最強のFラン冒険者
幕間 クラウスが得た力
特級魔法師、それは上級魔法師以上の魔力量と特殊な才能を持つ者を言う。
マルスよりバスザック公爵の話を聞いた後、すぐに国王である父上に僕は呼び出された。僕が倒れたことを気にして呼んだのだろう。いつも僕が魔法の練習をして魔力切れを起こして倒れるたびに父上は僕を呼び出しは魔法の使い方を教えてくれる。正しい魔法の制御方法を知らないと、魔力の枯渇は下手をすると寿命を縮めることにつながるから。
だから僕は、大して気にとめず父上が待っている執務室のドアを叩き入室した。その時、父上の声が若干いつもと違う気がした事を僕は気がつかなかった。執務室の中に入ると3人の人物がそこには居た。一人は父上であり国王であるグルガード、もう一人はマルスに庭園で会った少女の情報を握ってるであろう人物バルザック公爵、そして見かけない人物が一人居た。
「父上、お待たせ致しました。体の方は特に異常はありません」
「そうか」
いつもと違い、父上の対応がそっけない。どうしたのだろうと考えていると僕が知らない人物と視線があった。
「これは、クラウス殿下。夜分に申し訳ありませんな、今までは顔を合わせた事もありませんでしたがこれからはそうも行かなくなると思い、挨拶に伺いました。私は近衛兵魔法部隊の部隊長の魔法教導をしているエルド・フォン・ウラヌスと申します」
「ウラヌス家?公爵家の?」
「さようでございます」
僕は彼の事は知識でしか知らない。たしかウラヌス家はリースノット王国建国時から王国を支える三大公爵家の一角で魔法部隊を代々取りまとめてきた家系であり二百年の間に、軒並み魔力量が低下した貴族家において上級魔法師をつねに排出している名家だったはず。
しかも魔法式構築研究室長官を代々務めていたはずだ。いままで魔法師としての力が初級の下級だった僕にはまったく関わりない人物であったがそんな彼が何故?
僕には不思議でならなかった。
「父上、どうしてウラヌス公爵家の当主がこのような時間に?」
「クラウス、それはお前が一番心あたりがあるんじゃないのか?」
父上が僕が出す言葉が予め分かっていたかのように、僕に問いかけをしてくる。父上の言葉には確信めいた物が込められてるのが分かる。そう僕が少女に白い石を渡されて子犬を助けて気絶した後に目を覚ましてから世界の見え方が変わっていた。
世界の全ての魔力の流れが理解できる。
実際、父上やエルド、バルザックの魔力の流れと強さが感覚的に理解できてしまっている。
あの少女からの影響の可能性が非常に高い。
「それは……僕が庭園に居た事と関係がありますか?」
「ああ、あるな」
やはり……父上の答えで確信する。たしかにあれだけの魔法を行使すれば誰にも知られないと言うのはあり得ない。
「これを」
エルド公爵が僕に厚さ3センチ程の真っ新な石板を差し出してきた。僕はそれを受け取ると父上の方へ視線を向けた。
父上が頷くのを僕は確認すると手元にある石板に視線を落とす。それは真実の鏡とも呼ばれるこの石板であり一度だけ所有者のステータスが鑑定できる魔道具であり魔法帝国ジールで作られている。自分のステータスを視覚的に見れると言う事で庶民の間でも流行しているものだ。
以前計ったときは10歳の時で全ステータスと生命力は平凡で、魔力量は2桁だった。2桁、それは初級魔法師の中でも下位ランクだ。上級魔法師である父上の魔力量は5桁あり僕とは桁が違う。
「クラウス、どうかしたのか?」
「いえ、大丈夫です」
早くステータスを鑑定しろと促してくる。僕は計ることを躊躇した。訓練で魔力量が上がったと言っても、魔力量の大小はやはり産まれた時の素質に大きく依存する。だからどんなに頑張ってもそんなには上昇しない。訓練を開始して毎月、父上が石板を渡してきて測っていたけど増えても1か2だった。そのたびに天才と呼ばれた父上に失望されるんじゃないかと鑑定のたびに怯えていた。
