【目指せ400PV】RPGっぽい世界に飛ばされて魔物と戦う話 改定版

ノベルバユーザー203195

魔王狩り編 二話目

「ありさき・・・・きしょう・・・・?」


ユウは小首をかしげて有崎と名乗る青年と相まみえていた。


(あのメリケンサック・・・いや、鎧の手甲に近いか・・・?あの蒼い光・・・・)


前にアルベルトと対峙したときの事を思い出していた。


ヤツの神器・・・・。あの『爪』の神器と近づいたとき。


───神器は共鳴する。


塀と庭一つ超えた所にあるマグナボルグと共鳴しているという事が分かった。
それは同時にこの男が神器使いということを示していて、さっきの殴ったはずの豚人がすぐに起き上がり逃げていったあの現象も説明がついた。


「あー、すんません・・・・。そちらさん、お名前いーっスか?」


「ああ、俺は立儀 ユウ」


正直言うと、虚しいことに俺には名前以外名乗れるような肩書きは無かった。(さすがに『害虫駆除』は嫌だ)
青年は、手を握ったり離したりを繰り返した。何とも気怠そうに。外の大通りには人々を取り締まる目的で憲兵が三人一組で歩いているのが見えた。


俺はこいつをあの憲兵に突き出すのも手だな、と考えた。しかし、神器の力は常人がどうこう出来るような大きさではない。
無関係な一般人を巻き込んではいけない。だから、


「なっ、なあ?」


なるべく気を引くようにした。まぁ、どれほど効果があるか分からないが。だが、そんな俺の思惑とは全くかち合わず、


「実はその・・・、さっきまでバイクに乗ってたんスけど、トラックにぶつかられて、死んだなって・・・思って・・・気付いたらこの世界に・・・」


「それって・・・それってマジか!?マジなんだな!?」


まさか、まさかとは思うが、こいつも俺と同じ境遇の『転生者』・・・!?
だとしたら、だとしたら!


「どうかしたんスか?」


「実を言うとだな・・・俺も同じように気付いたらこの世界に来たんだ。にわか信じがたい話だけど」


「!  マジすか!?じゃ、じゃあ、そっ、そいつがホントなら、あなたは『先輩』ッス!」


「ふぇっ!?」


なんか突拍子もないこと言うなこいつ。


「よろしくお願いしまっス!先輩っ!」


なんかムズムズするな。そういう感じ。
まぁいいか。だって、やっと同じ境遇の『仲間』に逢えたんだ。
確実にハルカの所へ帰れる道を一歩進んだんだ。


取り敢えず有崎の事を、ミカゲさんに報告しよう。

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