【目指せ400PV】RPGっぽい世界に飛ばされて魔物と戦う話 改定版
五話目
「はいは~い、ギルド受付娘の、キオさんでーす☆ どんな依頼をお探しですかぁ?いまなら、報酬の多い期間限定クエストがいくつかありますよぉ?」
俺の前に立っているこの子、キオちゃんは、たぶんフューリン族だから背がちっちゃいけど大人なんだろう。
背が机に届いてないらしく、ぷるぷる背伸びしている。かわいい。
机をもっと低くしてあげれば便利だろーな。でもぷるぷるするのも見ててかわいい。
フューリン族は男女共通で比較的幼児体型で童顔が多く、髪の毛も栗色か金色が大半らしい。
「こいつは、初めてクエストを受ける。簡単なやつを頼む」
俺を親指で指し、ミカゲさんがいう。
「ああ、そういえば、見たことのないお顔ですね。レベルは~っと、まだ0なんですねぇ?んじゃあ、これなんてどうです?」
彼女は、とたとた歩いて後ろの掲示板から一枚の画鋲で止めてあった紙を持ってきた。背は届いてないから、またぷるぷる背伸びしていた。かわいい。
「『カテマラ討伐依頼』?」
「はいぃ~っ!いまなら経験値、報酬ともに二倍ですよぉ~?」
台からずいっと体を乗り出し、顔を近づけてきた。
これまた破壊力抜群の笑顔で、うっかりするとハルカよりかわいいんじゃないかって思ってしまう。
経験値か。そんな物もあったんだ。
「カテマラか。また今年も大量発生しているのか?」
わりとロートーンなミカゲさんの声で、急激に現実に引き戻される。
「はいぃ~っ、今の時期は繁殖期でしてぇ~、興奮したメスが近くの農村を襲う事件が多発してるんですぅ~。なので、報酬を増やして、狩人を急募してるんですぅ~」
「ち、ちょっと待て。『カテマラ』って何だ?」
ちょっとイヤな予感がする・・・・。
「ああ、カテマラは『肉食蟲目甲虫科』の大型人喰い蟲だ。2年半周期で大量発生している。なかなかデカい上に気性が荒いため、やっかまれている」
んぎゃあああああああああ!やっぱりだぁ!
カテマラか。なるほどな。人喰い蟲・・・か。きっと毛虫より気持ち悪いんだろうな・・・・・・。
冒頭でもそうだったが、俺は蟲耐性がない。スプラッタも無理だ。
だが、そんな温い《ぬる》心構えでは、きっと元の世界に戻る手段は得られないだろう。
よしっ!覚悟を決めて―――――!
「行くよ。そのクエスト、受けた」
「はいはいですぅ~!ここに名前と、年齢と、スキル名を書いてくださぁい」
またぷるぷると背伸びしてブースの奥の戸棚から一枚の書類を取り出してきた。
紙の感じはどうやら羊皮紙ではなく、藁半紙に近いようだ。
ファンタジーならやっぱり羊皮紙かなと思ったんだが。
さらさらっと書類に目を通し、サインとスキルを記入する。
やっぱり、名前は立儀ユウの方がいいのかな?まあいいや。俺は、簡単に立儀ユウと書き込んで、スキルの欄に『自己治癒』『筋力強化』と書いた。
「クエスト行きの軍用馬車は明日出立となりまぁす。それまでに準備をお願いいたしますねぇ~」
「ああ」
「初めてのクエストなら、私も同行しよう。同行者は何名までだ?」
ミカゲさんが言った。科学者なのに戦うんだ・・・?
