最強のFラン冒険者
神風の神衣契約
どこまでも意識が沈みこんでいく中で私はようやく目を覚ました。
そこはどこまでも青空が続く世界で周囲には大地の影すら見ることが出来ない。
空の中、落下に身を任せていると唐突に世界に波紋が広がっていく。
そして目の前には、青い瞳と青い髪をした私そっくりの少女が出現した。
「ひさしぶりね、ユウティーシア・フォン・シュトロハイム。貴女の決意、行動の全ては見させてもらったわ。誰かに頼らないと決断できない所は駄目な所だけど……ふふっ、ご祝儀で力を貸してあげるわ」
「―――今、なんで笑ったんですか!?」
「別に何でもないわよ?」
私は顔を真っ赤にして俯く。
「さて、私は貴女が本来持っているはずの魔法属性を司る存在だから貴女が戦う事をきちんと決めたのなら力を貸すのは吝かではないわよ?」
彼女の協力を得られると言う言葉にホッと肩の力を抜く。
そんな私の耳に弦を引き絞る音が聞こえてきた。
「それではレクチャーしましょうか」
彼女はそう言って弦から手を離す。
弦は空気を振動させ私へ向かってくる。
とっさに嫌な感じが体を駆け巡り私は、風を圧縮させた魔術を打ち出す事でその場から移動する。
すると腕に音を立てて折れていく。
「―――ッ!?」
声にならない声を上げて私は空の上を落下していく。
「時間がないのでしょう?なら体に教えた方が力の使い方が分かるでしょう。私の司る力は”風”。全ての万物を従いしすべての王にして全ての深遠なる力の源にして命を生み出す母。それが私の力であり貴女の力でもある。それは目にする事は出来ず感じるのみの物。
貴女が私と契約を……いいえ、貴女が本来もつ力である”風”と契約を交わすのなら貴女は貴女の中に眠る力と対峙しそれに打ち勝ち配下にしなければならない。さあ、見せてみなさい。貴女の力を!」
目を見ただけで分かる。
彼女は私を試そうとしてきている。
己が仕えるに値する主かどうかを。
「わかりました!きなさい、ループオブロッド!」
私は手にリメイラールから譲歩された白銀の杖を召還する。
「そう、もう気がついたのね。ここは貴女の精神世界であり貴女が思うことがここでは起きる。だから本来は物質文明の産物である事象の杖すらこの場で編み出す事が可能。でも貴女に果たしてそれが使いきれるかしら?」
彼女は蒼穹を私に合わせると弦を引いてくる。
私がすぐに肉体の再生を行う。
編むは肉体の構成、組むのは肉体の再生、有無のは全ての結論。
瞬時に肉体は再生される。
それと同時に、彼女は私を見たまま弦を放ってくる。
私は瞬時に重力力場の魔法を展開し防御しようとするが、体中が一瞬で傷だらけになっていく。
「…くっ……これは」
私はその場から離脱する。
攻撃がまったく視認出来ない。
そんな私に彼女は続けて弦を絞り放ってくる。
「防御も避けるのも不可能、なら攻撃しか手は……ない!」
私はグラビディランスを展開し彼女に打ち出す。
グラビディランスは彼女の前で霧散してしまう。
「ふふっ、そんな力の使い方じゃだめよ?風は空間を統べているのだから」
「!?」
気がつけば私の右手が切り落とされていた。
後から強烈な痛みが襲ってくる。
「空間を統べると言う事は空間を自由に切り裂く事が出来ると言う事。ほかの四大元素と光や闇よりも遥かに応用が聞くのよ?」
彼女が話してる間に私は肉体の再生を終える。
「もっと、物事の本質を見ないと私と契約は出来ないわよ?」
「他の人もこんな試練を受けて属性魔術を手に入れてるんですか?」
私はまだ痛みが残ってる右手を押さえながら言葉を紡ぐ。
すると彼女は首を傾げて嬉しそうに言葉を発してきた。
