職業魔王にジョブチェンジ~それでも俺は天使です~
Hell of sugar
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クレアシオンは悩んでいた。その原因はもちろん――――砂糖の入手手段についてだ。砂糖を採れるように品種改良された作物なんてない。それに、彼が住んでいる村はエルフの閉鎖的な村だ。人があまり行き来するような場所ではないため、村の外から入ってくる情報や物資は限られていた。
――甘党として、何としても砂糖を手に入れなくては……。作れるお菓子の種類が限られてしまう……。……ソフィア?帰ってこないからしかたがない。うん。
彼は別にソフィアの事を蔑ろにしている訳ではない。考えるにも糖分が必要なのだ。砂糖手に入れてから、ソフィアが帰って来るまでに彼女について考えよう、と決めていた。
ソフィアとの問題はとても複雑なものだ。彼女の気持ちを重く見ているが故の悩みだった。脳に糖分を送ってよく働く頭で考えようとしていたのだ。
――砂糖。糖分糖分糖分――――トウブン――――!!
――【愚か者の手を取得しました。】――
――【称号:糖帝を獲得しました。】――
彼の想いが天に届いた。彼の恐いまでの想いが彼に新しい【力】を与えた。いつも食べていた甘いお菓子が食べられなくなり、三年以上たった。これは【甘党】であり【遣糖使】である彼には耐えられなかったのだ。……恐らく、病名のある精神状態かなにかだろう。糖分を取らなすぎて禁断症状が起こり、こうなってしまったのだ。角砂糖ひとつでも与えたら正気に戻るはずだ……はずだ。……きっと。
「……【愚か者の手】と【糖帝】か……。職業が【糖帝】ならどれだけ良かったか……」
手遅れかも知れない。確かに職業【魔王】よりましだが、【糖帝】でいいのだろうか。どれだけ糖分に飢えていたのか、少なくとも、甘いもの関係の称号がこれで三つだ、ということだけ言っておこう。
◆◇◆◇◆
彼は夜中に遠く離れた森の中に来ていた。それはもちろん新しいスキルを試すためだ。取得した時は昼だったこともあり、遠くに出掛けたらエレノアにバレてしまうため、実験出来なかったが、名前が物騒だったため、念のため、【自己支配】で危険なスキルじゃないか調べていた。すると、名前通りの恐ろしいスキル、否、【呪い】と言ってもいいような代物だったのだ。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
 【愚か者の手】 ユニークスキル。手で触れるもの全てを砂糖に換えてしまう恐るべき呪いのような力。使用者の意思に関わらず常に発動している。相手が強い場合はレジストされてしまう。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
だが、このような恐ろしいスキルを持ちながら、クレアシオンはエレノアたちと普通に過ごしていた。なぜ、普通に過ごせたのか、手で触れた物が全て砂糖になるのではないのか、それは【自己支配】と【糖帝】で説明が出来る。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
【自己支配】 自分のステータスを感覚で把握できる。自分の体やスキルを使いこなしなすくなる。自分の体を完全に支配する。
【糖帝】 砂糖の扱いに長けた者が砂糖への愛が最高潮に達した時に稀に獲得出来る称号。【愚か者の手】をコントロールすることが可能になる。一度でも完璧にコントロールすることが出来れば、押さえつけるのではなく、使おうと思った時に使えるようになる。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
