【目指せ400PV】RPGっぽい世界に飛ばされて魔物と戦う話 改定版
十七話目
無事帰宅出来た俺たちは、少し(12時間ほど。少しじゃないか)寝た後に、新聞屋さんから届いた記事に目を通していた。
「『砂漠が氷原と化す‼犯人不明』か・・・・」
ミカゲさんが丸眼鏡をかけて新聞を読んでいた。
身を包んでいる部屋着は白を基調とした質素な物で、彼女の栗色の髪によく映えている。
かく言う俺は、地面を転がり樹に叩きつけられ暴れ蟹を解体してボロボロな制服しかねぇ・・・。
なんだか惨めだなぁ・・・。今度買い物に行こう・・・。
このクエストの報酬(金貨500枚。たぶん五十万円くらいに相当するかな?ギルドのダイヤモンドが金貨一万五千枚だったから、うろ覚えのダイヤレートで計算して大体そのぐらいだったから)があるんだ。まあ、半分はミカゲさんに渡すけどね?
「ね、ねぇ、それ、新聞?」
惨めさのあまり、分かりきっていることを聞いてしまった。ちくせう。
「ああ。ユウは初めてだったな。これは魔王さまが無料で配布なさっている新聞でな、週一のペースで家に届くんだ」
ミカゲさんは楽しそうだ。きっと、彼女にとって、楽しみがこれぐらいなんだろう。博学な彼女らしいな。
この家、大きいけど、魔王城や物見櫓とかと違って、夕方でも日が当たるから威圧感がない。
一番日の当たるのはこの縁側の寝室である。
「夕食だな・・・。私は腹が減った。お主もだろ?ちょっと作ってくる。新聞でも読んでてくれ」
「うん」
すっくと立ち上がり、キッチンのある部屋へ歩いていった。
本当にやることがないので、新聞を読むことにする。
手にとってみると、さっきの見出しを真っ先に目を通した。
『先日未明、レント領ムクロイ砂漠にて、武器商団ロンドニアが半径15キロメートルに渡って砂漠が氷結していたのを発見した。当局によると、魔法使用の痕跡があり、何者かによる犯行と見て間違いないとの事で・・・』
ああ、なるほどな。犯行なんだ。
って、ちょっと待てよ・・・・まてまて、何で俺はこの世界の文字を読めるんだ?分かるんだ?
クエストに行くとき書いた登録書みたいな奴も読めた。ってか、最初っから全部だ!
一体何でだ?何なんだ?
数十分かけて、新聞を読み終わると、
「おーい、ご飯出来たぞ~?」
「はーい」
呼ばれたので、食卓に取り合えず向かうことにする。
キッチンの目の前にある丸いテーブルに、木の皿が置いてあった。
「今晩はカツカレーだ。久しぶりに作るからな・・・」
木の皿に盛ってあったのは、やっぱりカツカレーだったみたいだ。食欲そそる匂いがする。
「わぁ、カツカレー?いいの?」
「もちろんだ!」
「わはーい、いただきまーす!」
俺は、かなり久しぶりのまともな食事に我慢できなくなり、木造りの椅子に腰を掛けて、それを食そうとした瞬間に――――――、
パァンッ‼
あ、ありのまま今起こった事を話すぜ!
カツカレーに突っ込んだハズのスプーンが吹き飛んで、俺のこの頬を掠めて遥か後方の壁に突き刺さったんだ・・・・!
