最弱能力者の英雄譚 ~二丁拳銃使いのFランカー~

土佐 牛乳

 世界の構造自体が間違えている。
 その考えに至ったのは最近。
 だが一人だけ、わかっていた人が口に出した。
 結果全ての因果律が変わった。

 世界は作り替え作業の連続だと思う。
 よく分からないが。

 因果律の法則は、自分の中にあると。
 そうすれば金も名声も夢も全てのものは俺のものとなる。
 因果律なんて容易いものだ。
 ここは俺の支配下にある。
 世界はそう循環している。

 だがひとつだけ。
 統合して合体して全てがそろって、何もかもが当たり前にあり、そして元の世界そのものの世界、破状した世界でもある。
 そんな世界が誰よりも待ち望んでいたのがこの俺だ。
 やってやろう。
 全ての世界感の集合体の世界であるならば俺は喜んで戦おう。

 そして同じ人物の奇妙な噂が広まっていった。
 名前は、Forest starc.
 もう一人、佐部タスク、魂がないもう一人の主人公。
 そしてもう一人、十八歳引きこもりの森タスク。

 ずっとゴッドアイから観察していたがみんな違っていた。
 ゴッドアイとは地球衛生上にある、人工衛星。
 これはどんな場所にいても瞬時に生態データから全ての情報、感情、口元、汗、全てのものが観察できる近代兵器最強の観察録機。
 意識の共有までは後五年かかる。
 そうだ俺は2021年からやってきた、盛タスクだ。
 機密保持のため、世界とのリンクを切り、FALSEWORLDを書き換えるためにやってきた。
 恐ろしいのは世界の方だった。
 だからここ、あの世界ではディストピアを作らなければならない。
 これを見ている君は世界を観測できる。
 誰もが持っている能力だと思う。

 というわけで、佐部タスクの活躍を見た。
 彼は熱血主人公の漫画の中のヒーローだったが、一人のために世界に利用つくされる運命だった。
 そして森タスクを見た。
 それは最後に佐部タスクを倒す男だった。
 次に、Forest starc。
 僕とそいつは、映画館で鑑賞しているようだった。

 ターニングポイントは永遠にある。
 世界は収束を繰り返すというのならば俺はその反対を行く。
 全ての可能性をぶち破る。
 可能なら何度でも戦う。
 ここからわかることは、それは何も掴み取る。
 皮肉めいている世界だ。
 楽しい世界だ。
 終わりの日なんて来ない。
 永続的に世界は回る。
 それでもと足掻いた結果がこの四千世界。
 繰り返した。
 主人公が挫けて立ち上がれなくなった時。
 それでもと足掻け。
 

 介入するのはFALSEの世界、二千二十二年全ての世界が収束した時だ。
 これでもと足掻いた盾田剣志。
 そいつを助ける。
 そして、佐部タスクを救う。
 怖い話だができる。
 そう確信している。

 徳之島、天城岳の全て。
 答えがある。
 俺の中の記憶でもある、あの日溜め込んだ世界の予定表。

 そして、それを今持っているのは、盾田剣志だ。
 亜空間ジャンプした。
 最終駅、JR東海道本線(神戸)。

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