【目指せ400PV】RPGっぽい世界に飛ばされて魔物と戦う話 改定版
十二話目
肉の山に手を突っ込む。
ぐちゅ!
そして、引き抜く。
「おお、普通の蟹肉だ」
普通な蟹肉だった。いくらクリムゾンウッドクラブと言っても、蟹は蟹だ。
一応臭いを嗅いでおく。傷んだり腐ったりはまだしてないみたいだ。
さっき汲んでおいた水は、もうすでにフライパンの中で泡立っている。
「包丁・・・無い?」
うとうとするミカゲさんに聞いてみた。
「すまん・・・。無い」
んじゃあ、いいかマグナボルグで。
鞘からマグナボルグを引き抜き、蟹肉を手頃な大きさにカットした。
「おし!後は・・・味付けだな。塩でいいか。肉に火が通ってからぶち込めばいいや」
~四十分後~
あっれ~??おかしいなぁ・・。さっきから四十分近くも経ってるのに、蟹肉が赤くなる感じがないのだ。
菜箸でつついてみたが、
「・・・・・・」
固いまんまだ。
「すぅ・・・・・すぅ・・・・・」
ミカゲさんは樹の幹にもたれ掛かってスヤスヤ眠っている。まあ仕方ないか。俺を守るために蟹に突撃してくれたりしたんだから。
そんなミカゲさんの為にも、ちゃんとスープ作ってあげよう。
~~~~~~~~~~~~~~~~
「うわあああああ‼やめてくれ‼殺すのは私だけでいいだろ!?せめて娘だけはやめてくれ‼」
「・・・・別に殺してない。殺してるのはカテマラだから」
「さっ、差し向けてるのはお前だろ!?」
「私じゃない。呼び寄せてるのは、この『蟲笛』《マグナホーン》」
「まっ、マグナホーン・・!?何でそんな神器をお前なんかが持ってるんだ!」
「私に適合したから。もうおしゃべりも飽きた。大丈夫。楽に逝けるから」
「えっ――――――――――」
ドゴン‼
血塗れの村人に飛び付いたのは、ユウたちがさっきまで駆逐していた人食い蟲カテマラだった。
そして、村人を生きたまま貪り喰い始めた。
「うぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ‼やだああああああ‼やだよおああああああああああ‼」
「あら。全然楽そうじゃないわね」
バキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキ。
この村は、『レントの森』の深くにある。否―――――、あった が正解か。
今さっき最後一人と思われる村人をカテマラ貪り喰ってしまったから、これが正しいだろう。
倒壊した家屋。燃え盛る薪、或いは人だった肉塊。
「酷い有り様だな」
ざっ、と白装束の男が、焦げた土を踏みしめた。
「貴様を断罪する――――。クレハ・ヴァンプ」
「また私の前に立つのね、アルベルト・クライスラー」
アルベルトという白装束の男は、メガネをつい、と上げながら言った。
「貴様のバックについている『組織』も調査済みだ。貴様の断罪が済み次第、そちらも裁く」
「一人で出来ると思うの?エクソシストの貴方が、たった一人で」
クレハという小柄な少女が言った。
彼女は、赤いフードに黒いハイヒールのブーツ(但し、踵が刃になっている暗殺用)を着用している。
それと相反する色合いのクライスラーは、真っ白なコート、チノパンの様なものを着ている。
そう。服の色合いが相反するように、彼らの目的も相反するものだった。
彼は復讐、そして抹殺のために。
彼女は任務遂行のために。
「マグナホーン‼」
「『断罪の矢』《マグナフォーム》‼」
お互いの獲物を構えて激突した。
そして、その轟音は20キロ離れていたユウの耳にも届いた。
「ん!?なんだ!?」
やっと蟹がほんのり赤くなってきたところに。
ぐちゅ!
そして、引き抜く。
「おお、普通の蟹肉だ」
普通な蟹肉だった。いくらクリムゾンウッドクラブと言っても、蟹は蟹だ。
一応臭いを嗅いでおく。傷んだり腐ったりはまだしてないみたいだ。
さっき汲んでおいた水は、もうすでにフライパンの中で泡立っている。
「包丁・・・無い?」
うとうとするミカゲさんに聞いてみた。
「すまん・・・。無い」
んじゃあ、いいかマグナボルグで。
鞘からマグナボルグを引き抜き、蟹肉を手頃な大きさにカットした。
「おし!後は・・・味付けだな。塩でいいか。肉に火が通ってからぶち込めばいいや」
~四十分後~
あっれ~??おかしいなぁ・・。さっきから四十分近くも経ってるのに、蟹肉が赤くなる感じがないのだ。
菜箸でつついてみたが、
「・・・・・・」
固いまんまだ。
「すぅ・・・・・すぅ・・・・・」
ミカゲさんは樹の幹にもたれ掛かってスヤスヤ眠っている。まあ仕方ないか。俺を守るために蟹に突撃してくれたりしたんだから。
そんなミカゲさんの為にも、ちゃんとスープ作ってあげよう。
~~~~~~~~~~~~~~~~
「うわあああああ‼やめてくれ‼殺すのは私だけでいいだろ!?せめて娘だけはやめてくれ‼」
「・・・・別に殺してない。殺してるのはカテマラだから」
「さっ、差し向けてるのはお前だろ!?」
「私じゃない。呼び寄せてるのは、この『蟲笛』《マグナホーン》」
「まっ、マグナホーン・・!?何でそんな神器をお前なんかが持ってるんだ!」
「私に適合したから。もうおしゃべりも飽きた。大丈夫。楽に逝けるから」
「えっ――――――――――」
ドゴン‼
血塗れの村人に飛び付いたのは、ユウたちがさっきまで駆逐していた人食い蟲カテマラだった。
そして、村人を生きたまま貪り喰い始めた。
「うぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ‼やだああああああ‼やだよおああああああああああ‼」
「あら。全然楽そうじゃないわね」
バキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキ。
この村は、『レントの森』の深くにある。否―――――、あった が正解か。
今さっき最後一人と思われる村人をカテマラ貪り喰ってしまったから、これが正しいだろう。
倒壊した家屋。燃え盛る薪、或いは人だった肉塊。
「酷い有り様だな」
ざっ、と白装束の男が、焦げた土を踏みしめた。
「貴様を断罪する――――。クレハ・ヴァンプ」
「また私の前に立つのね、アルベルト・クライスラー」
アルベルトという白装束の男は、メガネをつい、と上げながら言った。
「貴様のバックについている『組織』も調査済みだ。貴様の断罪が済み次第、そちらも裁く」
「一人で出来ると思うの?エクソシストの貴方が、たった一人で」
クレハという小柄な少女が言った。
彼女は、赤いフードに黒いハイヒールのブーツ(但し、踵が刃になっている暗殺用)を着用している。
それと相反する色合いのクライスラーは、真っ白なコート、チノパンの様なものを着ている。
そう。服の色合いが相反するように、彼らの目的も相反するものだった。
彼は復讐、そして抹殺のために。
彼女は任務遂行のために。
「マグナホーン‼」
「『断罪の矢』《マグナフォーム》‼」
お互いの獲物を構えて激突した。
そして、その轟音は20キロ離れていたユウの耳にも届いた。
「ん!?なんだ!?」
やっと蟹がほんのり赤くなってきたところに。
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