「そんな事あるわけないじゃない。貴女だからこそよ?この世界の人間が使用できる魔術規模なんて高が知れてるでしょう?でも貴女は神代時代の知識を宇宙科学研究所に居た時に学んだのだから、魔術の威力も規模も下手をすれば大惨事を招きかねないわ。だから私が封印してきたの、さて痛みは取れたかしら?」
「……だいたいは」
私は答えを返しながら内心ため息をついていた。
宇宙科学研究所で習ったのは星の成り立ちから宇宙の成り立ち、即ち超爆発までに及ぶ。
もしビックバンが風の属性に含まれているなら……。
「気がついたようね?」
私は彼女の言葉に冷や汗を流す。
誰かな?こんな契約なんて簡単だとか言ってた人。
「さあ、見せてみなさい!」
彼女は蒼穹を弾く。
無数の閃光が煌く。
私はその場で風の魔術を使い離脱するけど間に合わない足先に光が触れると足先が一瞬にして分解する。それを見て私は、益々自分の不利を感づかされる。
「重力崩壊ですか?」
私は足を修復しながら彼女を見据える。
「いいえ、違うわ。ただの事象変換にすぎないわ。簡単に言うとブラックホールかしら?」
洒落にならない。
チートにもほどがある。
私が考えてる間にも彼女は蒼穹を引いて放ってくる。
それらを生活魔法の風の魔術で体を弾き避け続ける。
彼女は空中に停滞していて近づくこともままならない。
「つまらないわね?貴女、本当にやる気があるのかしら?」
彼女は蒼穹を引き私の進路上に向けて放ってくる。
私はそれを避けながら考えるが打開策が見つからない。
よく考える、彼女はさっきなんて言った?ここは私の世界であり私が思う事が現実となる。
たしかそう言ったはずだ。
なら私がする事は……。
私は落下してたままの体を、その場に踏み止めた。
私が空の上で停止した姿を見て彼女は眉を動かした。
「神霊融合!」
一瞬にして私は成人女性に成長し髪と目の色が金色に変化する。
そして手にした神器である弓を引く。
私に向かって蒼穹から放たれた攻撃を私が放った弓の攻撃が粉砕していく。
「神霊融合!」
次に融合した姿は赤い髪に赤い瞳をした姿、巨大な槍を手に持ち彼女に投擲する。
「……くっ!?」
彼女は初めてその場から移動して槍の着弾位置から避けるが……。
「そうは……させない!神霊融合!」
髪の色と瞳の色だけが黒く染まる。腰から抜いた2丁の拳銃から放たれた弾道が彼女が移動する場所へと飛来する。
それぞれの弾丸が彼女の足を貫く。
「神霊融合!」
紫色の髪に手には雷を纏った刀を持つ、そしてそれを横なぎに振る。周囲の空間が切り裂かれ彼女が広後方へ弾き飛ばされる。
「神霊融合!」
光の翼を羽ばたかせ彼女に接近し体勢を崩した彼女の喉元に神器たる杖を突きつけた。
「なるほどね、エンジンがかかるまでは遅いけど……かかるとこれほどまでになるのね。見てきたつもりだったけど、対峙するとよく分かるわ」
「……そ、それでは?」
「ええ、合格よ。風の真理までにはまだまだ到達していないようだけどそれは私が教えましょう。さあ、契約をするのでしょう?手を差し伸べてきて」
私は彼女に手を差し伸べると彼女が私の手をとる。
「私の名前は、風の精霊王にして貴女自身、その名もティア。ここにユウティーシア・フォン・シュトロハイムと契約を結び、この者に理の力を与えん」
ティアの宣誓と共に世界は泡となって消えていき、意識が閉じていく。
気がつけば私は、瞑想の格好をしたままの状態だった。
時計を見ると1分も進んでいない。
皆が神威の練習をしてる姿が見えるだけだった。
ただ、右手の甲には蒼く神風と文字が書き込まれていた。