この二つのおかげで、彼は集中力をかなり使ったが、触れた物が砂糖になるような事はなかった。【自己支配】と常に自分の全てを支配しようとしていたお陰か、それほど苦労することもなく使いこなせていた。
ご飯を食べている間も、エレノアと遊んでいる間も静まれ、静まれ、封じられし(自力で封じてる)力よ、とやっていたのだ。
だが、完璧にコントロールは出来ていないため、要練習だが。
そして、遠く離れた森にきた今、縛る物など何もない――
「愚か者の手!!」
彼が目の前の木に触れると、触れた部分から白に塗りつぶされていく。それは止まることを知らず、地面にも広がり、他の木々や岩など全てを白く塗り潰していった。
「……恐ろしいな」
彼が触っていた木を握るとボロボロと音をたてて崩れ去り、砂糖が舞った。触れるもの全てを砂糖に換えるのスキル。もし、【自己支配】と【糖帝】がなかったらどうなっていたか。あまりの威力に戦慄した。
「――原価ただじゃねぇか!?」
やっぱり、禁断症状が出ていたのだろう。この力を完璧にコントロール出来ていない今の状態を理解出来ていない。
彼は砂糖を救い上げ、口に含んだ。恋い焦がれていた砂糖だ。彼は砂金を扱うように丁寧に慎重に口まで運んでいた。
「――――!?」
声に成らない。彼は頭の中をめぐる今まで作れなかったお菓子のレシピに想いを馳せ、どれを作るか考えた。だが……。
「砂糖と小麦と玉子とミルクだけじゃ、まだ足りない」
やっぱり、疲れているのだろう。思考がお菓子な――おかしな方向に傾いてしまっていた。
◆◇◆◇◆
「……」
彼は正気を取り戻した。……森をひとつ砂糖に変えてから。
「……これ、寝てる間にエレノアが砂糖になってたら笑えねぇよ……」
好きなだけ糖分摂取し終えた彼の頭は漸くまともな回転をし始めていた。やっと、このスキルの危険性を理解出来たのだろう。
「砂糖の海でクロールしてる場合じゃない……!!」
当たり前だ。このスキルの恐ろしいところは使用者の意思に関わらず手で触れたもの全てを砂糖に変えてしまうということだ。早急にコントロール出来るようになる必要が有った。一度でも完璧にコントロールすることが出来たのなら、【糖帝】の効果で任意で発動するスキルに変わるのだから。
「最近、寝るのが遅くなってしまってるな……。お昼寝してるからいいけど……」
ソフィアを創造したから連続でほぼ寝れていない。一応、昼寝もエレノアと共にしてはいるが、時間になると彼女に叩き起こされて、幼い彼の体には疲労が溜まっていた。
「【愚か者の手】か、触れただけで、相手を殺せるけど、【糖気闘乱】の補給として使った方がいいな。……冷静になれば、それほどいい砂糖じゃないしな」
糖分の行き届いた頭で彼は冷静にスキルを分析していく。相手が強い場合はレジストされる、とあるが、どの程度でレジストされるか曖昧である以上は敵に触れるというリスクを犯してまで試す価値はないと彼は考えた。
触れられるぐらいの相手ならいくらでも、確実に殺す手段を彼は持っているからだ。それに、甘党の彼からすると、この砂糖は少し質が悪いように感じられた。恐らく無理矢理砂糖に変換しているため、劣化した物しか作れないのだろう。
だが、【糖気闘乱】とは恐ろしく相性がいい。【糖気闘乱】は血液中の糖分を消費する代わりに全部ステータスを大幅に上昇させることが出来き、【鬼神化】や【九尾化】、【魔王化】と同時に使用することが出来る強力なスキルだが、燃費が悪く、糖分を使いきると動けなくなるという、デメリットの大きなスキルだった。
【愚か者の手】と【糖気闘乱】を上手く使いこなせれば、【糖気闘乱】のデメリットが比較的小さくなる、と彼は考えた。問題は戦闘中に補給できるか、だけだ。
彼は砂糖に換えてしまった森を【暴食のアギト】で食べてエネルギーに換えて【創造】で様々な金属を作り出し、【愚か者の手】で砂糖に換えるて【暴食のアギト】で砂糖をエネルギーに換えるという循環を作り出した。