「私が戦えるのかって?当たり前だろ?私は巫女科学者だぞ?武器は自作した」
自信満々に言う彼女。まあ、まだ戦い慣れしてない俺のサポートくらいはしてくれるでしょ、たぶん。
「え~と、五名までとなっていますぅ~、五名までなら無申請でもいいみたいですよぉ~?」
「わかった・・・。じゃあ、一度屋敷に戻って、準備をしてから来よう」
「うん」
俺たちは、ミカゲさんのすごく豪華な研究所兼自宅に引き返した。
早く元の世界に戻って、ハルカを安心させてやりたい。いや、まあ案外ヤツからはどうでもよく思われてるのかも知れないが、とにかくだ。
これが、俺の覚悟だ。
          
俺の前に立っているこの子、キオちゃんは、たぶんフューリン族だから背がちっちゃいけど大人なんだろう。
背が机に届いてないらしく、ぷるぷる背伸びしている。かわいい。
机をもっと低くしてあげれば便利だろーな。でもぷるぷるするのも見ててかわいい。
フューリン族は男女共通で比較的幼児体型で童顔が多く、髪の毛も栗色か金色が大半らしい。
「こいつは、初めてクエストを受ける。簡単なやつを頼む」
俺を親指で指し、ミカゲさんがいう。
「ああ、そういえば、見たことのないお顔ですね。レベルは~っと、まだ0なんですねぇ?んじゃあ、これなんてどうです?」
彼女は、とたとた歩いて後ろの掲示板から一枚の画鋲で止めてあった紙を持ってきた。背は届いてないから、またぷるぷる背伸びしていた。かわいい。
「『カテマラ討伐依頼』?」
「はいぃ~っ!いまなら経験値、報酬ともに二倍ですよぉ~?」
台からずいっと体を乗り出し、顔を近づけてきた。
これまた破壊力抜群の笑顔で、うっかりするとハルカよりかわいいんじゃないかって思ってしまう。
経験値か。そんな物もあったんだ。
「カテマラか。また今年も大量発生しているのか?」
わりとロートーンなミカゲさんの声で、急激に現実に引き戻される。
「はいぃ~っ、今の時期は繁殖期でしてぇ~、興奮したメスが近くの農村を襲う事件が多発してるんですぅ~。なので、報酬を増やして、狩人を急募してるんですぅ~」
「ち、ちょっと待て。『カテマラ』って何だ?」
ちょっとイヤな予感がする・・・・。
「ああ、カテマラは『肉食蟲目甲虫科』の大型人喰い蟲だ。2年半周期で大量発生している。なかなかデカい上に気性が荒いため、やっかまれている」
んぎゃあああああああああ!やっぱりだぁ!
カテマラか。なるほどな。人喰い蟲・・・か。きっと毛虫より気持ち悪いんだろうな・・・・・・。
冒頭でもそうだったが、俺は蟲耐性がない。スプラッタも無理だ。
だが、そんな温い《ぬる》心構えでは、きっと元の世界に戻る手段は得られないだろう。
よしっ!覚悟を決めて―――――!
「行くよ。そのクエスト、受けた」
「はいはいですぅ~!ここに名前と、年齢と、スキル名を書いてくださぁい」
またぷるぷると背伸びしてブースの奥の戸棚から一枚の書類を取り出してきた。
紙の感じはどうやら羊皮紙ではなく、藁半紙に近いようだ。
ファンタジーならやっぱり羊皮紙かなと思ったんだが。
さらさらっと書類に目を通し、サインとスキルを記入する。
やっぱり、名前は立儀ユウの方がいいのかな?まあいいや。俺は、簡単に立儀ユウと書き込んで、スキルの欄に『自己治癒』『筋力強化』と書いた。
「クエスト行きの軍用馬車は明日出立となりまぁす。それまでに準備をお願いいたしますねぇ~」
「ああ」
「初めてのクエストなら、私も同行しよう。同行者は何名までだ?」
ミカゲさんが言った。科学者なのに戦うんだ・・・?
「私が戦えるのかって?当たり前だろ?私は巫女科学者だぞ?武器は自作した」
自信満々に言う彼女。まあ、まだ戦い慣れしてない俺のサポートくらいはしてくれるでしょ、たぶん。
「え~と、五名までとなっていますぅ~、五名までなら無申請でもいいみたいですよぉ~?」
「わかった・・・。じゃあ、一度屋敷に戻って、準備をしてから来よう」
「うん」
俺たちは、ミカゲさんのすごく豪華な研究所兼自宅に引き返した。
早く元の世界に戻って、ハルカを安心させてやりたい。いや、まあ案外ヤツからはどうでもよく思われてるのかも知れないが、とにかくだ。
これが、俺の覚悟だ。
          
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