な、何を言っているのかわからねーと思うが、俺も何をされたのかわからなかった。
何で発動するかまだよく分かってない魔法や暗器だとかチートだとかそんなチャチなものじゃあ断じてねぇ。
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ。
「手を・・・・洗ってから食え!」
ものスゴい凄みのある声で、ミカゲさんが俺に言った。ヤバイな。フツーに怖い。
「へぇい・・・・」
「分かれば宜しい」
にっこりだ。凄みのある人だけど女の子だな。和風美人な笑顔はキレイだけど。
――――――――――――――――――――
「なあ?『武器商団ロンドニア』って何なの?」
「ああ、ロンドニアは文字通り『武器商団』だ。この大陸のほとんどの都市に内在する武器屋は、ロンドニアの登録を済ませなければ商売できないようになってる。だから、『武器商団』よりも『商会』が正しいかもな」
「なるほど。で、何でその人たちが砂漠に何してたんだ?」
「ロンドニアは大陸中にある支店より強大かつ広範囲な情報網を築いている。都市のない砂漠や山間部、あるいはダンジョンなどには、ロンドニアの施設遊撃隊が駐屯するんだ。だから、今回は砂漠にいた遊撃隊が気付いて通報したんじゃないか?」
「そういうこと?ってか、武装してんの?」
「そうなるな。なにせ、魔物は待ってくれないからだ」
「うーん。だから武装してんだな?」
「まあね」
たしかにカテマラは待ってくれませんでした。おっと食事中だ。やめよう。
「・・・・旨いか?私のカツカレー」
「うん!超ウマイ!」
「そうか!よかった!この季節はイノシシが肥えるんだ!その中でも一番高い部位を買ってきた!」
おお!じゃ、ご馳走だな!
取りあえず食い終わると、風呂に入る事にした。
「ね、ねぇ?また、またさぁ、風呂に一緒に入るの?できればさきに入って欲しいんだけど・・・?」
「水税の無駄だ。一緒に入るぞ」
「ふぇぇ!?マジか?」
またまたあんな思いをするのかよ・・・。思い出すだけで爆死しそうだ。
「また水を汲んできてくれるか?」
「ん~・・・・・」
「(ゴリッ)ハイは?」
まあなにがゴリッ、かというと、
「へぇい・・・・」
殺人的な笑顔である。あの笑顔の破壊力は萌えという意味でも癒しという意味でも効果はバツグンだが、彼女自身の凄み、迫力が重なることで上記の効果は打ち消され、只の原子爆弾と化す。いや、まさに笑顔破壊爆弾といった所か。
ぼさっとしてると後ろからライフルでぶち抜かれそうなので、早く水を汲みに行こうかな。
「『砂漠が氷原と化す‼犯人不明』か・・・・」
ミカゲさんが丸眼鏡をかけて新聞を読んでいた。
身を包んでいる部屋着は白を基調とした質素な物で、彼女の栗色の髪によく映えている。
かく言う俺は、地面を転がり樹に叩きつけられ暴れ蟹を解体してボロボロな制服しかねぇ・・・。
なんだか惨めだなぁ・・・。今度買い物に行こう・・・。
このクエストの報酬(金貨500枚。たぶん五十万円くらいに相当するかな?ギルドのダイヤモンドが金貨一万五千枚だったから、うろ覚えのダイヤレートで計算して大体そのぐらいだったから)があるんだ。まあ、半分はミカゲさんに渡すけどね?
「ね、ねぇ、それ、新聞?」
惨めさのあまり、分かりきっていることを聞いてしまった。ちくせう。
「ああ。ユウは初めてだったな。これは魔王さまが無料で配布なさっている新聞でな、週一のペースで家に届くんだ」
ミカゲさんは楽しそうだ。きっと、彼女にとって、楽しみがこれぐらいなんだろう。博学な彼女らしいな。
この家、大きいけど、魔王城や物見櫓とかと違って、夕方でも日が当たるから威圧感がない。
一番日の当たるのはこの縁側の寝室である。
「夕食だな・・・。私は腹が減った。お主もだろ?ちょっと作ってくる。新聞でも読んでてくれ」
「うん」
すっくと立ち上がり、キッチンのある部屋へ歩いていった。
本当にやることがないので、新聞を読むことにする。
手にとってみると、さっきの見出しを真っ先に目を通した。
『先日未明、レント領ムクロイ砂漠にて、武器商団ロンドニアが半径15キロメートルに渡って砂漠が氷結していたのを発見した。当局によると、魔法使用の痕跡があり、何者かによる犯行と見て間違いないとの事で・・・』
ああ、なるほどな。犯行なんだ。
って、ちょっと待てよ・・・・まてまて、何で俺はこの世界の文字を読めるんだ?分かるんだ?
