TSカリスマライフ! ―カリスマスキルを貰ったので、新しい私は好きに生きることにする。―
桃ちゃんとお買い物
莉里ちゃんの誕生日プレゼントとして、手帳を買うために商店街へとやってきました。
この商店街では寂れない対策か何かで、様々な新しい店が入っています。
デザイナーさんの個人店やのれん分けをした料理屋さんなど、閉店していた店舗を少し改装して安く店を出せるように工夫しているようです。
ということで桃ちゃんと付き添いのお母さんと共に、若いデザイナーさんがやっているお店へとやってきました。
「いらっしゃいませ。あ、千佳ちんじゃん」
「こんにちは、めぐるさん」
この店をやっているめぐるさんは、二十五歳の女性デザイナーさん。
動物を象ったものを多く手掛けており、去年私と愛ちゃんが見つけたお店です。
可愛い小物や実用的なものまで作っており、少しお値段は張りますがめぐるさんの気持ちが一杯詰まった作品ばかりです!
「あ、桃ちゃんは初めてかな?」
「はい、素敵なお店ですね」
「ありがとうじゃん。桃ちん、でいい?」
「えっと、はい。大丈夫です」
「それで、この人はめぐるさん」
「店長のめぐる、よろしくじゃん。あ、千佳ちんのお母さんもいらっしゃいじゃん」
茶色に染めた、いかにもギャル! って感じの見た目をしているめぐるさんですが、中身はとても優しい人なのです。
口調はかなり砕けているけど、直ぐに距離を詰めて仲良くなれる、フレンドリーさでは私よりも凄い人なんです!
「めぐるさん、手帳とか売ってる?」
「そっちの棚だけど、どんなのが欲しいんじゃん?」
「可愛いやつかなー。友達、というか桃ちゃんのお姉ちゃんの誕生日プレゼントにしたいんだ」
「なるほど。それじゃあこの赤ちゃんタイガー手帳がオススメじゃん」
なにこれ可愛い!
手帳の外側には端に小さなタイガーちゃんの顔が描かれていて、ページの中にも様々な箇所に愛らしいタイガーちゃんがいます。
「これいいね! うん、これにしよっと」
「ありがとうじゃん」
「で、桃ちゃんは何にする?」
「えっと、色々見てもいいですか?」
「勿論じゃん。ゆっくりしていくじゃん」
めぐるさん、じゃんじゃん言いすぎじゃん?
「あ、可愛い。これもいいですね。こっちも捨てがたいです」
桃ちゃんはテーブルや棚に飾ってある商品を見て、迷っているようです。
私の意見が参考になるかは分かりませんが、手助けに向かいましょう。
「どう? いいのあった?」
「千佳先輩。どれもいいですね。可愛くて、私たち子供でも使いやすそうです」
「分かってるじゃん。千佳ちんに使い心地のテストやアイデアを貰ったりしてるから、最近は売れ行きも好調じゃん」
「千佳先輩、そんなこともしてたんですね?」
「えへへ。私の考えた商品も並んでるんだよ! 凄いでしょ!」
「凄いですね。ファンクラブの皆さんに伝わると速攻売り切れになりそうです」
「千佳ちん、ファンクラブなんかあるの!?」
「そうなんですよ。千佳先輩ったら、運動会で可愛い所一杯見せたんですよ。今や学校の女子の殆どがファンクラブ会員です」
「す、すごいじゃん」
ふっふっふ、そんなに褒めないでほしいなぁ。
照れちゃうじゃないか!
「生徒だけじゃなくて、先生も入ってたりするんですよ」
「へぇ、男の子には人気ないじゃん?」
「それがですね、男子は入れないんですよ」
「ほぉ、やっぱそっちの気じゃん?」
そっちの気です。
ただ、めぐるさんはコイバナや噂話が大好きなので、これ以上話を掘り返されると弄られるネタが上がってしまうでしょう。
可及的速やかに、話題を戻さないと!
「桃ちゃん! これとかいいんじゃないかな!?」
「……千佳先輩。それ、なんですか?」
「……えっと、ね、猫のお面?」
しかもリアル志向なお面。
なんで可愛いものばっかり売ってる中に、こんな怖そうなものが売っているのでしょうか。
誕生日に貰ったらショックで泣くよこれ。
「あ、それ。私がこの前買ってきたやつじゃん」
「私物をこんな所に置かないでくれないかな!?」
「ごめんじゃん」
お面をめぐるさんに返して、桃ちゃんのプレゼント探しを再開します。
作業場や生活スペースを確保しているためか、お世辞にも広いとは言えないお店を、顎に手を当てながら一回りした桃ちゃんは、少し迷ってから猫が彫られた十五センチ定規を手に取りました。
「これにします。もっと勉強を頑張って欲しいので」
「誕生日プレゼントなのに辛辣……ッ!」
でも、可愛いので莉里ちゃんは喜んでくれると思うよ。
お姉ちゃんサイドからの正直なことを言うと、妹から貰えるならなんでも喜ぶけどね!
