中二病の異世界生活 ~魔族に崇拝されてます~

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どうやらドラゴンと遭遇したらしい

 草原を駆け抜ける漆黒の馬、カタトロフ。それに乗るのは、中二病を超えた中二病、ドグマ。

「うむ、やはりカタトロフは何より速い。此度の世界も頼んだぞ」

「ブロロウ」

 もはや地球人ではないような。此度の世界とは、今までどんな世界を歩んできたのだろうか。……気にしたら負けか。

 そんなドグマの、魔法とは違う特殊な力は凄まじい。たが、それによって生み出されたカタトロフも強力だ。

「この世界は雑種の巣窟か」

 例えば今ドグマが雑種の巣窟と表現したように、定期的にゴブリンが出現している。しかし、それらのゴブリンは声を発する間もなくカタトロフに踏み潰されていた。

 だが、この世界にはゴブリンしかいない訳ではない。

「む、影か。この影の形は……まさかっ」

 ドグマの上、遥か上空を太陽を遮るように飛び去ったその影。巨大な体躯に筋肉質な脚と異様に長い尻尾を携え、空を多い尽くすような翼をはためかせ飛び去るその後ろ姿。

「まさか、暗黒竜ジークヴルム……!」

 決してジークヴルムではないが、黒色の鱗を煌めかせる暗黒色のドラゴンがいた。

「カタトロフ、奴を追え!」

「ヴォッフォウ!」

 どうやらドグマは、生態系の頂点であるドラゴンを追いかけるようだ。

「早く止めねば、世界が滅びる……ッ!」

 このドラゴンを放置したところで世界は滅びない。どうやらドグマの頭の中ではまず間違いなくジークヴルムであるようだ。

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