スクールライフCREATORs

石原レノ

興味なし

「ここをこうして…そうそうーー」
「部長…例の……」
放課後になり、僕が最初に訪れた部活は合唱部だ。僕が見えたことにより、後輩らしき女の子が部長と呼ぶ女の子に声を掛けた。
部長と呼ばれた女の子は、僕の顔を見ると、すぐ側にいた女の子に声をかける。どうやら今は手が離せないらしい。
代理を頼まれた女の子が、僕の前まで歩み寄る。
「生徒会の方ですよね?」
「まぁそういう所だね。えっとーー」
「私高等部2年の南風みなみかぜまありって言います…」
まありがあいさつをしてきた事により、瞬が返そうとするとーー
「僕はーー」
「あ、良いです。私年下以外には興味無いので」
「……はい?」
「さて、これが詳しい資料になります」
……??
確かにまありの口からとんでもなく冷たい発言が聞こえた気がするのだが……気のせいだったのだろうか……。まありは僕が疑問を浮かべていても構わずに話を進めている。
……気のせいかな?
「いえ、あなたのお考えは間違ってはいませんよ」
「うわっ!」
口に出していない事を的確に突っ込まれ、僕は声がした方とは逆の方向に体を引かせる。見ると、豊満に豊満を重ねた胸元の前で手を組ませている女性が僕の顔をじっと見ていた。どこかのシスターみたいな被り物を制服の上から被っている。
「あ、みいなちゃん!今日も可愛いねぇっ!」
途端に態度を一変させたまありを見たぼくは、何が何だかわからず言葉も出なくなっていた。そんな僕をみてみいなと呼ばれた女の子は口を開く。
わたくし入久野いりくのみいなと申します。家族でキリスト教を信仰いたしております。1年合唱部です」
まさに女神様と呼ぶべきか、ニコッと笑うみいなの背後から眩い光が差し込んでいるようだった。
そしてみいなは、そっと僕の耳に顔を寄せる。それだけで僕の顔は真っ赤になってしまった。
「まあり先輩は歳下の人にしか興味がないそうです。ここからは私も同行いたしますので、どうかご安心を…」
そうとだけ告げると、みいなは僕の耳元から顔を遠ざける。
「あれー?みいなちゃん何話してるの?」
まありがそう問いかけると、みいなは和やかな笑みを浮かべながら「なんでもないですよ」とだけ告げ、するべきことを促した。
何故かみいなに頼まれるとテキパキと動き出したまありを見て、僕は唖然するしかない。
「まあり先輩はあぁいう方ですから」
「な、なるほど……」
この後特に何も起こることはなく、僕は無事に貰うべき資料をもらい、次の場所へと移った。   

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