むかしばなし

鬼怒川 ますず

夢物語の前に

夢のような話の前にある旅人について語っておかないといけないね。



彼は急に名前を名乗って歴史の節目から時々現れ始めた。
彼が何者かは私も一部分しか知らない。
だが経緯は分かってるだけでもこれだけある。



それはフランス革命の際に革命側の民衆に武器を回した者。
それはナポレオンが皇帝になる場面を見学した者。
それは戊辰戦争で新政府軍の参謀や指揮官達と会話を交わしたことがある者。
それはほぼ全ての国際戦争を両間で眺めていた者。
ほとんどの戦火に油を差してきた者。




……私が分かっていることはこれくらいで、とにかく殆どのターニングポイントや戦いに参加していることくらいか。
そんな彼が表舞台に出る前の話がこの夢物語と言ってもいい。
いや、むしろここから彼は変わったと私は思っている。



では、彼の話はそこまでにして夢物語を語ろう。
ここからは……私の視点ではなく誰かの視点での物語だ。

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