そこはどこまでも青空が続く世界で周囲には大地の影すら見ることが出来ない。
空の中、落下に身を任せていると唐突に世界に波紋が広がっていく。
そして目の前には、青い瞳と青い髪をした私そっくりの少女が出現した。
「ひさしぶりね、ユウティーシア・フォン・シュトロハイム。貴女の決意、行動の全ては見させてもらったわ。誰かに頼らないと決断できない所は駄目な所だけど……ふふっ、ご祝儀で力を貸してあげるわ」
「―――今、なんで笑ったんですか!?」
「別に何でもないわよ?」
私は顔を真っ赤にして俯く。
「さて、私は貴女が本来持っているはずの魔法属性を司る存在だから貴女が戦う事をきちんと決めたのなら力を貸すのは吝かではないわよ?」
彼女の協力を得られると言う言葉にホッと肩の力を抜く。
そんな私の耳に弦を引き絞る音が聞こえてきた。
「それではレクチャーしましょうか」
彼女はそう言って弦から手を離す。
弦は空気を振動させ私へ向かってくる。
とっさに嫌な感じが体を駆け巡り私は、風を圧縮させた魔術を打ち出す事でその場から移動する。
すると腕に音を立てて折れていく。
「―――ッ!?」
声にならない声を上げて私は空の上を落下していく。
「時間がないのでしょう?なら体に教えた方が力の使い方が分かるでしょう。私の司る力は”風”。全ての万物を従いしすべての王にして全ての深遠なる力の源にして命を生み出す母。それが私の力であり貴女の力でもある。それは目にする事は出来ず感じるのみの物。
貴女が私と契約を……いいえ、貴女が本来もつ力である”風”と契約を交わすのなら貴女は貴女の中に眠る力と対峙しそれに打ち勝ち配下にしなければならない。さあ、見せてみなさい。貴女の力を!」
目を見ただけで分かる。
彼女は私を試そうとしてきている。
己が仕えるに値する主かどうかを。
「わかりました!きなさい、ループオブロッド!」
私は手にリメイラールから譲歩された白銀の杖を召還する。
「そう、もう気がついたのね。ここは貴女の精神世界であり貴女が思うことがここでは起きる。だから本来は物質文明の産物である事象の杖すらこの場で編み出す事が可能。でも貴女に果たしてそれが使いきれるかしら?」
彼女は蒼穹を私に合わせると弦を引いてくる。
私がすぐに肉体の再生を行う。
編むは肉体の構成、組むのは肉体の再生、有無のは全ての結論。
瞬時に肉体は再生される。
それと同時に、彼女は私を見たまま弦を放ってくる。
私は瞬時に重力力場の魔法を展開し防御しようとするが、体中が一瞬で傷だらけになっていく。
「…くっ……これは」
私はその場から離脱する。
攻撃がまったく視認出来ない。
そんな私に彼女は続けて弦を絞り放ってくる。
「防御も避けるのも不可能、なら攻撃しか手は……ない!」
私はグラビディランスを展開し彼女に打ち出す。
グラビディランスは彼女の前で霧散してしまう。
「ふふっ、そんな力の使い方じゃだめよ?風は空間を統べているのだから」
「!?」
気がつけば私の右手が切り落とされていた。
後から強烈な痛みが襲ってくる。
「空間を統べると言う事は空間を自由に切り裂く事が出来ると言う事。ほかの四大元素と光や闇よりも遥かに応用が聞くのよ?」
彼女が話してる間に私は肉体の再生を終える。
「もっと、物事の本質を見ないと私と契約は出来ないわよ?」
「他の人もこんな試練を受けて属性魔術を手に入れてるんですか?」
私はまだ痛みが残ってる右手を押さえながら言葉を紡ぐ。
すると彼女は首を傾げて嬉しそうに言葉を発してきた。
