最強のFラン冒険者
宇宙空域前哨作戦
 ノーチラスがワームホールを介して航行を開始してからすでに20時間が経過しており、順調に太陽圏に近づいている。
その代わり、私達の神威の鍛錬も順調とは言えないまでも鍛錬は続いていた。
「もう時間がありませんので、今までは私が基本ベースとなって神衣を行っていましたけど、これからは皆様一人一人を基本ベースとして神衣を行って行きたいと思います」
同時に起動する神衣である神威は現状だと一度も成功していない。
だからこそ、基本の神衣を一人づつ行うことで感覚を掴んでもらう事にする。
「クラウス様からまずいいですか?」
私はクラウス様に手を差し伸べると彼は私の手を取る。
「「神霊融合!」」
言霊と同時に周囲に風が舞い上がっていくと同時に私とクラウス様の感覚が研ぎ澄まされていく。
それに伴い周辺の空間の時が停止する。
私の全てがクラウス様の中に溶けていく感じがとても心地いい。
それに伴い、私は自身の体を彼の中に浸透させていき彼の体を補佐する力を形成していく。
それは彼自身を補佐する物であり彼の器足りえるもの。
蒼穹の色をした弓が生成されていき、彼の手には弓が形成される。
それと同時にクラウス様が薄っすらと蒼穹の気で包まれた。
(どうやら成功したようですね)
「なるほど、これが神衣か?今まで見てきた景色とはまったく別物だな。それに肉体の隅々までもが感知することが出来る」
(それはよかったです。それでは解除と発してください)
「神衣解除」
クラウス様の言葉と同時に神衣が解除される。
私は皆に視線を向けて神衣のレクチャーをする。
クラウス様とは、夜に何度も体を重ねてるから何となく神衣が出来るのは感覚的に分かってたけど他の人はどうかはまだ分からない。
同時並列の神衣は、まず一人一人の神衣を完璧に仕上げてから行うことにした。
――――――
―――
―――太陽系内到着まであと1時間です。作戦概要を説明いたしますので至急、ブリッジまで集まってください。
艦内放送が流れた事で私達は、最後にようやく出来るようになったエメラスとの神衣を解除する。
「ティア、これで出来る?」
(分からないわ。神衣が個別で出来るようになったのはいいけど、問題は彼らに膨大な演算を支えきれるだけの精神力があるかどうかだから。これは実際、試用してみないと何とも言えないわね)
「でも、出来ないとは言わないんだね?」
(当たり前よ。可能性があるのに出来ないなんて失礼でしょう?)
私は、自身の中に眠るティアと神衣化したまま話を続けていた。
ティアとの神衣を維持したまま他の人との神衣は特に問題が起こることもなく正常に行うことが出来ている。
私は、ティアと神衣化を解除する。
すると今まで蒼穹に変質していた髪と瞳の色が元の黒色に戻った。
すぐにブリッジに移動するとすでに私を含めた神衣契約をしたメンバーは全員集まっており私がブリッジに到着すると同時に頭上のモニター画面に戦略作戦図が表示された。
―――現在、太陽系まで13000光年の位置にいる。ここからは1時間後に存在するブラックホールを使い火星と木星の間に次元移動を行う。
そこからは通常、亜光速航行を行い敵の目をノーチラスで引きながら相手の拠点を探し出し強襲する作戦となる。
神代時代の兵器では、上位次元にその存在力を多く置く生体兵器には致命的ダメージを与える事は極めて困難だ。
おそらく敵はこちらを侮って来ると予想される。
そこでこちらは、それを逆手にとり敵陣中央を突破しつつ敵の主力を引き付けると同時に、別働隊である神威化したメンバーによる敵本拠地殲滅作戦を取る事とする。
そこで唐突にブリッジ内の証明が青から赤に切り替わり、座席に座っていた男がこちらへ視線を向けて報告を上げてきた。
「姉御!センサーに反応が!」
ブリッジ内にいる男がエメラスに向けて報告すると先ほどまでの戦略作戦図が消え別の画面が表示される。そこには数え切れない程の生体兵器が宇宙空間に浮かんでいるのが見える。
「数、1000万!大部隊ですぜ!」
男の声がブリッジ内に響き渡る。
(ユウティーシア)
神衣化してないのにティアの声が私の頭の中に響く。
「どうしたんですか?」
(やっかいなのがいるわ。戦力で言えば通常の神衣と同格の力を持っていると思う)
「……それは、今から航路を変更して地球に向かう事は不可能なのですか?」
―――それは難しい。航路を変更してしまえば移動を繰り返すワームホールの利用が出来なくなり時間に間に合わなくなる。
おそらく、私達が来る事を予想してると言うよりも邪魔が入らないように事前策として太陽系内に入らせないように防備を強いているのだろう。
「つまり、こちらの作戦が漏れてる可能性は……」
―――低いと思われる。おそらく消滅した輪廻の神エンハスを相手どる為に大部隊を置いたのだろうが、これは予想外だな。
「いや……これは逆に都合がいいな」
クラウス様が頭上のモニターを見ながら言葉を発した。
「おそらく相手は、私達が攻めてくるとは考えていないはずだ。神を相手に戦おうとしたからこそ大部隊をここに配置し邪魔をしようとしたのだろう。ならここの部隊を叩けば相手にとってかなりの打撃になるはずだ。それに……新しい神威を使う良い機会にもなる」
「なるほどね。お前たち、戦闘継続時間はどのくらいあるんだい?」
「戦闘可能時間は10分程。それ以上はワームホールの形が崩れ別の場所へ次元移動する可能性があると出てます」
エメラスの言葉に男がすかさず答えていたけど……。
私はひとつ気になっていた事を口にした。
「宇宙空間で生身で戦っても死なないんですか?」
私はごく普通に不思議に思った事を口にしたけど、誰も私の言った事を理解してくれなかった。
