TSカリスマライフ! ―カリスマスキルを貰ったので、新しい私は好きに生きることにする。―
運動会!大玉転がし黒歴史
「えーそれでは六年生の方に実況を代わって頂いて、私達も次のプログラムの入場準備をしに行きます」
「二年生の皆~次はうちらの出番やから忘れずにな~」
そういうことで、六年生の体育委員さんにマイクのバトンを渡し、私達は本部から入場門へと移動します。
あ、莉里ちゃんは続投です。
無失点で抑えまで頑張ってほしいですね。
「千佳ちゃん、湖月ちゃん。頑張ってたね」
「愛ちゃんどうだった?」
「すごい楽しかったわ~!」
「うん、聞いてて面白かったよ。間接キスの所とか」
「忘れてくださいお願いします!」
「ははは、まぁうちもちょっと恥ずかしかったけどな」
それから同学年の女の子たちから同じネタでからかわれたり、こちらを警戒して距離を取る女子にハートが打ちのめされたりとしましたが、一つ前のプログラムが終わって私たちの出番になりました。
今年の学年種目は大玉転がし。去年の玉入れは引き続き一年生のメグちゃんたちが行うそうです。
「よし皆、頑張ろう!」
「おー!」
私の一声でクラスの士気を高めます。
クラスメイトたちも私の間接キスネタで弄ってはきますが、距離を取ることはしないのでとてもありがたいです。
「……二年生の入場です。頑張って」
「莉里ちゃん頑張るよー!」
「……千佳、反応しなくていい」
莉里ちゃんが最近冷たいです。
桃ちゃんを妹妹って言ってるのがまだ根に持たれている模様。
しかし、ここは私も譲れないからね。
全ての年下女の子は私の妹なのだ!
「んで千佳ちゃん。作戦はどないするん?」
「前回教えた通り、外側に走るのが得意な子を配置して、全員玉が手元から離れないように注意しながらって感じで」
「皆~そんな感じらしいわ~」
「今年は普通な作戦だね」
「色々考えてみたもののね、結局は練習量が物を言う競技かなって。だからアドバイス程度の作戦で充分さ!」
「よっしゃ皆~! 張り切って怪我せず行くで~!」
「おー!」
「あわよくば勝つぞー!」
「おー!」
「ニューヨークに行きたいかー!」
「おー?」
全員が首を傾げています。
尚、私の掛け声が聞こえた先生たちや保護者陣は思わぬワードに、プッと噴き出しています。
生徒たちにはガン滑りですが、笑いを取ることができてよかったです。
特に一番間近で聞いていた九重先生はツボに入ったようです。
早く立ち直ってしっかりとクラスを見守ってください。
火薬の音で競技がスタートします。
この競技では特に順番に関する規定はされていませんので、私と九重先生で考えた布陣を形成しています。
四人ずつでグループになって玉を転がし、一つ目のコーンをくるりと回って二つ目のコーンへ、そのコーンで折り返し戻ってきたら選手交代、これを繰り返す大玉転がしですが、外側の選手が一番負担が大きくなります。
玉の方向転換に一役買うことと、回るときに一番外周を走ること。
この二つに有利な、足が速くて体力のある選手を配置しなければなりません。
そして団体競技で大切なものはズバリ!
士気です!
士気が上がれば勝てない戦だって勝てるんです!
なので一番手のグループには我が軍最強のムードメーカーである湖月ちゃんを採用。
中間ぐらいのグループに愛ちゃん、そして最後のグループに私を配置した、鉄壁の布陣で挑みます。
後は他のクラスがミスしてくれることを祈るばかり。
「おっしゃ~! 一番で帰ってきたで~!」
作戦通りに一発目からかましてくれた湖月ちゃんたち、そこからドンドン続いていって、体力の少ない愛ちゃんも頑張ってくれました。
そうしてトップで返ってきた大玉を私のグループは全力で転がしていきます。
もうこうなれば周りは見えません、ただ全力を出し切るだけです。
しかし最後のコーンを回ってアクシデントが発生!
グループの女の子が躓いてしまいました。
咄嗟の判断で大玉から手を離し、私の腕で支えてあげます。
一秒にも満たない間、私は柔らかな女の子の肌を堪能します。
プニプニやぁ。
そして女の子を立たせて、皆で走りぬけます。
さぁ、どうだ!?
