転生したら美少女勇者になっていた?!
第三十七話-忙しい一日③
エラメリアに武器を買うための金を借してもらえるようお願いした後、ペツァニカに続いて俺たちも朝食を終えた。
食後のお茶をすすりながら言葉を交える。
一応、金銭の話題を終えた後も話は続いていた。
今日のスケジュールについてだ。
予定としては、今日はまずギルドに寄ってお金を引き出す。
この時でもし混んでいなかったら、ついでに俺のギルド登録もしようという事になった。
俺的にはこれが一番楽しみだったりする。
次に、俺に合った武器を購入する。
これは修行用として使うもので、今度改めて実戦用を買う事にした。
なのでそこまで高額にならないのだとか。
返金しやすいよう、諸々の理由も含めてこういう形にしたのだ。
後は、とある場所で人と会う約束をしているので、その約束の時間までに俺たちの私服を適当に見繕う。
流石にガチガチの装備のままではろくに街もうろつけない。
クエストや依頼のためにこの街へきているわけではないので、早くに街に馴染める様にそういう処置をとった。
服の前に、その約束とやらを一体いつこぎつけたのやらと多少疑問ではあるものの、まあエラメリアが色々やってくれたのだろうと勝手に解釈。
ざっとこんな感じで一日目は過ごすこととなった。
濃密な日になりそうだ。
「それと・・・」
粗方話した後で、エラメリアが申し訳なさそうな顔でこちらを見た。
俺は空になった湯呑を机に置きながら、どうしたと目で尋ねる。
「今日は忙しいので、ステフの修行には付き合ってあげられません。ごめんなさい」
なんだそんなことか。
確かにここ数日、様々なことがありすぎて満足に鍛えられていない。
体もすこし訛ってきている。
でも、このくらいならちょっと頑張ればすぐに持ち直せそうだ。
急ぐことでもなかろう。
「ああ、それなら大丈夫。また明日からやろう」
だから俺は、いつも通りの顔でこう答えた。
「わかりました、ありがとうございます」
「なんのなんの、こちらこそ」
はてこの辺に体を動かせそうな広場でもあったかしらん、とぼんやり考えながら返事をした。
そんなやり取りをして人心地ついたころ。
「ただいまー」
宿の玄関口から、ゾルフがひょっこり顔を覗かせた。
「おかえり・・・どっか行ってたのか?」
「ああ、エラたんに頼まれてな」
そう言って俺たちの席へとやってくる。
どっかり腰を下ろすと、ペツァニカに適当な朝食を注文。
厨房へと駆けていくペツァニカを見送り、ゾルフはエラメリアに頼まれていたという調べ事を話始めた。
「早速ですが、どうでした?」
「ああ。例の道場の事だけど、ジジイが数日家を空けるらしいから、子守をやってくれるなら使っていいと。詳しくは後で話すってさ。時間は昼過ぎならいつでも良いらしい」
「なるほど、了解です」
道場?
なんの話だ。
「んでギルドの方にも顔を出してみたが、結構忙しそうだ。野郎が多すぎて入れんかった」
「わかりました。今日は厳しいかもしれませんね」
「ああ。それと、ちっこいガキから地図を貰って来た。この街の観光マップみてえなものらしい」
鞄からぴらりと一枚の紙を取り出す。
街の全体図と、目に付く店にそれぞれスタンプが押してあった。
武器屋は剣のスタンプ、飲食店はナイフとフォークのスタンプといったところか。
これまた文字の読めない俺にも分かりやすいマップだ。
ただ、黄ばんだ地図はどことなく哀愁漂う街並みを映し出していた。
最近は観光客も少ないみたいだし、そっくりこの観光マップに反映されてるみたいで少し寂しい。
エラメリアは地図にざっと目を通し、ふむと頷いた。
「これがあるとわかりやすいですね。ありがとうございます」
「おう」
エラメリアが礼を述べていると、ペツァニカがゾルフの朝食を持ってきた。
「おまたせ・・・」
「うわ・・・」
それを見て思わず声が漏れる。
言って慌てて口を塞いだが、店側のペツァニカも困ったような顔をしていた。
「なあ、これって・・・」
「うーん、まあ、冒険者さんなら朝からこんなの食べる人もいるんだけど・・・流石にね」
「ひょ~美味そう!」
ペツァニカの低い声も気にすることなく、ゾルフはジュージューうるさい朝飯に食らいついた。
――内容は、なんと脂ギトギトのステーキだ。
「ガツガツガツ」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
三人とも無言で見守る。
俺なんて早々に目を逸らしてしまった。
見ているだけで胃が・・・。
残り二人の痛々しい視線もどこ吹く風で、二ポンドはあろうかというその量をどんどん口に運んでいく。
一切れごとに至高の笑みを浮かべていた。
そしてあっという間に朝ステーキを完食する。
手の甲でグイッと口を拭うと、ゾルフは元気よく立ち上がった。
「よっしゃ、飯も食い終わったし、運動がてら走りながら出発だ!」
「「「やめとけ」」」
見ているこっちが吐きそうだったので、俺たちは慌てて止めた。
不思議そうな顔をするゾルフをひとまず静止させる。
ペツァニカにお茶をお願いしながら、食後ちょっとの間は大人しくしているようお願いした。
早々にヘヴィなもの食いやがって。
騒いでいると、他の冒険者もちょこちょこ起きてきた。
そして俺達をひと睨みし、バッフムルドさんの下へ朝飯を注文しに行く。
この時初めて気が付いたのだが、彼はさっきからずっと俺たちを意識していたようだった。
-バッフムルドが仲間になりたそうな目でこちらを見ている-
・・・明日はカウンターで飯を食おう。
このパーティ(プラス一人)は、やはり朝から絶好調です。
