むかしばなし
ベオ・クリス【21・534】
まずいと思い、すぐさま自室に戻って剣を取ってこようとした。
その時だった。
「あぁ、貴女がここのご主人ですね!」
セイレンが出てきた炊事場のドアから見知らぬ青年が出てきてシエラに声を掛けてきた。
背中を向けていたシエラはゆっくりと振り返って青年の方に顔を向けた。
青年はその顔に少しだけ驚いた風な表情をするが、すぐに笑顔に戻り挨拶する。
「ご主人、本日はこのお城に泊めていただきありがとうございます。私はベオ、ベオ・クリスと言います」
「わ 、私はシエラ・ルードビア…です。本日はこのようなお城にお越し下さりこちらとしては光栄…ですわ。話はこの使い魔から聞いてる…ます。どうか旅の疲れを当家で癒してくれ…さい」
「身元の分からぬ旅の者にその言葉…御心使い痛み入ります。このベオこの一泊の恩を決して忘れません」
「そ、そうですか。…と、とにかく部屋に案内しなければいけませんね!セイレンこの方を客人用の宿泊部屋に案内してちょうだい!」
指示を出すとすぐにセイレンが「客人の食事はどうしますか?」と聞いてきたので「私のを持って行け!」と命令し、セイレンがベオと名乗る旅人を部屋に案内する。
彼らの姿が見えなくなってからシエラはそそくさと自室に向かう。
その顔は狂気の笑みを浮かべていた。
いつも通り即殺しはできなかったが、これはこれでシエラにとってはあとの楽しみの感覚として受け止めていた。
「さぁて          殺しちゃおっと♪」
そう言ってシエラはいつも着ているスカートの裾を持ち上げて廊下を駆け出す。
殺したくて仕方なく、早く殺したくて。
その時だった。
「あぁ、貴女がここのご主人ですね!」
セイレンが出てきた炊事場のドアから見知らぬ青年が出てきてシエラに声を掛けてきた。
背中を向けていたシエラはゆっくりと振り返って青年の方に顔を向けた。
青年はその顔に少しだけ驚いた風な表情をするが、すぐに笑顔に戻り挨拶する。
「ご主人、本日はこのお城に泊めていただきありがとうございます。私はベオ、ベオ・クリスと言います」
「わ 、私はシエラ・ルードビア…です。本日はこのようなお城にお越し下さりこちらとしては光栄…ですわ。話はこの使い魔から聞いてる…ます。どうか旅の疲れを当家で癒してくれ…さい」
「身元の分からぬ旅の者にその言葉…御心使い痛み入ります。このベオこの一泊の恩を決して忘れません」
「そ、そうですか。…と、とにかく部屋に案内しなければいけませんね!セイレンこの方を客人用の宿泊部屋に案内してちょうだい!」
指示を出すとすぐにセイレンが「客人の食事はどうしますか?」と聞いてきたので「私のを持って行け!」と命令し、セイレンがベオと名乗る旅人を部屋に案内する。
彼らの姿が見えなくなってからシエラはそそくさと自室に向かう。
その顔は狂気の笑みを浮かべていた。
いつも通り即殺しはできなかったが、これはこれでシエラにとってはあとの楽しみの感覚として受け止めていた。
「さぁて          殺しちゃおっと♪」
そう言ってシエラはいつも着ているスカートの裾を持ち上げて廊下を駆け出す。
殺したくて仕方なく、早く殺したくて。
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