TSカリスマライフ! ―カリスマスキルを貰ったので、新しい私は好きに生きることにする。―
莉里ちゃんは最高の相方
夏の暑さも徐々に過ぎ去り、秋の涼しい風が入り込みだす今日この頃。
私、諸弓千佳はグラウンドに降り立ちました。
「ほら愛ちゃん! そんなんじゃ世界目指せないよ!」
「ひぃ、ひぃ、めざ、目指してないよぉ」
「ちゃんと腕振って! ファイトだよ!」
「も、もう、はぁはぁ、だめぇ……」
「もうすぐゴールだから! 頑張って! ゴールできたらナデナデしてあげるから!」
「頑張る!」
「まだ元気やないかい!」
「おお、千佳ちゃん。ええノリツッコミしとるなぁ」
放課後のグラウンドは様々な学年の生徒たちが遊んでいます。
そんな中私たちは、急務となった愛ちゃんの体力作りを始めました。
なんと前回の体育で体力の無さを実感した愛ちゃんが、私にトレーニング申し込んできたのです。
さぁ千佳ちゃんブートキャンプの始まりだ!
いいかぁ、腕を意識するんだぁ!
「ご、ごぉーるぅ」
「よくやった愛ちゃん! あんたは偉い!」
「お~い千佳ちゃん、大阪のおばちゃんみたいになっとるで~」
「えへへ、私、がん、ばれた、かな?」
「うん、うん。愛ちゃんは頑張ったよ!」
「じゃあ、もう、休んでも……いい、よね?」
「愛ちゃんそれあかんやつや! 千佳ちゃんも早よ止めて!」
にゅふふと笑っている私を叩いた湖月ちゃんによって止められた後、愛ちゃんは私に撫でられながら水筒のお茶を飲んで休憩しています。
形としては私が体育座りの状態から足を開き、その間に愛ちゃんを同じ向きでパイルダーオン、左手を前から胴体に回して柔らかくて汗ばんだ体を抱きしめ、右手で水道で濡らした頭をタオルで拭きながら撫でています。
汗を掻いても愛ちゃんはいい匂いです、柔軟剤何使ってる?
そして前で立っている湖月ちゃんは、私の満足そうな顔を呆れ顔でこちらを見ています。
「おや、あれ莉里ちゃんちゃうか?」
「え、本当だ」
「こっち向かってきてるね、おーい莉里ちゃーん!」
私が呼ぶと控えめに手を挙げて振りながら、こちらへと歩いてきます。
鞄を持っている為、終わりの会が終わったみたいです。
ですが今日は特に待ち合わせもしていなかったので、莉里ちゃんはどうやって見つけたのでしょうか。
「……普通に、クラスから見えた」
「そりゃそうか。だとするとメグちゃんたちも来るかな?」
「……愛と一緒に図書室行くって」
「そうなんだ、あれ? 図書室だと莉里ちゃんもついていくイメージなんだけど」
「そうだね。莉里ちゃん、千佳ちゃんと一緒で本大好きだし」
「せやなぁ」
「……愛が走ってて、気になった」
「へ? あ、愛が走ってると気になるものなのかな?」
「……走ってるの、珍しい」
「あ、確かにそうかもね」
ここまで体力の無さが露呈しなかったのは、そのせいかもしれません。
愛ちゃんは私と一緒で一歩引いたところから見守るタイプなので、あまり走ることがないようです。
「……何してる?」
「愛ちゃんの体力が少なすぎることが分かってね」
「千佳ちゃんに頼んで、トレーニングしてもらってたの」
「……なるほど」
そう言った莉里ちゃんはおもむろに鞄を置いて、腕を捲くります。
「……私も、やりたい」
「ほえ? 莉里ちゃんも?」
「……体力、無い」
「文学少女って感じやもんな~」
「仲間がいてよかったー」
「いや安心してる場合でもないよ愛ちゃん。んで莉里ちゃん、やるなら厳しくいくよ?」
「……それは、やめてほしい」
「ガッツがもう足りてへん!?」
「じゃあ軽いトレーニングでいこうか」
「……お願い」
「よし、とりあえず体操服に着替えてきて!」
「……」
「……」
「……」
「……」
沈黙が生まれた。
私も愛ちゃんも湖月ちゃんも、莉里ちゃんの発言を待つ。
そして湖月ちゃんは腕をストレッチし始めた。
や、やる気だよあの子は!