先が思いやられる。
食後のお茶をすすりながら言葉を交える。
一応、金銭の話題を終えた後も話は続いていた。
今日のスケジュールについてだ。
予定としては、今日はまずギルドに寄ってお金を引き出す。
この時でもし混んでいなかったら、ついでに俺のギルド登録もしようという事になった。
俺的にはこれが一番楽しみだったりする。
次に、俺に合った武器を購入する。
これは修行用として使うもので、今度改めて実戦用を買う事にした。
なのでそこまで高額にならないのだとか。
返金しやすいよう、諸々の理由も含めてこういう形にしたのだ。
後は、とある場所で人と会う約束をしているので、その約束の時間までに俺たちの私服を適当に見繕う。
流石にガチガチの装備のままではろくに街もうろつけない。
クエストや依頼のためにこの街へきているわけではないので、早くに街に馴染める様にそういう処置をとった。
服の前に、その約束とやらを一体いつこぎつけたのやらと多少疑問ではあるものの、まあエラメリアが色々やってくれたのだろうと勝手に解釈。
ざっとこんな感じで一日目は過ごすこととなった。
濃密な日になりそうだ。
「それと・・・」
粗方話した後で、エラメリアが申し訳なさそうな顔でこちらを見た。
俺は空になった湯呑を机に置きながら、どうしたと目で尋ねる。
「今日は忙しいので、ステフの修行には付き合ってあげられません。ごめんなさい」
なんだそんなことか。
確かにここ数日、様々なことがありすぎて満足に鍛えられていない。
体もすこし訛ってきている。
でも、このくらいならちょっと頑張ればすぐに持ち直せそうだ。
急ぐことでもなかろう。
「ああ、それなら大丈夫。また明日からやろう」
だから俺は、いつも通りの顔でこう答えた。
「わかりました、ありがとうございます」
「なんのなんの、こちらこそ」
はてこの辺に体を動かせそうな広場でもあったかしらん、とぼんやり考えながら返事をした。
そんなやり取りをして人心地ついたころ。
「ただいまー」
宿の玄関口から、ゾルフがひょっこり顔を覗かせた。
「おかえり・・・どっか行ってたのか?」
「ああ、エラたんに頼まれてな」
そう言って俺たちの席へとやってくる。
どっかり腰を下ろすと、ペツァニカに適当な朝食を注文。
厨房へと駆けていくペツァニカを見送り、ゾルフはエラメリアに頼まれていたという調べ事を話始めた。
「早速ですが、どうでした?」
「ああ。例の道場の事だけど、ジジイが数日家を空けるらしいから、子守をやってくれるなら使っていいと。詳しくは後で話すってさ。時間は昼過ぎならいつでも良いらしい」
「なるほど、了解です」
道場?
なんの話だ。
「んでギルドの方にも顔を出してみたが、結構忙しそうだ。野郎が多すぎて入れんかった」
「わかりました。今日は厳しいかもしれませんね」
「ああ。それと、ちっこいガキから地図を貰って来た。この街の観光マップみてえなものらしい」
鞄からぴらりと一枚の紙を取り出す。
街の全体図と、目に付く店にそれぞれスタンプが押してあった。
武器屋は剣のスタンプ、飲食店はナイフとフォークのスタンプといったところか。
これまた文字の読めない俺にも分かりやすいマップだ。
ただ、黄ばんだ地図はどことなく哀愁漂う街並みを映し出していた。
最近は観光客も少ないみたいだし、そっくりこの観光マップに反映されてるみたいで少し寂しい。
エラメリアは地図にざっと目を通し、ふむと頷いた。
「これがあるとわかりやすいですね。ありがとうございます」
「おう」
エラメリアが礼を述べていると、ペツァニカがゾルフの朝食を持ってきた。
「おまたせ・・・」
「うわ・・・」
それを見て思わず声が漏れる。
言って慌てて口を塞いだが、店側のペツァニカも困ったような顔をしていた。
「なあ、これって・・・」
「うーん、まあ、冒険者さんなら朝からこんなの食べる人もいるんだけど・・・流石にね」
「ひょ~美味そう!」
ペツァニカの低い声も気にすることなく、ゾルフはジュージューうるさい朝飯に食らいついた。
――内容は、なんと脂ギトギトのステーキだ。
「ガツガツガツ」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
三人とも無言で見守る。
俺なんて早々に目を逸らしてしまった。
見ているだけで胃が・・・。
残り二人の痛々しい視線もどこ吹く風で、二ポンドはあろうかというその量をどんどん口に運んでいく。
一切れごとに至高の笑みを浮かべていた。
そしてあっという間に朝ステーキを完食する。
手の甲でグイッと口を拭うと、ゾルフは元気よく立ち上がった。
「よっしゃ、飯も食い終わったし、運動がてら走りながら出発だ!」
「「「やめとけ」」」
見ているこっちが吐きそうだったので、俺たちは慌てて止めた。
不思議そうな顔をするゾルフをひとまず静止させる。
ペツァニカにお茶をお願いしながら、食後ちょっとの間は大人しくしているようお願いした。
早々にヘヴィなもの食いやがって。
騒いでいると、他の冒険者もちょこちょこ起きてきた。
そして俺達をひと睨みし、バッフムルドさんの下へ朝飯を注文しに行く。
この時初めて気が付いたのだが、彼はさっきからずっと俺たちを意識していたようだった。
-バッフムルドが仲間になりたそうな目でこちらを見ている-
・・・明日はカウンターで飯を食おう。
このパーティ(プラス一人)は、やはり朝から絶好調です。
先が思いやられる。
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