むかしばなし
今日は小鳥の丸焼き
「セイレン、今日の夕食は何かしら?」
「はい、小鳥の姿焼きとサラダです」
「……それだけ?」
「はい、それだけです」
セイレンの言ったメニューに頭を悩ませるシエラ嬢。
「…きのうもそんなメニューではなかったかしら?」
「ええ、なにぶんこの森の外では飢餓と流行病が流行っているそうですから。その為鹿などの動物が人のいない方へ大移動を開始したとか」
セイレンの説明にウンザリとした顔で聞きながら「それなら良い」と答えたシエラ嬢。
セイレンは了解を得たのでと今晩の夕食を作りの為に炊事場に向かった。
シエラは歳が止まった17の年相応の少女の顔で悩みながら退屈そうにカップに残った紅茶を飲み干すといつも通り自分の部屋に戻った。
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