「……今日、体育無かった」
「持ってへんのかーい!」
グラウンドに響き渡る、本場のノリツッコミ。
その日から、この学校でツッコミをすることが流行るのですが、湖月ちゃんはそのことについてこうコメントしております。
「素敵やん!」
私、諸弓千佳はグラウンドに降り立ちました。
「ほら愛ちゃん! そんなんじゃ世界目指せないよ!」
「ひぃ、ひぃ、めざ、目指してないよぉ」
「ちゃんと腕振って! ファイトだよ!」
「も、もう、はぁはぁ、だめぇ……」
「もうすぐゴールだから! 頑張って! ゴールできたらナデナデしてあげるから!」
「頑張る!」
「まだ元気やないかい!」
「おお、千佳ちゃん。ええノリツッコミしとるなぁ」
放課後のグラウンドは様々な学年の生徒たちが遊んでいます。
そんな中私たちは、急務となった愛ちゃんの体力作りを始めました。
なんと前回の体育で体力の無さを実感した愛ちゃんが、私にトレーニング申し込んできたのです。
さぁ千佳ちゃんブートキャンプの始まりだ!
いいかぁ、腕を意識するんだぁ!
「ご、ごぉーるぅ」
「よくやった愛ちゃん! あんたは偉い!」
「お~い千佳ちゃん、大阪のおばちゃんみたいになっとるで~」
「えへへ、私、がん、ばれた、かな?」
「うん、うん。愛ちゃんは頑張ったよ!」
「じゃあ、もう、休んでも……いい、よね?」
「愛ちゃんそれあかんやつや! 千佳ちゃんも早よ止めて!」
にゅふふと笑っている私を叩いた湖月ちゃんによって止められた後、愛ちゃんは私に撫でられながら水筒のお茶を飲んで休憩しています。
形としては私が体育座りの状態から足を開き、その間に愛ちゃんを同じ向きでパイルダーオン、左手を前から胴体に回して柔らかくて汗ばんだ体を抱きしめ、右手で水道で濡らした頭をタオルで拭きながら撫でています。
汗を掻いても愛ちゃんはいい匂いです、柔軟剤何使ってる?
そして前で立っている湖月ちゃんは、私の満足そうな顔を呆れ顔でこちらを見ています。
「おや、あれ莉里ちゃんちゃうか?」
「え、本当だ」
「こっち向かってきてるね、おーい莉里ちゃーん!」
私が呼ぶと控えめに手を挙げて振りながら、こちらへと歩いてきます。
鞄を持っている為、終わりの会が終わったみたいです。
ですが今日は特に待ち合わせもしていなかったので、莉里ちゃんはどうやって見つけたのでしょうか。
「……普通に、クラスから見えた」
「そりゃそうか。だとするとメグちゃんたちも来るかな?」
「……愛と一緒に図書室行くって」
「そうなんだ、あれ? 図書室だと莉里ちゃんもついていくイメージなんだけど」
「そうだね。莉里ちゃん、千佳ちゃんと一緒で本大好きだし」
「せやなぁ」
「……愛が走ってて、気になった」
「へ? あ、愛が走ってると気になるものなのかな?」
「……走ってるの、珍しい」
「あ、確かにそうかもね」
ここまで体力の無さが露呈しなかったのは、そのせいかもしれません。
愛ちゃんは私と一緒で一歩引いたところから見守るタイプなので、あまり走ることがないようです。
「……何してる?」
「愛ちゃんの体力が少なすぎることが分かってね」
「千佳ちゃんに頼んで、トレーニングしてもらってたの」
「……なるほど」
そう言った莉里ちゃんはおもむろに鞄を置いて、腕を捲くります。
「……私も、やりたい」
「ほえ? 莉里ちゃんも?」
「……体力、無い」
「文学少女って感じやもんな~」
「仲間がいてよかったー」
「いや安心してる場合でもないよ愛ちゃん。んで莉里ちゃん、やるなら厳しくいくよ?」
「……それは、やめてほしい」
「ガッツがもう足りてへん!?」
「じゃあ軽いトレーニングでいこうか」
「……お願い」
「よし、とりあえず体操服に着替えてきて!」
「……」
「……」
「……」
「……」
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私も愛ちゃんも湖月ちゃんも、莉里ちゃんの発言を待つ。
そして湖月ちゃんは腕をストレッチし始めた。
や、やる気だよあの子は!
「……今日、体育無かった」
「持ってへんのかーい!」
グラウンドに響き渡る、本場のノリツッコミ。
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コメント
フラン
面白くて何回も見直してます(五週目)
じゃあ、もう、休んでも(ゴールしても)いい、よね?w