クエストに行くとき書いた登録書みたいな奴も読めた。ってか、最初っから全部だ!
一体何でだ?何なんだ?
数十分かけて、新聞を読み終わると、
「おーい、ご飯出来たぞ~?」
「はーい」
呼ばれたので、食卓に取り合えず向かうことにする。
キッチンの目の前にある丸いテーブルに、木の皿が置いてあった。
「今晩はカツカレーだ。久しぶりに作るからな・・・」
木の皿に盛ってあったのは、やっぱりカツカレーだったみたいだ。食欲そそる匂いがする。
「わぁ、カツカレー?いいの?」
「もちろんだ!」
「わはーい、いただきまーす!」
俺は、かなり久しぶりのまともな食事に我慢できなくなり、木造りの椅子に腰を掛けて、それを食そうとした瞬間に――――――、
パァンッ‼
あ、ありのまま今起こった事を話すぜ!
カツカレーに突っ込んだハズのスプーンが吹き飛んで、俺のこの頬を掠めて遥か後方の壁に突き刺さったんだ・・・・!
な、何を言っているのかわからねーと思うが、俺も何をされたのかわからなかった。
何で発動するかまだよく分かってない魔法や暗器だとかチートだとかそんなチャチなものじゃあ断じてねぇ。
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ。
「手を・・・・洗ってから食え!」
ものスゴい凄みのある声で、ミカゲさんが俺に言った。ヤバイな。フツーに怖い。
「へぇい・・・・」
「分かれば宜しい」
にっこりだ。凄みのある人だけど女の子だな。和風美人な笑顔はキレイだけど。
――――――――――――――――――――
「なあ?『武器商団ロンドニア』って何なの?」
「ああ、ロンドニアは文字通り『武器商団』だ。この大陸のほとんどの都市に内在する武器屋は、ロンドニアの登録を済ませなければ商売できないようになってる。だから、『武器商団』よりも『商会』が正しいかもな」
「なるほど。で、何でその人たちが砂漠に何してたんだ?」
「ロンドニアは大陸中にある支店より強大かつ広範囲な情報網を築いている。都市のない砂漠や山間部、あるいはダンジョンなどには、ロンドニアの施設遊撃隊が駐屯するんだ。だから、今回は砂漠にいた遊撃隊が気付いて通報したんじゃないか?」
「そういうこと?ってか、武装してんの?」
「そうなるな。なにせ、魔物は待ってくれないからだ」
「うーん。だから武装してんだな?」
「まあね」
たしかにカテマラは待ってくれませんでした。おっと食事中だ。やめよう。
「・・・・旨いか?私のカツカレー」
「うん!超ウマイ!」
「そうか!よかった!この季節はイノシシが肥えるんだ!その中でも一番高い部位を買ってきた!」
おお!じゃ、ご馳走だな!
取りあえず食い終わると、風呂に入る事にした。
「ね、ねぇ?また、またさぁ、風呂に一緒に入るの?できればさきに入って欲しいんだけど・・・?」
「水税の無駄だ。一緒に入るぞ」
「ふぇぇ!?マジか?」
またまたあんな思いをするのかよ・・・。思い出すだけで爆死しそうだ。
「また水を汲んできてくれるか?」
「ん~・・・・・」
「(ゴリッ)ハイは?」
まあなにがゴリッ、かというと、
「へぇい・・・・」
殺人的な笑顔である。あの笑顔の破壊力は萌えという意味でも癒しという意味でも効果はバツグンだが、彼女自身の凄み、迫力が重なることで上記の効果は打ち消され、只の原子爆弾と化す。いや、まさに笑顔破壊爆弾といった所か。
ぼさっとしてると後ろからライフルでぶち抜かれそうなので、早く水を汲みに行こうかな。
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