腹違いの兄弟は皆、魔力量が3桁から4桁近くあった。僕は、魔力量至上主義の貴族たちに軽く見られていてそれを覆い隠すように正義感だけは誰にも負けないようにしてきたが実際は、そんなのは虚像に過ぎなかった。正義感があっても力が無ければ何も変えられない事を僕は嫌と言うほど教えられた。
そんな僕に少女は手を差し伸べてくれた。
何も出来ずに前へ歩けずに怯えて泣いていただけの僕に力をくれた。
僕は、真実の鏡に魔力を注いだが石版は砕けてしまった。
僕を含めて室内にいる誰もが石版の破片を見て硬直してしまう。
魔力量25000まで測ることが可能と言われている石版を壊してしまったのだ。
「なるほどこれは予想以上ですな?」
エルドは満面の笑みで父上に話しかけているが僕にはそれがどういう意味かいまいち理解できない。
「エルド、あれを持ってきてくれないか?」
「かしこまりました」
父上の命令にエルドは、執務室から出ていくとしばらくして王宮近衛兵を二人連れて執務室に入ってきた。
王宮近衛兵は、二人で直径1メートルほどの透明な水晶球を抱えている。
「そこに下ろしてくれ」
近衛兵はエルドの命令に頷くと務室内の床にそっ水晶球降ろし執務室から退室した。
「クラウス、もう一度ステータスを測定してみてくれ」
「分かりました」
普通の石版と違って教会に設置されているこの水晶は魔力量だけ測定するために魔力測定に特化していて何度でも利用ができる。魔力量が国の国防力に直結するので優秀な人材を見逃さないために誰でも無償に使えるようにリースノット王国は教会に寄付し設置してもらっていた。僕は、執務室の中央に置かれた水晶球に両手を載せる。そして魔力を流した結果、表示されたのは魔力量が53万と言う帝級魔法師としての魔力量だった。
マルスよりバスザック公爵の話を聞いた後、すぐに国王である父上に僕は呼び出された。僕が倒れたことを気にして呼んだのだろう。いつも僕が魔法の練習をして魔力切れを起こして倒れるたびに父上は僕を呼び出しは魔法の使い方を教えてくれる。正しい魔法の制御方法を知らないと、魔力の枯渇は下手をすると寿命を縮めることにつながるから。
だから僕は、大して気にとめず父上が待っている執務室のドアを叩き入室した。その時、父上の声が若干いつもと違う気がした事を僕は気がつかなかった。執務室の中に入ると3人の人物がそこには居た。一人は父上であり国王であるグルガード、もう一人はマルスに庭園で会った少女の情報を握ってるであろう人物バルザック公爵、そして見かけない人物が一人居た。
「父上、お待たせ致しました。体の方は特に異常はありません」
「そうか」
いつもと違い、父上の対応がそっけない。どうしたのだろうと考えていると僕が知らない人物と視線があった。
「これは、クラウス殿下。夜分に申し訳ありませんな、今までは顔を合わせた事もありませんでしたがこれからはそうも行かなくなると思い、挨拶に伺いました。私は近衛兵魔法部隊の部隊長の魔法教導をしているエルド・フォン・ウラヌスと申します」
「ウラヌス家?公爵家の?」
「さようでございます」
僕は彼の事は知識でしか知らない。たしかウラヌス家はリースノット王国建国時から王国を支える三大公爵家の一角で魔法部隊を代々取りまとめてきた家系であり二百年の間に、軒並み魔力量が低下した貴族家において上級魔法師をつねに排出している名家だったはず。
しかも魔法式構築研究室長官を代々務めていたはずだ。いままで魔法師としての力が初級の下級だった僕にはまったく関わりない人物であったがそんな彼が何故?
