TSカリスマライフ! ―カリスマスキルを貰ったので、新しい私は好きに生きることにする。―
花ちゃんと二人の休日
遠足が終わって次の休日。
私はソファの上でだらけていました。
何処かのタマゴのマスコットキャラ並みに、溶けるようにソファに沈み込んでぼーっとしていると、リビングにある掃き出し窓が開いた。
「ねぇねー遊ぼ?」
窓から入ってきたのは花ちゃん。
どうやら暇なご様子で、庭を通って私の家まで遊びに来たようです。
「うん、いいけど何するの?」
「何でも!」
「何でもかー何しようかなー」
「なにしよーかなー?」
「あーそれじゃあテレビゲームでもする?」
「うん、やる!」
「それじゃあまず飲み物取ってくるから、いつものゲームソフト入ってる棚からやりたいゲーム取っておいで」
「あーい!」
だらけた体勢から立ち上がって、キッチンで麦茶の入ったポットとコップを持って再びリビングへ。
花ちゃんはソフトをテーブルに二、三本並べた状態で顎に手を当てて首を傾げるという、とても分かりやすく困っていた。
「お待たせ」
「ねぇねありがとー! うーん」
「どれにするか迷ってるの?」
「うん」
「それじゃあ時間はたっぷりあるし、一個ずつやっていこうか」
「そうするっ!」
花ちゃんは一つのソフトを手に取ってゲーム機に装填する。
あぁ、きっとこの中で一番やりたかったゲームはそれなんだね。
花ちゃんは好きなものを真っ先に食べるタイプだし。
メグちゃんは最後に取っておく派で、私もどっちかというと最後に食べる派だからね。
メグちゃんと花ちゃんは似てるけど、色々と違うところがあるから面白い。
これからも見つけていきたい所存。
「ねぇねーはい!」
「ありがと。あれ? コントローラー一つだけ?」
「このゲームはねー、一人用なの!」
「そうだったっけ? じゃあ花ちゃんやっていいよ」
「駄目! 花がねぇねのゲームしてるとこ見たいのー!」
「そっかー、それじゃあしょうがないね」
「しょうがないの!」
「じゃあ頑張りますか」
花ちゃんが選んだゲームは横スクロールのアクションゲームだった。
栗を踏んだり、甲羅を投げたりするあれ。
意外と難しいんだよなぁと思いながらゲームをスタートする。
「よし、まずは操作になれないとね」
「ねぇね頑張れー!」
「よーし花ちゃんが応援してくれるだけでお姉ちゃん元気百倍だよ!」
天使の応援でテンションゲージの高まりを感じながらも、私は着々とステージをクリアしていく。
そしてやっている途中で思い出す。
あれ、これ四人までプレイ出来なかったか、と。
「花ちゃん、これ一緒に出来るよね?」
「できるよ?」
「いや、さっき一人用って」
「言ってないの!」
「いや」
「言ってないの!」
「でも」
「言ってないの! それに、花はねぇねのゲームしてるとこ見るの好き!」
「そ、そっかーそれじゃあしょうがないなー?」
「うん!」
何だかよく分からない内に丸め込まれてしまった。
でも花ちゃんが私のゲーマー姿を好きと言ってくれているのなら、もう毎日ゲームセンター行くくらいの気概でいよう。
行かないけど。
「よっと、うわーここ難しそう」
「るんるんっ」
「危なっ!? こんの亀さんめ」
「ふふっ」
「よしよしいい感じだぞ、ここでミスしないようにしないとね」
「えへへ」
「……あの、花ちゃん? ゲーム見ないの?」
私がゲームを始めてから花ちゃんはテレビ画面を一切見ず、ずーっと私を見てニコニコしていた。
というか笑い声が漏れ出ていた。
ゲームプレイを見るのが好きなのではなく、ゲームをやっている私自身が好きだったらしい。
そ、そこまでジッと見られると緊張するなぁ。
「ねぇ、一緒にやらない?」
「えー」
「一緒にやった方が楽しいよ?」
「ねぇねを見てるだけで楽しいよ?」
「……さいですか」
この日、花ちゃんがゲームをすることは無かった。
そして私は謎の緊張で、いつもは落ちることのない穴へと赤い帽子を被った操作キャラが落ちていくのでした。