「ありがとう、めぐるさん」
「あ、ありがとうございます」
「またのお越しをじゃん。千佳ちんに桃ちん、千佳ちんのお母さんも」
お誕生日ということで割引してくれためぐるさんにお礼を言ってから、お店を出ました。
放課後にやってきた訳ですが、余り時間が掛かっていないのでまだまだ時間があります。
「それじゃあ、私の家に戻ろっか」
「はい! 恵たちは大丈夫でしょうか?」
「それも確認しなきゃね! さぁ、時間はあんまり無いぞ!」
「頑張りましょう!」
そして私たちは莉里ちゃんへのプレゼントを大切に持って、家路へとつくのでした。
この商店街では寂れない対策か何かで、様々な新しい店が入っています。
デザイナーさんの個人店やのれん分けをした料理屋さんなど、閉店していた店舗を少し改装して安く店を出せるように工夫しているようです。
ということで桃ちゃんと付き添いのお母さんと共に、若いデザイナーさんがやっているお店へとやってきました。
「いらっしゃいませ。あ、千佳ちんじゃん」
「こんにちは、めぐるさん」
この店をやっているめぐるさんは、二十五歳の女性デザイナーさん。
動物を象ったものを多く手掛けており、去年私と愛ちゃんが見つけたお店です。
可愛い小物や実用的なものまで作っており、少しお値段は張りますがめぐるさんの気持ちが一杯詰まった作品ばかりです!
「あ、桃ちゃんは初めてかな?」
「はい、素敵なお店ですね」
「ありがとうじゃん。桃ちん、でいい?」
「えっと、はい。大丈夫です」
「それで、この人はめぐるさん」
「店長のめぐる、よろしくじゃん。あ、千佳ちんのお母さんもいらっしゃいじゃん」
茶色に染めた、いかにもギャル! って感じの見た目をしているめぐるさんですが、中身はとても優しい人なのです。
口調はかなり砕けているけど、直ぐに距離を詰めて仲良くなれる、フレンドリーさでは私よりも凄い人なんです!
「めぐるさん、手帳とか売ってる?」
「そっちの棚だけど、どんなのが欲しいんじゃん?」
「可愛いやつかなー。友達、というか桃ちゃんのお姉ちゃんの誕生日プレゼントにしたいんだ」
「なるほど。それじゃあこの赤ちゃんタイガー手帳がオススメじゃん」
なにこれ可愛い!
手帳の外側には端に小さなタイガーちゃんの顔が描かれていて、ページの中にも様々な箇所に愛らしいタイガーちゃんがいます。
「これいいね! うん、これにしよっと」
「ありがとうじゃん」
「で、桃ちゃんは何にする?」
「えっと、色々見てもいいですか?」
「勿論じゃん。ゆっくりしていくじゃん」
めぐるさん、じゃんじゃん言いすぎじゃん?
「あ、可愛い。これもいいですね。こっちも捨てがたいです」
桃ちゃんはテーブルや棚に飾ってある商品を見て、迷っているようです。
私の意見が参考になるかは分かりませんが、手助けに向かいましょう。
「どう? いいのあった?」
「千佳先輩。どれもいいですね。可愛くて、私たち子供でも使いやすそうです」
「分かってるじゃん。千佳ちんに使い心地のテストやアイデアを貰ったりしてるから、最近は売れ行きも好調じゃん」
「千佳先輩、そんなこともしてたんですね?」
「えへへ。私の考えた商品も並んでるんだよ! 凄いでしょ!」
「凄いですね。ファンクラブの皆さんに伝わると速攻売り切れになりそうです」
「千佳ちん、ファンクラブなんかあるの!?」
「そうなんですよ。千佳先輩ったら、運動会で可愛い所一杯見せたんですよ。今や学校の女子の殆どがファンクラブ会員です」
「す、すごいじゃん」
ふっふっふ、そんなに褒めないでほしいなぁ。
照れちゃうじゃないか!
「生徒だけじゃなくて、先生も入ってたりするんですよ」
「へぇ、男の子には人気ないじゃん?」
「それがですね、男子は入れないんですよ」
「ほぉ、やっぱそっちの気じゃん?」
そっちの気です。
ただ、めぐるさんはコイバナや噂話が大好きなので、これ以上話を掘り返されると弄られるネタが上がってしまうでしょう。
可及的速やかに、話題を戻さないと!
「桃ちゃん! これとかいいんじゃないかな!?」
「……千佳先輩。それ、なんですか?」
「……えっと、ね、猫のお面?」
しかもリアル志向なお面。
なんで可愛いものばっかり売ってる中に、こんな怖そうなものが売っているのでしょうか。
誕生日に貰ったらショックで泣くよこれ。
「あ、それ。私がこの前買ってきたやつじゃん」
「私物をこんな所に置かないでくれないかな!?」
「ごめんじゃん」
お面をめぐるさんに返して、桃ちゃんのプレゼント探しを再開します。
作業場や生活スペースを確保しているためか、お世辞にも広いとは言えないお店を、顎に手を当てながら一回りした桃ちゃんは、少し迷ってから猫が彫られた十五センチ定規を手に取りました。
「これにします。もっと勉強を頑張って欲しいので」
「誕生日プレゼントなのに辛辣……ッ!」
でも、可愛いので莉里ちゃんは喜んでくれると思うよ。
お姉ちゃんサイドからの正直なことを言うと、妹から貰えるならなんでも喜ぶけどね!
「ありがとう、めぐるさん」
「あ、ありがとうございます」
「またのお越しをじゃん。千佳ちんに桃ちん、千佳ちんのお母さんも」
お誕生日ということで割引してくれためぐるさんにお礼を言ってから、お店を出ました。
放課後にやってきた訳ですが、余り時間が掛かっていないのでまだまだ時間があります。
「それじゃあ、私の家に戻ろっか」
「はい! 恵たちは大丈夫でしょうか?」
「それも確認しなきゃね! さぁ、時間はあんまり無いぞ!」
「頑張りましょう!」
そして私たちは莉里ちゃんへのプレゼントを大切に持って、家路へとつくのでした。
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