「……一位、千佳ちゃんクラス。おめでとう」
「やったー!!」
「よ~やったで~!」
「わーい!」
全員で手を取り合って、ぴょんぴょんと跳ねます。
普段は大人しい子も、大声を上げて喜ぶほどです。
私も湖月ちゃんとハイタッチして、愛ちゃんに抱きついていると先程転けそうになった女の子が私の元へやってきました。
「あ、あの! 諸弓さん、ありがとう!」
「どういたしましてだよ! 怪我はない?」
「は、はい!」
「良かった」
この時、きっとこの子は恋に落ちるのでしょう。
そうそれは、許されない禁断のあいぃぃっ!?
「いった!? 何? 何が起こったの!?」
「むぅ」
振り向くと腕を組んでほっぺを膨らませた愛ちゃんが、ジト目でこちらを見ていました。
「あ、愛ちゃん? いや、これは、その」
「ふんっだ」
「あ、愛ちゃああああん!!」
愛ちゃんはプイッと振り向き、私から離れていきます。
足取り強く地面を叩き、肩を震わせる愛ちゃんは、私の目には般若が取り憑いているように見えました。
こ、怖い。
「あ、あの? 諸弓さん、大丈夫?」
私が顔全体に冷や汗を掻いていると、心配そうに女の子がこちらを覗いてきます。
くっ、可愛い!
「だ、大丈夫だよ! だから心配しな、ちょっ、待って行かないで愛ちゃん!!」
「もう知らないっ!」
「諸弓さん、あの、お話が!」
「ちょ、ちょっ、ちょいタンマぁ!?」
私、運動会で修羅場に陥る。
尚、お父さんがニヤニヤ笑いながらカメラを向けている模様。
九重先生、何故かキラキラした目でこちらを観察している。
湖月ちゃん、腹を抱えてこちらを指差して笑っている。
莉里ちゃん、何故か私の修羅場を実況し始める。
一年生陣、わ、私に目を合わせようと、し、してくれない。
「ご、ごめんなさいいいいいいい!!」
その後、湖月ちゃんに連れ戻されるまで、私は女子トイレに逃げ込むことになりましたとさ。
あれ? 今日の私黒歴史作りすぎじゃない?
「二年生の皆~次はうちらの出番やから忘れずにな~」
そういうことで、六年生の体育委員さんにマイクのバトンを渡し、私達は本部から入場門へと移動します。
あ、莉里ちゃんは続投です。
無失点で抑えまで頑張ってほしいですね。
「千佳ちゃん、湖月ちゃん。頑張ってたね」
「愛ちゃんどうだった?」
「すごい楽しかったわ~!」
「うん、聞いてて面白かったよ。間接キスの所とか」
「忘れてくださいお願いします!」
「ははは、まぁうちもちょっと恥ずかしかったけどな」
それから同学年の女の子たちから同じネタでからかわれたり、こちらを警戒して距離を取る女子にハートが打ちのめされたりとしましたが、一つ前のプログラムが終わって私たちの出番になりました。
今年の学年種目は大玉転がし。去年の玉入れは引き続き一年生のメグちゃんたちが行うそうです。
「よし皆、頑張ろう!」
「おー!」
私の一声でクラスの士気を高めます。
クラスメイトたちも私の間接キスネタで弄ってはきますが、距離を取ることはしないのでとてもありがたいです。
「……二年生の入場です。頑張って」
「莉里ちゃん頑張るよー!」
「……千佳、反応しなくていい」
莉里ちゃんが最近冷たいです。
桃ちゃんを妹妹って言ってるのがまだ根に持たれている模様。
しかし、ここは私も譲れないからね。
全ての年下女の子は私の妹なのだ!