「ミスリルとアマダンタイトは浸食が遅くなって、オリハルコンやヒヒイロカネはほとんど浸食出来ないな」
【愚か者の手】では素材によっては相手の武器を破壊出来るかも知れないと思っていたが、手で触れないといけない以上はリスクが高すぎて出来ないことがわかった。
それと、もう一つわかった事が【愚か者の手】は浸食のスピードが、【創造】は【創造の刻印】から物質を創造することが、使えば使うほど早くなるということだ。
これは彼にとって嬉しい誤算だった。彼は武器を作りながら、質と早さを意識しながら【創造】を使い続けた。
「っ!?」
さらに、
「暴食のアギトが変質したか……、大罪系スキルはこれだから……」
彼は立ち上がり、【糖気闘乱】を発動した。
「これだから、敵に回したら厄介なんだよな」
彼の口角は上がっていた。暴食のアギトが辺りの砂糖を喰らっていく。彼は空間を割り、大剣を取りだし振るう。【糖気闘乱】が血液中の糖分を急速に消費していき、彼の全ステータスが上昇していく。その間にも暴食のアギトは周りの砂糖を食べていた。
【大罪系スキル】は欲望のスキル、とはよく言ったものだ。持ち主の願いを叶えるために変質することがあるのだから。
彼の【暴食】の能力である【暴食のアギト】が変質した。それは食べた物を全てエネルギーに換えて、クレアシオンに送っていたのが、糖分だけ、そのまま、彼に送ることが出来るようになったのだ。
つまり、戦闘中に補給する目処がついたわけだ。
◆◇◆◇◆
「……やった。ついに出来た……!!」
彼は【自己支配】により、【愚か者の手】が変わったことがわかった。
「……これで寝れ――」
彼はあることに気がついた。朝陽が差し込んでいたのだ。
「――ないな……」
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
 【愚か者の手】 ユニークスキル。触れたものを任意で砂糖に換える力。相手が強い場合はレジストされてしまう。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
ありがとうございました。砂糖はスタッフが美味しく頂きました。
「魔王様の耳は狐耳!!男の狐耳なんてどこに需要があるんだよ!!」
床屋の男は掘った穴に顔を突っ込み叫んだ。
床屋の男は魔王様の髪を切った時に見てしまったのだ。魔王様の耳が狐耳だと言うことを。そして、魔王様に口止めされていたが、言いたくて言いたくて、ついに、誰にも聞かれないように深く穴を掘り、叫んでしまった。
「狐耳と言えば、着物を着た美女だろ!!!!」
今後、出てくる四人の勇者をどうするか……。ケモミミ娘を一人出したいが……。猫耳か犬耳か狐耳か……。タスマニアデビル耳の悪魔っ子か……悩む。一応他の三人は決まってるが、ケモミミ枠をどうするか。狐耳かな……でも被るしな。ほんと、九尾化したクレアシオンの耳を床屋の男に切り取ってもらおうかな……。あと、クレアシオンのふざけたスキルの方が強い件。
クレアシオンは悩んでいた。その原因はもちろん――――砂糖の入手手段についてだ。砂糖を採れるように品種改良された作物なんてない。それに、彼が住んでいる村はエルフの閉鎖的な村だ。人があまり行き来するような場所ではないため、村の外から入ってくる情報や物資は限られていた。
――甘党として、何としても砂糖を手に入れなくては……。作れるお菓子の種類が限られてしまう……。……ソフィア?帰ってこないからしかたがない。うん。
彼は別にソフィアの事を蔑ろにしている訳ではない。考えるにも糖分が必要なのだ。砂糖手に入れてから、ソフィアが帰って来るまでに彼女について考えよう、と決めていた。
ソフィアとの問題はとても複雑なものだ。彼女の気持ちを重く見ているが故の悩みだった。脳に糖分を送ってよく働く頭で考えようとしていたのだ。
――砂糖。糖分糖分糖分――――トウブン――――!!
