スクールライフCREATORs

石原レノ

気遣い

「うぅ…疲れた」
「大丈夫?瞬君」
二日明けての月曜日。僕は休日に溜まった疲れを吐き出すように机に突っ伏していた。そんな僕の元に来てくれたのは長い髪を後ろで結んだ日本美人。『榊神巫女さかきかみこ』だった。
思い頭をあげながら、僕は最大の力で挨拶を交わす。
「う、うん。おはよう榊さん…」
「だ、大丈夫!?何だか顔色悪いよ!」
当然である。二日間の休みを経て溜まったものはとにかく疲れだ。夜遅くまで資料整理、会議の連続で、寝る間も惜しんで資料点検をするハメになった。僕が生徒会に呼ばれたのも、この仕事量を見れば頷ける。
「大丈夫…多分。朝ごはんはちゃんと食べたし…あとは寝るだけ」
段々と小さくなっていく声とともに、僕は再び机に頭をぶつける。
鈍い音が鳴り響き、神巫女はびっくりしたようで、手をあたふたと揺らしていた。
「ま、瞬君!?」
「すぅ……」
「……ねてる…?」
流石に意識が持たなくなった僕は、再び夢の世界へとーー
「せーんぱーい!迎えに来たっすよ!」
ビクッと体を震わせたのは、何を隠そう瞬だった。青ざめた顔をゆっくりと上げ、今にも死にそうな顔で琉歌を見つめる。琉歌の後ろには、いつも通りゆかりが同行していた。
「ほら先輩、何寝てるんですか!早く仕事行きますよ!文化系部活祭まであと1週間ないんですから!」
「ち、ちょっと待ってよ琉歌ちゃん!僕夜遅くまで作業してたから今にも死にそうなんだって!」
僕の必死の抵抗を聞いた琉歌、ゆかりが、何故か僕をじっと見つめる。
「…大丈夫ですよ。まだまだ仕事は残ってますから」
「いやそれ何の解決にもなってないよね!?」
ビシッと親指を立てて、自信ありげに言葉を放ったゆかりに、僕の盛大なツッコミが入る。
それを見ていた琉歌は、気だるそうな顔をしながら欠伸をする。
「まぁまぁ先輩。とりあえずいきましょう。話はそっからでも……」
「え、えぇ!?また僕連れていかれるの!?」
「さっきからそう言ってるです。早く来るです」
こうしてまた、僕は生徒会の仕事とやらに連れていかれたのであった。
「……瞬君。大丈夫かな?」
その光景を見て、神巫女は一人そう思っていた。  

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