最強のFラン冒険者

なつめ猫

チートだチート!

思い立ったが吉日。すぐさま、部屋の扉の前を通りがかったメイドさんへグランカスと会いたいと伝える。

一応、魔法帝国ジールの妃候補でもあり何故か国を救った英雄みたいな扱いになってる事からグランカスが一応王様でも俺の方が偉いみたいな感じになってて、グランカスが俺の部屋に訪れるのは支障がないみたいになっている。

しばらく部屋の中に鎮座してるベッドの上で寝転がってると扉が数度叩かれた。返事をするとグランカスが入ってきた。うーん、奴隷商人の時代には山賊風だったのに今ではそんな感じを見せないやり手の商人の格好な姿を見ると一発殴りたくなるが我慢する。

「どうした?緊急か?」

「かなり緊急、明日から衛星都市エルノに行きたい」

俺の言葉にグランカスはしばらく考え込んでいたがハッとしておれに視線を向けてきた。

「それはダメだ!お前は自分の今の立場がわかってるのか?」

「もちろん!」

俺は当たり前だろ?言うニュアンスで答えたがグランカスの顔はますます険しくなっていく。どうせあれだろ?婚約の顔あわせ前に俺が怪我したら困るとかだろ?心配性だな本当に。

「ひとつ聞くがクサナギ、お前は何しにいくんだ?」

「そりゃ魔法の練習しに迷宮に潜るに決まってるだろ?」

もーやだなーという感情を込めてグランカスへ伝えるが

「お前が迷宮に行ったら迷宮が消滅するかもしれないから却下だ!」

俺のささやかな気持ちは伝わらない模様。というか俺が魔法使ったら迷宮消滅ってそんなに分別ない人に俺が見えるのか?非常に遺憾である。

「グランカス、その辺は問題ない。というかとめてもいくからこれは俺が行くという話しが前提ですでに進んでるからとめてもいく」

「……わかった。冒険者ギルドの仮証明書を発行してもらうように手続きをとっておく。あと、お前が問題を起こさないように2、3人見張りの騎士をつけるからそこは納得してくれ」

「それは困るんだが」

魔法の練習にならないじゃないか?人目を気にして魔法の練習なんてもってのほかだ。俺はもっと自由に魔法の練習をしたいのだ。昔、漫画で見たような火と氷を混ぜた消滅的な魔法とかを編み出したい。
そんな魔法をこの世界で誰かに見られたら転用されてひどいことになりそうだから、ひとりで行きたいんだが……。

目を見てる限り納得してくれそうもないんだよな……。

「わかった。とりあえず魔法の造詣の深くない者を選出してくれ」

それだけ伝えるとグランカスは部屋から出ていったが俺が見ていたであろう魔法書に一瞬視線を向けていたのを俺は見逃さなかった。
翌朝、3人の騎士が動向する事が決定された。

3人とも女性の騎士でアリーシャ、レオナ、パステルという名前らしい。解析の魔法で調べてみたけど全員、魔法の使い手だったんだが……もういいや……あとでグランカス数発殴っておこう。

「えーと、クサナギと言います。よろしくね?」

俺は、フレンドリーな感じで話を切り出したのだが3人ともとても厳しい視線を俺に向けてきていて挨拶を返してくれなかった。
俺はグランカスに視線を向けたがすぐに顔を逸らされた。
そうしてるとレオナが近づいてきて俺に一枚の銀色のプレートを差し出してきたので受け取り視線を銀色のプレートに向ける。

「クサナギ様、それば冒険者ギルドから王族用に発行しております冒険者ギルド証明書になります。くれぐれも紛失されませんように」

「分かりましたわ」

相槌を打ってプレートを見てると長身の女騎士、たしかパステルと言う名前だったはずがグランカスのほうへ視線を向けていたのに気がついた。

「グランカス殿、どうしてこんなたいした事も無い人間の護衛をしないと行けないんですか!私達は英雄カイジンクサナギに動向するのを楽しみにしていたのにこんな名前が似てるだけの者と同行するなど納得できません!」

あれ?俺のステータスがもしかして見れるのか?
もしかして……俺の魔力ってユウティーシアのステータスが先に来てて読まれてるのか?
そすると本来の200億の魔力はまた別にストックされてるのか?分からないが、でも鑑定魔法ってすごい魔力消費するよな?普通の人間には使えないはずなんだけど……。

女騎士パステルの納得できませんと発言は、魔法帝国ジールの妃候補となってる俺に対しての言葉としてはかなりまずいと思う。まあわざわざ注意しなくてもグランカスがきちんと説明するだろうしこれからしばらく一緒に旅をするのだからあまりゴタゴタは起こしたくない。

「パステル、悪いがお前よりクサナギの方が遥かに強い。見た目だけで相手の強さを見てると足元を救われるぞ?」

何故、そこで煽るような発言をするんだろうか?本当にねもう馬鹿なんじゃないんだろうか?
グランカスの言葉を聴いたパステルが俺を睨んできた。だから一人で行きたかったんだよ、人数集まれば絶対問題起きるんだからさ……。

「いいでしょう……そこまで言われるのでしたらこの場でそのクサナギモドキの実力を見せてもらいたいです」

とてもめんどくさいです。お断りしたい。というかもう騎士いらないから一人で行きたい。

「ああ、かまわん。クサナギもそれでいいよな?」

「え?え?」

まだ肯定もしてないのに、女騎士は俺に殴りかかってきた。おいおい、いくらなんでもこれはないんじゃないか?こっちはステータス最弱ですよ?仕方なく身体強化魔法を発動させる。
使用魔力は1万程度でいいか?
俺は女騎士の拳を右手で受け止めた。

「ばかな!?」

女騎士が驚いてる間にステータスを解析と……。

class:ルグニカ総督府女騎士
name:パステル
Level33
 HP:687
 MP:171
 STR:14
 DEX:17
 CON:12
 WIS:29
 INT:22
 CHA:29

それに対して俺のステータスは1万を4つのステータスとHPとMPの計6個でわかってるから平均1700近い。ああ、もうチートだな。さて、どうしたものかな……。とりあえず戦闘格闘漫画ではよくあるデコピンでいいか?俺は女騎士の腕を叩いて体勢を崩すと額にデコピンをした。もちろんかなり手加減をしたが、その場で一回転した後に女騎士は意識を失って倒れこんだ。

それを見ていたグランカスは予想通りという目をしていたが残りの2人の騎士は顔を真っ青にして震えている。うーん、これから旅立ちなのにとても幸先が悪いな……。




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