――【愚か者の手を取得しました。】――
――【称号:糖帝を獲得しました。】――
彼の想いが天に届いた。彼の恐いまでの想いが彼に新しい【力】を与えた。いつも食べていた甘いお菓子が食べられなくなり、三年以上たった。これは【甘党】であり【遣糖使】である彼には耐えられなかったのだ。……恐らく、病名のある精神状態かなにかだろう。糖分を取らなすぎて禁断症状が起こり、こうなってしまったのだ。角砂糖ひとつでも与えたら正気に戻るはずだ……はずだ。……きっと。
「……【愚か者の手】と【糖帝】か……。職業が【糖帝】ならどれだけ良かったか……」
手遅れかも知れない。確かに職業【魔王】よりましだが、【糖帝】でいいのだろうか。どれだけ糖分に飢えていたのか、少なくとも、甘いもの関係の称号がこれで三つだ、ということだけ言っておこう。
◆◇◆◇◆
彼は夜中に遠く離れた森の中に来ていた。それはもちろん新しいスキルを試すためだ。取得した時は昼だったこともあり、遠くに出掛けたらエレノアにバレてしまうため、実験出来なかったが、名前が物騒だったため、念のため、【自己支配】で危険なスキルじゃないか調べていた。すると、名前通りの恐ろしいスキル、否、【呪い】と言ってもいいような代物だったのだ。
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 【愚か者の手】 ユニークスキル。手で触れるもの全てを砂糖に換えてしまう恐るべき呪いのような力。使用者の意思に関わらず常に発動している。相手が強い場合はレジストされてしまう。
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だが、このような恐ろしいスキルを持ちながら、クレアシオンはエレノアたちと普通に過ごしていた。なぜ、普通に過ごせたのか、手で触れた物が全て砂糖になるのではないのか、それは【自己支配】と【糖帝】で説明が出来る。
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【自己支配】 自分のステータスを感覚で把握できる。自分の体やスキルを使いこなしなすくなる。自分の体を完全に支配する。
【糖帝】 砂糖の扱いに長けた者が砂糖への愛が最高潮に達した時に稀に獲得出来る称号。【愚か者の手】をコントロールすることが可能になる。一度でも完璧にコントロールすることが出来れば、押さえつけるのではなく、使おうと思った時に使えるようになる。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
この二つのおかげで、彼は集中力をかなり使ったが、触れた物が砂糖になるような事はなかった。【自己支配】と常に自分の全てを支配しようとしていたお陰か、それほど苦労することもなく使いこなせていた。
ご飯を食べている間も、エレノアと遊んでいる間も静まれ、静まれ、封じられし(自力で封じてる)力よ、とやっていたのだ。
だが、完璧にコントロールは出来ていないため、要練習だが。
そして、遠く離れた森にきた今、縛る物など何もない――
「愚か者の手!!」
彼が目の前の木に触れると、触れた部分から白に塗りつぶされていく。それは止まることを知らず、地面にも広がり、他の木々や岩など全てを白く塗り潰していった。
「……恐ろしいな」
彼が触っていた木を握るとボロボロと音をたてて崩れ去り、砂糖が舞った。触れるもの全てを砂糖に換えるのスキル。もし、【自己支配】と【糖帝】がなかったらどうなっていたか。あまりの威力に戦慄した。
「――原価ただじゃねぇか!?」
やっぱり、禁断症状が出ていたのだろう。この力を完璧にコントロール出来ていない今の状態を理解出来ていない。
彼は砂糖を救い上げ、口に含んだ。恋い焦がれていた砂糖だ。彼は砂金を扱うように丁寧に慎重に口まで運んでいた。
「――――!?」
声に成らない。彼は頭の中をめぐる今まで作れなかったお菓子のレシピに想いを馳せ、どれを作るか考えた。だが……。
「砂糖と小麦と玉子とミルクだけじゃ、まだ足りない」
やっぱり、疲れているのだろう。思考がお菓子な――おかしな方向に傾いてしまっていた。
◆◇◆◇◆
「……」
彼は正気を取り戻した。……森をひとつ砂糖に変えてから。
「……これ、寝てる間にエレノアが砂糖になってたら笑えねぇよ……」
好きなだけ糖分摂取し終えた彼の頭は漸くまともな回転をし始めていた。やっと、このスキルの危険性を理解出来たのだろう。
「砂糖の海でクロールしてる場合じゃない……!!」
当たり前だ。このスキルの恐ろしいところは使用者の意思に関わらず手で触れたもの全てを砂糖に変えてしまうということだ。早急にコントロール出来るようになる必要が有った。一度でも完璧にコントロールすることが出来たのなら、【糖帝】の効果で任意で発動するスキルに変わるのだから。
