TSカリスマライフ! ―カリスマスキルを貰ったので、新しい私は好きに生きることにする。―
花ちゃんと涙とおんぶ
体育の授業というものは出来る限りの配慮を持って行われる。
しかし、どんなに注意を払っていても怪我というものは起こる。
そう、こんな風に。
「いたっ!」
「花ちゃん!」
「花っ!? 大丈夫ですか!」
一年生の授業中、花ちゃんはグラウンドでこけてしまいました。
膝に擦り傷を負った花ちゃんは、痛みと驚きで大泣きし始めます。
メグちゃんも桃ちゃんもこれにはまいった。
いつも何かあったときには私が対処していたので、突然の出来事に二人も涙目になってしまいます。
そしてこれを授業中の窓から見ていた私は。
「先生ッ! 一身上の都合、いやお腹痛いのでトイレ行きます! ではっ!」
「ほえ!? ち、千佳ちゃん!?」
変な声を上げた九重先生を置いて、私は全力で走ります。
階段を降り昇降口を上履きのまま通り抜け、最速で駆けつけます。
三人が泣いている所は既にメグちゃんたちのクラスメイトが囲んでおり、三人の傍では担任の先生が宥めている。
どうやら保健室に行こうという話をしているらしい。
「花ちゃん! メグちゃん! 桃ちゃん! 大丈夫!?」
突然現れた私に吃驚している皆は一先ず置き、私は三人の無事を確認する。
教室から見ていた範囲では花ちゃんだけがこけたようだったが、もしかするとメグちゃんと桃ちゃんも何か怪我をしているかもしれないからね。
「ねぇねぇぇぇ!」
「お姉ぢゃぁぁぁぁぁん!!」
「千佳姉さぁん!」
私に気付いた三人に抱きつかれました。
ちょっと甘やかしすぎな気もしますが、お姉ちゃん離れをされるとショック死する可能性もあるので、私の覚悟が決まるまでは甘やかそうと思う。
「はいはい大丈夫だからね。お姉ちゃんが来ましたよー」
「ねぇねー、痛いよぉ」
「そうだね。一緒に保健室行こうね? 消毒しないとバイ菌が入って体壊しちゃうから」
「うん、わかったー」
「花ちゃんはいい子だね、メグちゃんと桃ちゃんは大丈夫?」
「お姉ちゃん、うん。私は何ともないよ」
「ち、千佳先輩。すみません、私がしっかりしてないといけないのに」
「よかった、メグちゃん。桃ちゃんに責任は無いから、気負わなくても大丈夫だよ」
「ありがとうお姉ちゃん」
「ありがとうございます、千佳先輩」
「よし、それじゃあ行こうか花ちゃん。私が保健室まで連れて行きますので、先生は授業の続きをお願いします」
私の言葉に頷いてくれた先生はすぐに生徒たちを取りまとめる。
メグちゃんと桃ちゃんにも授業に戻るように言って、私は桃ちゃんをおんぶした。
本当はお姫様抱っこで運びたいんだけど……体格にそこまで差が無いからね。仕方ない。
「えへ」
「どうしたの花ちゃん? 痛い?」
「ううん。痛いけど、平気だよ」
「そう。偉いね」
「怪我は痛いけど、お姉ちゃんにおんぶしてもらえて嬉しい!」
「そっか、そりゃおんぶ冥利に尽きるね」
「えへへーねぇねの体暖かいね」
「そうかな? 花ちゃんも暖かいよ」
「ううん、ねぇねは心が暖かいの」
「中々難しい言葉を知ってるね」
「ねぇねみたいになるために勉強してるの!」
「それは嬉しいねー、私も頑張らないとね!」
「そういえばお姉ちゃん。授業中じゃないの?」
「……まぁ、なんとかします」
その後保健室に花ちゃんを送り届け、一緒に居てと上目遣いでおねだりする花ちゃんと断腸の思いで別れ、教室へと帰った私に待っていたのは。
「千佳ぢゃぁん! 授業はぢゃんど受けでくだだい!」
「うわぁごめんなさい!! 先生泣かないで!」
花ちゃんたちに負けず劣らずの涙目で怒る九重先生と、九十度のお辞儀で謝る私がいました。
どうやら私が有無を言わさずに授業を抜けたので、授業が面白くなかったのではと泣いてしまったらしい。
それをクラス全員で宥めていたそうなので、後で皆にも謝らないとね。
「アホやな~」
「しっ、そんなこと言っちゃ駄目だよ」
そして湖月ちゃんたちクラスメイトに姉馬鹿と言われてしまうのでした。
