、俺はみんなに、何て言えばいいんだよ。目を、開けてくれよ。」

 剣慈けんじ君は裕美ゆみさんの徐々に冷たくなっていく手を強く握りしめる。

 ビシュッ

 そんな剣慈けんじ君の胸から伸びる血の帯。
 いや、背後から飛んできた風の球に貫かれた胸から吹き出る血液がそう見せた。

 ドサッ

「おやおや、これはこれは。中々感動的な光景です。あまりに感動的で私、思わず彼も殺してしまいました。儚いものですねぇ、人の死というものは。」

 薄くなった土煙の中、拳成けんせい君の"精霊招喚"を受けて尚、無傷の風魔王が愉悦に歪んだ表情で立っていた。

「無傷、だと?」

「そんな阿呆な。ダンナの技は直撃したのに。」

 自分の技を受けて無傷の風魔王を見て拳成けんせい君が驚きに目を丸め、聡介そうすけ君が信じられないとばかりに呟く。

「えぇ、確かに。彼の技にはヒヤリとさせられましたが、直撃の直前に彼等が土塊を殺してくれましたからね。知りませんでした?魔王は一人死ぬと残りの魔王が強化されることを。」

「そんな、まさかっ!」

 私は先程読んでいた文章を読み直す。

 ちなみに私と共にあったキーホルダーは、私の代のすべての勇者が"精霊招喚"した後、私が精霊の王の力を借り、加護を封じ込めた物だ。
 これは、魔王にも適応されるため、魔王は離れた場所に分散させほぼ同時に殺すことを勧める。
 我々はそこでミスを犯してしまい、先に2人の魔王を殺してしまったため、更なる化け物を産み出してしまった。

 日記にはそう続けられていた。

「ふふ、その様子だと、知らなかったみたいですねぇ。これは行幸。さて、火も居なくなったことですし貴殿方はどうしてあげましょうか。・・・あっ、そうですねぇ。明日には魔神様も復活することでしょうし、貴殿方には生き証人として世界の終焉を見届けていただきましょう。では、私は色々と準備がありますので、これで。」

 風魔王がそう言って踵を返そうとする。

「待てやっ!"火霊招喚"!」

 阿樟あくす君が"精霊招喚"を行い、その体から炎が溢れ出す。
 その光景に風魔王が目を丸くする。

「嘘でしょう!火は彼女の筈なのではなかったのですか!?」

「それはお前が勝手にそう解釈しただけだ!おぉぉぉ!"火紅槌かぐつち"!」

 阿樟あくす君は3人分の精霊の加護で強化された身体能力で弾丸のように飛び出す。

「くっ、驚きましたが、これを耐えきれば私の勝ちです!"逆巻く呪風"!」

 風魔王は阿樟あくす君の体自体を逆風で押し返す。
 だがその程度では焼け石に水。の、はずだったが、位置関係が不味かった。
 風魔王は拳成けんせい君の技を受けた位置から動いていない。つまりは皆より立ってる地面が低く、阿樟あくす君が上から飛び降りる形になる。
 そのせいで阿樟あくす君の神器から吹き上がる炎の熱で、風魔王の吹き上げる風の力に更に上昇気流が加わり、阿樟あくす君の体が徐々に浮き上がる。
 普通の技ならこんなことにならなかったのだろうが"精霊招喚"で強化された熱量が仇となる。

「くふふ、これが日頃の行いと言うものですよ。」

 その光景に風魔王の顔に余裕が戻る。
 だが、その表情もすぐにまた凍りつく。

「"風霊招喚"、"慰慙凪いざなぎ"。」

 何時の間にか横に移動していた聡介そうすけ君から放たれる突風。
 技自体にあった筈の殺傷能力は風魔王を守る力によって打ち消されたが、その時に生じた自然現象である突風までは無効化出来なかったようだ。
 聡介そうすけ君の起こした突風によって風魔王を守っていた風が消える。

「ふふふ、流石に限界ですか。ですが、貴方も道ずれですね。」

 風魔王は流石に打つ手が無くなり、真横の聡介そうすけ君が冥土の土産とばかりにその体を風で包む。

「"土霊招喚"っ!間に合えっ!"守砂之士すさのお"ぉぉ!」

 ゴォォォォッ

 じゅん君の言葉を掻き消すかのような轟音を上げ、風魔王と聡介そうすけ君は阿樟あくす君の振り下ろした斧の豪火に飲み込まれる。

 ゴゴゴッボコッ

 そのあまりの火力に地面がガラス化し、マグマのように熱を上げる。
 風魔王の立っていた窪地は正にマグマ溜まりのような惨状だ。
 そこから一歩ずつ、しっかりとした足取りで上がってくる聡介そうすけ君の姿。どうやらじゅん君の防御が滑り込み、聡介そうすけ君をこの豪火から守ったようだ。

「し、死ぬかと思た・・・。」

 聡介そうすけ君は熱の届かないところまで登ってくると膝を付き、自らの無事を確かめる。

 モヤァ

 まだ熱の残る窪地から黒い光が明後日の方向へと飛んでいく。

 ポゥ

 それを機に阿樟あくす君、聡介そうすけ君、じゅん君から飛び出した光は6つに分かれ、私に向かってくる。

「えっ、私!?」

 全ての光が私の体に吸い込まれる。








 リンゴーン、リンゴーン

 その場になり響く鐘の音。

<古の力無き勇者との間に結ばれた盟約により、憐れな仮初めの世界に一度限りの祝福チュートリアルを。唱えよ。>

 何処からか聞こえるその神々しい声に、私は考えるより先に口に出す。

「"霊王招来"。」

<我に聖句を。>

「"刻爾こくに"」



 その瞬間、世界が6日間巻き戻る。









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