私はソファの上でだらけていました。
何処かのタマゴのマスコットキャラ並みに、溶けるようにソファに沈み込んでぼーっとしていると、リビングにある掃き出し窓が開いた。
「ねぇねー遊ぼ?」
窓から入ってきたのは花ちゃん。
どうやら暇なご様子で、庭を通って私の家まで遊びに来たようです。
「うん、いいけど何するの?」
「何でも!」
「何でもかー何しようかなー」
「なにしよーかなー?」
「あーそれじゃあテレビゲームでもする?」
「うん、やる!」
「それじゃあまず飲み物取ってくるから、いつものゲームソフト入ってる棚からやりたいゲーム取っておいで」
「あーい!」
だらけた体勢から立ち上がって、キッチンで麦茶の入ったポットとコップを持って再びリビングへ。
花ちゃんはソフトをテーブルに二、三本並べた状態で顎に手を当てて首を傾げるという、とても分かりやすく困っていた。
「お待たせ」
「ねぇねありがとー! うーん」
「どれにするか迷ってるの?」
「うん」
「それじゃあ時間はたっぷりあるし、一個ずつやっていこうか」
「そうするっ!」
花ちゃんは一つのソフトを手に取ってゲーム機に装填する。
あぁ、きっとこの中で一番やりたかったゲームはそれなんだね。
花ちゃんは好きなものを真っ先に食べるタイプだし。
メグちゃんは最後に取っておく派で、私もどっちかというと最後に食べる派だからね。
メグちゃんと花ちゃんは似てるけど、色々と違うところがあるから面白い。
これからも見つけていきたい所存。
「ねぇねーはい!」
「ありがと。あれ? コントローラー一つだけ?」
「このゲームはねー、一人用なの!」
「そうだったっけ? じゃあ花ちゃんやっていいよ」
「駄目! 花がねぇねのゲームしてるとこ見たいのー!」
「そっかー、それじゃあしょうがないね」
「しょうがないの!」
「じゃあ頑張りますか」
花ちゃんが選んだゲームは横スクロールのアクションゲームだった。
栗を踏んだり、甲羅を投げたりするあれ。
意外と難しいんだよなぁと思いながらゲームをスタートする。
「よし、まずは操作になれないとね」
「ねぇね頑張れー!」
「よーし花ちゃんが応援してくれるだけでお姉ちゃん元気百倍だよ!」
天使の応援でテンションゲージの高まりを感じながらも、私は着々とステージをクリアしていく。
そしてやっている途中で思い出す。
あれ、これ四人までプレイ出来なかったか、と。
「花ちゃん、これ一緒に出来るよね?」
「できるよ?」
「いや、さっき一人用って」
「言ってないの!」
「いや」
「言ってないの!」
「でも」
「言ってないの! それに、花はねぇねのゲームしてるとこ見るの好き!」
「そ、そっかーそれじゃあしょうがないなー?」
「うん!」
何だかよく分からない内に丸め込まれてしまった。
でも花ちゃんが私のゲーマー姿を好きと言ってくれているのなら、もう毎日ゲームセンター行くくらいの気概でいよう。
行かないけど。
「よっと、うわーここ難しそう」
「るんるんっ」
「危なっ!? こんの亀さんめ」
「ふふっ」
「よしよしいい感じだぞ、ここでミスしないようにしないとね」
「えへへ」
「……あの、花ちゃん? ゲーム見ないの?」
私がゲームを始めてから花ちゃんはテレビ画面を一切見ず、ずーっと私を見てニコニコしていた。
というか笑い声が漏れ出ていた。
ゲームプレイを見るのが好きなのではなく、ゲームをやっている私自身が好きだったらしい。
そ、そこまでジッと見られると緊張するなぁ。
「ねぇ、一緒にやらない?」
「えー」
「一緒にやった方が楽しいよ?」
「ねぇねを見てるだけで楽しいよ?」
「……さいですか」
この日、花ちゃんがゲームをすることは無かった。
そして私は謎の緊張で、いつもは落ちることのない穴へと赤い帽子を被った操作キャラが落ちていくのでした。
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