「そんな事あるわけないじゃない。貴女だからこそよ?この世界の人間が使用できる魔術規模なんて高が知れてるでしょう?でも貴女は神代時代の知識を宇宙科学研究所に居た時に学んだのだから、魔術の威力も規模も下手をすれば大惨事を招きかねないわ。だから私が封印してきたの、さて痛みは取れたかしら?」
「……だいたいは」
私は答えを返しながら内心ため息をついていた。
宇宙科学研究所で習ったのは星の成り立ちから宇宙の成り立ち、即ち超爆発までに及ぶ。
もしビックバンが風の属性に含まれているなら……。
「気がついたようね?」
私は彼女の言葉に冷や汗を流す。
誰かな?こんな契約なんて簡単だとか言ってた人。
「さあ、見せてみなさい!」
彼女は蒼穹を弾く。
無数の閃光が煌く。
私はその場で風の魔術を使い離脱するけど間に合わない足先に光が触れると足先が一瞬にして分解する。それを見て私は、益々自分の不利を感づかされる。
「重力崩壊ですか?」
私は足を修復しながら彼女を見据える。
「いいえ、違うわ。ただの事象変換にすぎないわ。簡単に言うとブラックホールかしら?」
洒落にならない。
チートにもほどがある。
私が考えてる間にも彼女は蒼穹を引いて放ってくる。
それらを生活魔法の風の魔術で体を弾き避け続ける。
彼女は空中に停滞していて近づくこともままならない。
「つまらないわね?貴女、本当にやる気があるのかしら?」
彼女は蒼穹を引き私の進路上に向けて放ってくる。
私はそれを避けながら考えるが打開策が見つからない。
よく考える、彼女はさっきなんて言った?ここは私の世界であり私が思う事が現実となる。
たしかそう言ったはずだ。
なら私がする事は……。
私は落下してたままの体を、その場に踏み止めた。
私が空の上で停止した姿を見て彼女は眉を動かした。
「神霊融合!」
一瞬にして私は成人女性に成長し髪と目の色が金色に変化する。
そして手にした神器である弓を引く。
私に向かって蒼穹から放たれた攻撃を私が放った弓の攻撃が粉砕していく。
「神霊融合!」
次に融合した姿は赤い髪に赤い瞳をした姿、巨大な槍を手に持ち彼女に投擲する。
「……くっ!?」
彼女は初めてその場から移動して槍の着弾位置から避けるが……。
「そうは……させない!神霊融合!」
髪の色と瞳の色だけが黒く染まる。腰から抜いた2丁の拳銃から放たれた弾道が彼女が移動する場所へと飛来する。
それぞれの弾丸が彼女の足を貫く。
「神霊融合!」
紫色の髪に手には雷を纏った刀を持つ、そしてそれを横なぎに振る。周囲の空間が切り裂かれ彼女が広後方へ弾き飛ばされる。
「神霊融合!」
光の翼を羽ばたかせ彼女に接近し体勢を崩した彼女の喉元に神器たる杖を突きつけた。
「なるほどね、エンジンがかかるまでは遅いけど……かかるとこれほどまでになるのね。見てきたつもりだったけど、対峙するとよく分かるわ」
「……そ、それでは?」
「ええ、合格よ。風の真理までにはまだまだ到達していないようだけどそれは私が教えましょう。さあ、契約をするのでしょう?手を差し伸べてきて」
私は彼女に手を差し伸べると彼女が私の手をとる。
「私の名前は、風の精霊王にして貴女自身、その名もティア。ここにユウティーシア・フォン・シュトロハイムと契約を結び、この者に理の力を与えん」
ティアの宣誓と共に世界は泡となって消えていき、意識が閉じていく。
気がつけば私は、瞑想の格好をしたままの状態だった。
時計を見ると1分も進んでいない。
皆が神威の練習をしてる姿が見えるだけだった。
ただ、右手の甲には蒼く神風と文字が書き込まれていた。
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