最強のFラン冒険者

なつめ猫

星間航行船ノーチラス

「あれはなんだ?」
 クラウス殿下が空に浮かんでいる100メートルはあろうかと言う飛行船を見て呟いていた。

「あれは、神代時代に作られました星間航行船ノーチラスです」
 アリアがクラウス殿下の言葉に答えを返す。たしかに私の得た知識の中にはノーチラスの知識はない。クラウス殿下が驚くのも無理ないと思う。
 それにしても星間航行とは……つくづく神代文明は自重を知らない文明だと思う。

「実はな、あれが起動したのはユウティーシアが衛星都市ルゼンドの砂漠を緑に変えた時なんだ。それから、これが起動した時に表示された文字なんだが俺達の誰も読めなかったんだ、見てもらえるか?」
 私は、コルクが差し出された羊皮紙を受け取る。そこに書かれていたのは日本語で……。

「ユウティーシア、それは何て書いてあるんだ?」
 コルクが聞いてくるが、私はそれを見て動揺してしまう。でも、まさか……そんな事があるなんて……でも、だからこそクラウス殿下はおかしいと思ったのかも知れない。
 むしろそう考える事で今までの起きてた事が一つの線で繋がった気がする。
 こんなの誰にも言えないし伝えられない。
 でも神衣を使えば否応にも伝わってしまう。
 私は、どうすればいいんだろう……。

「――――――これは操縦方法が書かれた内容です」
 今は、濁しておくしか方法がない。

「そうなのか。お宝の地図とか書かれてると思った」

「それで、ユウティーシア様。すぐに出かけられますか?」
 アリアの言葉に私は頷く。神核エネルギーを手に入れたエンハスの力は強大だ。おそらく魔法帝国ジールの総戦力でも彼女らを止めることは出来ない。
 それに剥き出しになった神核エネルギーはアルファにもすぐ感知される。おそらく天使達も投入されるだろう。すぐに経たないと魔法帝国ジールは大変なことになる。

「クラウス殿下、娘を頼みます」
 お父様が頭を下げてるのを私は始めてみた。

「はい、ユウティーシアは未来の私の妻なのですから無事に送り届けます。その際にはぜひお願いします」
 クラウス殿下が私を妻にする事は諦めていないようだけど、私としては……。

「それでは、今後の事はノーチラスに乗ってお話をする事にしましょう」
 アリアがさっさと話しを切り上げて移動しましょうと提案してきた。
 たしかに、これ以上無為に時間を費やす事は出来ない。
 アリアとコルクは私のお父様に挨拶をして部屋から出ていく。もちろん私もその後を追い部屋から出ようとするとお母様に後ろから抱きしめられた。

「ティア、絶対に最後まで諦めないで生きて帰ってくるのよ?貴女は私の子供なのだから貴女以外に貴女はいないのだから絶対に戻ってくるの」
 お母様の手は震えている。私は自分の手をお母様の腕に添える。

「はい、お母様。ご心配頂きありがとうございます」
 私はお母様の手を解き一礼して部屋から出た。
 公爵邸を出てしばらく歩くと飛行船が見えてくる。やはり大きい。私たちの姿を発見したのか飛行船は高度を下げ貴族街の広場に着陸した。

「ユウティーシア様、クラウス殿下。こちらからです」
 アリアの案内により飛行艇に入るとかなり広い空間であった。実際、外から見るのと違い内部は空間拡張しているのかとても広く作ってある。
 古代遺跡で見た技術も所々使われている。
 そして私たちがいるのはどうやら倉庫のようだ。いくつもの物資が積み込まれていて海の男たちのような格好をした人が一生懸命働いている。

「ユウティーシア、全部をクラウス殿下に話したのか?」
 近づいてきたコルク・ザルトが私に話しかけてくる。それに対して私は頭を振った。
 全部を教えられるわけがない。きちんと取捨選択してお母様にもお父様にも話をしている。全部を話したらきっとお父様もお母様も倒れてしまうと思う。
 それに、私が消滅する事はアリアやコルクにも説明はしていない。でも神衣をすれば伝わるから今はその事を言う必要はないだろう。

「それにしても、これだけの船をずっと教会は封印指定して持っていたんですか?」
 私は全長100メートル、高さ6メートル近い飛行船を想像しながらコルクに尋ねると

「そんな事あるわけがないだろ?これは元々、海賊が海洋航海のための船として使っていたのを拿捕したものなんだ。だから船としては使われていたんだ」
 なるほど、空を飛ぶ機能が起動したのはつい最近だったけど海の上での航海では普通に使っていたと?神代時代の船を航海で使うとかまた信じられない人たちだと思うけど、そのおかげでこうして望みが繋がったのだから良しとしよう。

「それで操縦とか管理は教会がしてらっしゃるのですか?」

「いいや、その海賊共にやらせてる。教会がある程度の地位を約束したらコロッと何でもしますと言ってきたからな。彼らの話によるとこの船は、彼らが海に投げ出されたあと漂って到着した島にあったらしい。そして彼らは自分たちが追い出される原因を作った人間に復讐をするために金品を強奪して力を蓄えてたようだな」

「ひどい人もいるものですね」

「ああ、話によると王位簒奪レースってのに参加してたときに、全ての船が撃墜されたのが原因だと怒っていたな」

「それは大変で――――――あれ……どこかで聞いた話な気が……?」

「あれがこの船の艦長をしてる女の子だ。性格は高飛車だが腕は確かで乗り組員からも姉御と呼ばれて慕われてるな」
 私は、コルクの指先を見ると彼女もこちらに気がついたのか近づいてくる。そして私に気がついたのかその表情を青くしていく。

「お、お前は……カイジン・クサナギ!どうしてこんなところに!?」

「えーと」
 それは私のセリフでもあるんだけど、どうして彼女がここにいるのだろう。

 とりあえず一言挨拶はしておいたほうがいいよね?

「お久しぶりですね、えーと衛星都市スメラギの元ルグニカ王女のエメラス様?」
 そう彼女こそ、私が海洋国家ルグニカで始めてあった時、海賊だと思っていた女の子エメラスであった。



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