「最近、寝るのが遅くなってしまってるな……。お昼寝してるからいいけど……」
ソフィアを創造したから連続でほぼ寝れていない。一応、昼寝もエレノアと共にしてはいるが、時間になると彼女に叩き起こされて、幼い彼の体には疲労が溜まっていた。
「【愚か者の手】か、触れただけで、相手を殺せるけど、【糖気闘乱】の補給として使った方がいいな。……冷静になれば、それほどいい砂糖じゃないしな」
糖分の行き届いた頭で彼は冷静にスキルを分析していく。相手が強い場合はレジストされる、とあるが、どの程度でレジストされるか曖昧である以上は敵に触れるというリスクを犯してまで試す価値はないと彼は考えた。
触れられるぐらいの相手ならいくらでも、確実に殺す手段を彼は持っているからだ。それに、甘党の彼からすると、この砂糖は少し質が悪いように感じられた。恐らく無理矢理砂糖に変換しているため、劣化した物しか作れないのだろう。
だが、【糖気闘乱】とは恐ろしく相性がいい。【糖気闘乱】は血液中の糖分を消費する代わりに全部ステータスを大幅に上昇させることが出来き、【鬼神化】や【九尾化】、【魔王化】と同時に使用することが出来る強力なスキルだが、燃費が悪く、糖分を使いきると動けなくなるという、デメリットの大きなスキルだった。
【愚か者の手】と【糖気闘乱】を上手く使いこなせれば、【糖気闘乱】のデメリットが比較的小さくなる、と彼は考えた。問題は戦闘中に補給できるか、だけだ。
彼は砂糖に換えてしまった森を【暴食のアギト】で食べてエネルギーに換えて【創造】で様々な金属を作り出し、【愚か者の手】で砂糖に換えるて【暴食のアギト】で砂糖をエネルギーに換えるという循環を作り出した。
「ミスリルとアマダンタイトは浸食が遅くなって、オリハルコンやヒヒイロカネはほとんど浸食出来ないな」
【愚か者の手】では素材によっては相手の武器を破壊出来るかも知れないと思っていたが、手で触れないといけない以上はリスクが高すぎて出来ないことがわかった。
それと、もう一つわかった事が【愚か者の手】は浸食のスピードが、【創造】は【創造の刻印】から物質を創造することが、使えば使うほど早くなるということだ。
これは彼にとって嬉しい誤算だった。彼は武器を作りながら、質と早さを意識しながら【創造】を使い続けた。
「っ!?」
さらに、
「暴食のアギトが変質したか……、大罪系スキルはこれだから……」
彼は立ち上がり、【糖気闘乱】を発動した。
「これだから、敵に回したら厄介なんだよな」
彼の口角は上がっていた。暴食のアギトが辺りの砂糖を喰らっていく。彼は空間を割り、大剣を取りだし振るう。【糖気闘乱】が血液中の糖分を急速に消費していき、彼の全ステータスが上昇していく。その間にも暴食のアギトは周りの砂糖を食べていた。
【大罪系スキル】は欲望のスキル、とはよく言ったものだ。持ち主の願いを叶えるために変質することがあるのだから。
彼の【暴食】の能力である【暴食のアギト】が変質した。それは食べた物を全てエネルギーに換えて、クレアシオンに送っていたのが、糖分だけ、そのまま、彼に送ることが出来るようになったのだ。
つまり、戦闘中に補給する目処がついたわけだ。
◆◇◆◇◆
「……やった。ついに出来た……!!」
彼は【自己支配】により、【愚か者の手】が変わったことがわかった。
「……これで寝れ――」
彼はあることに気がついた。朝陽が差し込んでいたのだ。
「――ないな……」
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
 【愚か者の手】 ユニークスキル。触れたものを任意で砂糖に換える力。相手が強い場合はレジストされてしまう。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
ありがとうございました。砂糖はスタッフが美味しく頂きました。
「魔王様の耳は狐耳!!男の狐耳なんてどこに需要があるんだよ!!」
床屋の男は掘った穴に顔を突っ込み叫んだ。
床屋の男は魔王様の髪を切った時に見てしまったのだ。魔王様の耳が狐耳だと言うことを。そして、魔王様に口止めされていたが、言いたくて言いたくて、ついに、誰にも聞かれないように深く穴を掘り、叫んでしまった。
「狐耳と言えば、着物を着た美女だろ!!!!」
今後、出てくる四人の勇者をどうするか……。ケモミミ娘を一人出したいが……。猫耳か犬耳か狐耳か……。タスマニアデビル耳の悪魔っ子か……悩む。一応他の三人は決まってるが、ケモミミ枠をどうするか。狐耳かな……でも被るしな。ほんと、九尾化したクレアシオンの耳を床屋の男に切り取ってもらおうかな……。あと、クレアシオンのふざけたスキルの方が強い件。
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