しかし、どんなに注意を払っていても怪我というものは起こる。
そう、こんな風に。
「いたっ!」
「花ちゃん!」
「花っ!? 大丈夫ですか!」
一年生の授業中、花ちゃんはグラウンドでこけてしまいました。
膝に擦り傷を負った花ちゃんは、痛みと驚きで大泣きし始めます。
メグちゃんも桃ちゃんもこれにはまいった。
いつも何かあったときには私が対処していたので、突然の出来事に二人も涙目になってしまいます。
そしてこれを授業中の窓から見ていた私は。
「先生ッ! 一身上の都合、いやお腹痛いのでトイレ行きます! ではっ!」
「ほえ!? ち、千佳ちゃん!?」
変な声を上げた九重先生を置いて、私は全力で走ります。
階段を降り昇降口を上履きのまま通り抜け、最速で駆けつけます。
三人が泣いている所は既にメグちゃんたちのクラスメイトが囲んでおり、三人の傍では担任の先生が宥めている。
どうやら保健室に行こうという話をしているらしい。
「花ちゃん! メグちゃん! 桃ちゃん! 大丈夫!?」
突然現れた私に吃驚している皆は一先ず置き、私は三人の無事を確認する。
教室から見ていた範囲では花ちゃんだけがこけたようだったが、もしかするとメグちゃんと桃ちゃんも何か怪我をしているかもしれないからね。
「ねぇねぇぇぇ!」
「お姉ぢゃぁぁぁぁぁん!!」
「千佳姉さぁん!」
私に気付いた三人に抱きつかれました。
ちょっと甘やかしすぎな気もしますが、お姉ちゃん離れをされるとショック死する可能性もあるので、私の覚悟が決まるまでは甘やかそうと思う。
「はいはい大丈夫だからね。お姉ちゃんが来ましたよー」
「ねぇねー、痛いよぉ」
「そうだね。一緒に保健室行こうね? 消毒しないとバイ菌が入って体壊しちゃうから」
「うん、わかったー」
「花ちゃんはいい子だね、メグちゃんと桃ちゃんは大丈夫?」
「お姉ちゃん、うん。私は何ともないよ」
「ち、千佳先輩。すみません、私がしっかりしてないといけないのに」
「よかった、メグちゃん。桃ちゃんに責任は無いから、気負わなくても大丈夫だよ」
「ありがとうお姉ちゃん」
「ありがとうございます、千佳先輩」
「よし、それじゃあ行こうか花ちゃん。私が保健室まで連れて行きますので、先生は授業の続きをお願いします」
私の言葉に頷いてくれた先生はすぐに生徒たちを取りまとめる。
メグちゃんと桃ちゃんにも授業に戻るように言って、私は桃ちゃんをおんぶした。
本当はお姫様抱っこで運びたいんだけど……体格にそこまで差が無いからね。仕方ない。
「えへ」
「どうしたの花ちゃん? 痛い?」
「ううん。痛いけど、平気だよ」
「そう。偉いね」
「怪我は痛いけど、お姉ちゃんにおんぶしてもらえて嬉しい!」
「そっか、そりゃおんぶ冥利に尽きるね」
「えへへーねぇねの体暖かいね」
「そうかな? 花ちゃんも暖かいよ」
「ううん、ねぇねは心が暖かいの」
「中々難しい言葉を知ってるね」
「ねぇねみたいになるために勉強してるの!」
「それは嬉しいねー、私も頑張らないとね!」
「そういえばお姉ちゃん。授業中じゃないの?」
「……まぁ、なんとかします」
その後保健室に花ちゃんを送り届け、一緒に居てと上目遣いでおねだりする花ちゃんと断腸の思いで別れ、教室へと帰った私に待っていたのは。
「千佳ぢゃぁん! 授業はぢゃんど受けでくだだい!」
「うわぁごめんなさい!! 先生泣かないで!」
花ちゃんたちに負けず劣らずの涙目で怒る九重先生と、九十度のお辞儀で謝る私がいました。
どうやら私が有無を言わさずに授業を抜けたので、授業が面白くなかったのではと泣いてしまったらしい。
それをクラス全員で宥めていたそうなので、後で皆にも謝らないとね。
「アホやな~」
「しっ、そんなこと言っちゃ駄目だよ」
そして湖月ちゃんたちクラスメイトに姉馬鹿と言われてしまうのでした。
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