その代わり、私達の神威の鍛錬も順調とは言えないまでも鍛錬は続いていた。
「もう時間がありませんので、今までは私が基本ベースとなって神衣を行っていましたけど、これからは皆様一人一人を基本ベースとして神衣を行って行きたいと思います」
同時に起動する神衣である神威は現状だと一度も成功していない。
だからこそ、基本の神衣を一人づつ行うことで感覚を掴んでもらう事にする。
「クラウス様からまずいいですか?」
私はクラウス様に手を差し伸べると彼は私の手を取る。
「「神霊融合!」」
言霊と同時に周囲に風が舞い上がっていくと同時に私とクラウス様の感覚が研ぎ澄まされていく。
それに伴い周辺の空間の時が停止する。
私の全てがクラウス様の中に溶けていく感じがとても心地いい。
それに伴い、私は自身の体を彼の中に浸透させていき彼の体を補佐する力を形成していく。
それは彼自身を補佐する物であり彼の器足りえるもの。
蒼穹の色をした弓が生成されていき、彼の手には弓が形成される。
それと同時にクラウス様が薄っすらと蒼穹の気で包まれた。
(どうやら成功したようですね)
「なるほど、これが神衣か?今まで見てきた景色とはまったく別物だな。それに肉体の隅々までもが感知することが出来る」
(それはよかったです。それでは解除と発してください)
「神衣解除」
クラウス様の言葉と同時に神衣が解除される。
私は皆に視線を向けて神衣のレクチャーをする。
クラウス様とは、夜に何度も体を重ねてるから何となく神衣が出来るのは感覚的に分かってたけど他の人はどうかはまだ分からない。
同時並列の神衣は、まず一人一人の神衣を完璧に仕上げてから行うことにした。
――――――
―――
―――太陽系内到着まであと1時間です。作戦概要を説明いたしますので至急、ブリッジまで集まってください。
艦内放送が流れた事で私達は、最後にようやく出来るようになったエメラスとの神衣を解除する。
「ティア、これで出来る?」
(分からないわ。神衣が個別で出来るようになったのはいいけど、問題は彼らに膨大な演算を支えきれるだけの精神力があるかどうかだから。これは実際、試用してみないと何とも言えないわね)
「でも、出来ないとは言わないんだね?」
(当たり前よ。可能性があるのに出来ないなんて失礼でしょう?)
私は、自身の中に眠るティアと神衣化したまま話を続けていた。
ティアとの神衣を維持したまま他の人との神衣は特に問題が起こることもなく正常に行うことが出来ている。
私は、ティアと神衣化を解除する。
すると今まで蒼穹に変質していた髪と瞳の色が元の黒色に戻った。
すぐにブリッジに移動するとすでに私を含めた神衣契約をしたメンバーは全員集まっており私がブリッジに到着すると同時に頭上のモニター画面に戦略作戦図が表示された。
―――現在、太陽系まで13000光年の位置にいる。ここからは1時間後に存在するブラックホールを使い火星と木星の間に次元移動を行う。
そこからは通常、亜光速航行を行い敵の目をノーチラスで引きながら相手の拠点を探し出し強襲する作戦となる。
神代時代の兵器では、上位次元にその存在力を多く置く生体兵器には致命的ダメージを与える事は極めて困難だ。
おそらく敵はこちらを侮って来ると予想される。
そこでこちらは、それを逆手にとり敵陣中央を突破しつつ敵の主力を引き付けると同時に、別働隊である神威化したメンバーによる敵本拠地殲滅作戦を取る事とする。
そこで唐突にブリッジ内の証明が青から赤に切り替わり、座席に座っていた男がこちらへ視線を向けて報告を上げてきた。
「姉御!センサーに反応が!」
ブリッジ内にいる男がエメラスに向けて報告すると先ほどまでの戦略作戦図が消え別の画面が表示される。そこには数え切れない程の生体兵器が宇宙空間に浮かんでいるのが見える。
「数、1000万!大部隊ですぜ!」
男の声がブリッジ内に響き渡る。
(ユウティーシア)
神衣化してないのにティアの声が私の頭の中に響く。
「どうしたんですか?」
(やっかいなのがいるわ。戦力で言えば通常の神衣と同格の力を持っていると思う)
「……それは、今から航路を変更して地球に向かう事は不可能なのですか?」
―――それは難しい。航路を変更してしまえば移動を繰り返すワームホールの利用が出来なくなり時間に間に合わなくなる。
おそらく、私達が来る事を予想してると言うよりも邪魔が入らないように事前策として太陽系内に入らせないように防備を強いているのだろう。
「つまり、こちらの作戦が漏れてる可能性は……」
―――低いと思われる。おそらく消滅した輪廻の神エンハスを相手どる為に大部隊を置いたのだろうが、これは予想外だな。
「いや……これは逆に都合がいいな」
クラウス様が頭上のモニターを見ながら言葉を発した。
「おそらく相手は、私達が攻めてくるとは考えていないはずだ。神を相手に戦おうとしたからこそ大部隊をここに配置し邪魔をしようとしたのだろう。ならここの部隊を叩けば相手にとってかなりの打撃になるはずだ。それに……新しい神威を使う良い機会にもなる」
「なるほどね。お前たち、戦闘継続時間はどのくらいあるんだい?」
「戦闘可能時間は10分程。それ以上はワームホールの形が崩れ別の場所へ次元移動する可能性があると出てます」
エメラスの言葉に男がすかさず答えていたけど……。
私はひとつ気になっていた事を口にした。
「宇宙空間で生身で戦っても死なないんですか?」
私はごく普通に不思議に思った事を口にしたけど、誰も私の言った事を理解してくれなかった。
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