【目指せ400PV】RPGっぽい世界に飛ばされて魔物と戦う話 改定版

ノベルバユーザー203195

十四話目

馬車の所まで戻ってみると、御者のハゲがまだ馬を待機させていた。


「おっ!戻ってきた!」


ハゲは、安堵の表情でこちらをみている。
気に掛けてくれていたのか。いい奴だな。
ハゲと呼ぶには悪いし、後で名前聞こう。


「大至急、奥の村に向かってもらいたい」


ミカゲさんが行き先を告げ、俺たちは馬車に乗る。


――――――――――――――――


馬車に乗り、約5分が経過した。


「酔って・・・・・ない?」


「酔わなくなったのか!」


酔ってない。


「ふぉぉ!酔ってない。酔ってないぞぉ!」


やったああああ!これでもう吐きながら移動する醜態を誰にも晒さずに済むよ!


「あ、そうだ。御者さん、あんた、名前なんつーの?」


「あっしですか?あっしはバドー。この道18年の馬車使いでさ!」


スクーターばりのスピードでハイキングコースの様なところを走り抜ける馬車。ちらちらと帆から漏れる木漏れ日がキレイだな。


出来ることならハルカにも見せてやりたいよ・・・・。


にしても、ハルカって何してるんだろ?


俺は忘れられてる?


それとも、泣いてる?


どちらにせよ、恋人としてそんなこと、あいつに思わせちゃあいけないんだ!


あっちの世界に戻るのに『クエストを受けまくってヒントを探す』方法を選んだ以上、もうあとには引き下がれない。


待っとけ、そう静かに呟いた。


まあ、もちろん馬車が砂地の地面を踏み鳴らす音が、俺の呟きを掻き消したんだが。


          

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