僕には不思議でならなかった。
「父上、どうしてウラヌス公爵家の当主がこのような時間に?」
「クラウス、それはお前が一番心あたりがあるんじゃないのか?」
父上が僕が出す言葉が予め分かっていたかのように、僕に問いかけをしてくる。父上の言葉には確信めいた物が込められてるのが分かる。そう僕が少女に白い石を渡されて子犬を助けて気絶した後に目を覚ましてから世界の見え方が変わっていた。
世界の全ての魔力の流れが理解できる。
実際、父上やエルド、バルザックの魔力の流れと強さが感覚的に理解できてしまっている。
あの少女からの影響の可能性が非常に高い。
「それは……僕が庭園に居た事と関係がありますか?」
「ああ、あるな」
やはり……父上の答えで確信する。たしかにあれだけの魔法を行使すれば誰にも知られないと言うのはあり得ない。
「これを」
エルド公爵が僕に厚さ3センチ程の真っ新な石板を差し出してきた。僕はそれを受け取ると父上の方へ視線を向けた。
父上が頷くのを僕は確認すると手元にある石板に視線を落とす。それは真実の鏡とも呼ばれるこの石板であり一度だけ所有者のステータスが鑑定できる魔道具であり魔法帝国ジールで作られている。自分のステータスを視覚的に見れると言う事で庶民の間でも流行しているものだ。
以前計ったときは10歳の時で全ステータスと生命力は平凡で、魔力量は2桁だった。2桁、それは初級魔法師の中でも下位ランクだ。上級魔法師である父上の魔力量は5桁あり僕とは桁が違う。
「クラウス、どうかしたのか?」
「いえ、大丈夫です」
早くステータスを鑑定しろと促してくる。僕は計ることを躊躇した。訓練で魔力量が上がったと言っても、魔力量の大小はやはり産まれた時の素質に大きく依存する。だからどんなに頑張ってもそんなには上昇しない。訓練を開始して毎月、父上が石板を渡してきて測っていたけど増えても1か2だった。そのたびに天才と呼ばれた父上に失望されるんじゃないかと鑑定のたびに怯えていた。
腹違いの兄弟は皆、魔力量が3桁から4桁近くあった。僕は、魔力量至上主義の貴族たちに軽く見られていてそれを覆い隠すように正義感だけは誰にも負けないようにしてきたが実際は、そんなのは虚像に過ぎなかった。正義感があっても力が無ければ何も変えられない事を僕は嫌と言うほど教えられた。
そんな僕に少女は手を差し伸べてくれた。
何も出来ずに前へ歩けずに怯えて泣いていただけの僕に力をくれた。
僕は、真実の鏡に魔力を注いだが石版は砕けてしまった。
僕を含めて室内にいる誰もが石版の破片を見て硬直してしまう。
魔力量25000まで測ることが可能と言われている石版を壊してしまったのだ。
「なるほどこれは予想以上ですな?」
エルドは満面の笑みで父上に話しかけているが僕にはそれがどういう意味かいまいち理解できない。
「エルド、あれを持ってきてくれないか?」
「かしこまりました」
父上の命令にエルドは、執務室から出ていくとしばらくして王宮近衛兵を二人連れて執務室に入ってきた。
王宮近衛兵は、二人で直径1メートルほどの透明な水晶球を抱えている。
「そこに下ろしてくれ」
近衛兵はエルドの命令に頷くと務室内の床にそっ水晶球降ろし執務室から退室した。
「クラウス、もう一度ステータスを測定してみてくれ」
「分かりました」
普通の石版と違って教会に設置されているこの水晶は魔力量だけ測定するために魔力測定に特化していて何度でも利用ができる。魔力量が国の国防力に直結するので優秀な人材を見逃さないために誰でも無償に使えるようにリースノット王国は教会に寄付し設置してもらっていた。僕は、執務室の中央に置かれた水晶球に両手を載せる。そして魔力を流した結果、表示されたのは魔力量が53万と言う帝級魔法師としての魔力量だった。
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