「んで千佳ちゃん。作戦はどないするん?」
「前回教えた通り、外側に走るのが得意な子を配置して、全員玉が手元から離れないように注意しながらって感じで」
「皆~そんな感じらしいわ~」
「今年は普通な作戦だね」
「色々考えてみたもののね、結局は練習量が物を言う競技かなって。だからアドバイス程度の作戦で充分さ!」
「よっしゃ皆~! 張り切って怪我せず行くで~!」
「おー!」
「あわよくば勝つぞー!」
「おー!」
「ニューヨークに行きたいかー!」
「おー?」
全員が首を傾げています。
尚、私の掛け声が聞こえた先生たちや保護者陣は思わぬワードに、プッと噴き出しています。
生徒たちにはガン滑りですが、笑いを取ることができてよかったです。
特に一番間近で聞いていた九重先生はツボに入ったようです。
早く立ち直ってしっかりとクラスを見守ってください。
火薬の音で競技がスタートします。
この競技では特に順番に関する規定はされていませんので、私と九重先生で考えた布陣を形成しています。
四人ずつでグループになって玉を転がし、一つ目のコーンをくるりと回って二つ目のコーンへ、そのコーンで折り返し戻ってきたら選手交代、これを繰り返す大玉転がしですが、外側の選手が一番負担が大きくなります。
玉の方向転換に一役買うことと、回るときに一番外周を走ること。
この二つに有利な、足が速くて体力のある選手を配置しなければなりません。
そして団体競技で大切なものはズバリ!
士気です!
士気が上がれば勝てない戦だって勝てるんです!
なので一番手のグループには我が軍最強のムードメーカーである湖月ちゃんを採用。
中間ぐらいのグループに愛ちゃん、そして最後のグループに私を配置した、鉄壁の布陣で挑みます。
後は他のクラスがミスしてくれることを祈るばかり。
「おっしゃ~! 一番で帰ってきたで~!」
作戦通りに一発目からかましてくれた湖月ちゃんたち、そこからドンドン続いていって、体力の少ない愛ちゃんも頑張ってくれました。
そうしてトップで返ってきた大玉を私のグループは全力で転がしていきます。
もうこうなれば周りは見えません、ただ全力を出し切るだけです。
しかし最後のコーンを回ってアクシデントが発生!
グループの女の子が躓いてしまいました。
咄嗟の判断で大玉から手を離し、私の腕で支えてあげます。
一秒にも満たない間、私は柔らかな女の子の肌を堪能します。
プニプニやぁ。
そして女の子を立たせて、皆で走りぬけます。
さぁ、どうだ!?
「……一位、千佳ちゃんクラス。おめでとう」
「やったー!!」
「よ~やったで~!」
「わーい!」
全員で手を取り合って、ぴょんぴょんと跳ねます。
普段は大人しい子も、大声を上げて喜ぶほどです。
私も湖月ちゃんとハイタッチして、愛ちゃんに抱きついていると先程転けそうになった女の子が私の元へやってきました。
「あ、あの! 諸弓さん、ありがとう!」
「どういたしましてだよ! 怪我はない?」
「は、はい!」
「良かった」
この時、きっとこの子は恋に落ちるのでしょう。
そうそれは、許されない禁断のあいぃぃっ!?
「いった!? 何? 何が起こったの!?」
「むぅ」
振り向くと腕を組んでほっぺを膨らませた愛ちゃんが、ジト目でこちらを見ていました。
「あ、愛ちゃん? いや、これは、その」
「ふんっだ」
「あ、愛ちゃああああん!!」
愛ちゃんはプイッと振り向き、私から離れていきます。
足取り強く地面を叩き、肩を震わせる愛ちゃんは、私の目には般若が取り憑いているように見えました。
こ、怖い。
「あ、あの? 諸弓さん、大丈夫?」
私が顔全体に冷や汗を掻いていると、心配そうに女の子がこちらを覗いてきます。
くっ、可愛い!
「だ、大丈夫だよ! だから心配しな、ちょっ、待って行かないで愛ちゃん!!」
「もう知らないっ!」
「諸弓さん、あの、お話が!」
「ちょ、ちょっ、ちょいタンマぁ!?」
私、運動会で修羅場に陥る。
尚、お父さんがニヤニヤ笑いながらカメラを向けている模様。
九重先生、何故かキラキラした目でこちらを観察している。
湖月ちゃん、腹を抱えてこちらを指差して笑っている。
莉里ちゃん、何故か私の修羅場を実況し始める。
一年生陣、わ、私に目を合わせようと、し、してくれない。
「ご、ごめんなさいいいいいいい!!」
その後、湖月ちゃんに連れ戻されるまで、私は女子トイレに逃げ込むことになりましたとさ。
あれ? 今日の私黒歴史作りすぎじゃない?
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