転生したら美少女勇者になっていた?!
第二話-おはなつみ
目が覚めた。
頬に直接吹き付ける涼しい風を感じ、自分は今外にいることを認識する。
辺りは暗闇に包まれていて、時刻は夜であることを示した。
寒さに耐え切れず目が覚めたのか。
否、誰かが俺の身体に毛布を掛けてくれていたらしい。
充分な睡眠を取れたというだけの話だ。
快適な寝覚めに満足し、毛布の持ち主にお礼を言おうと周囲を見回す。
すると、少し離れた位置に焚き火の番をしつつ船を漕いでいる女性を見つけた。彼女が掛けてくれたのだろうか。
礼を言うべく起き上がり、もそもそとその女性の方へ近づく。
ある一定の距離近づいた頃、その女性は人の気配を感じたのか目を覚ました。
俺と目が合うと、ちょっと怒ったような顔でほんのり顔を赤らめる。
怒った顔からも感じられるように、女性の顔はものすごく端正なつくりをしていた。
はて、俺はこの人を見たことがあっただろうか。どこかで見たことがある気がするのだ。
あ。いや、無い。断じてない。後頭部にズキズキとした痛みを覚えたが、全くの無関係であったはずだ。
ビッグバン? なんだそれ。
「あの、毛布・・・あなたのですよね? 俺のために、わざわざありがとうございます・・・」
相手が美人となれば自然と委縮してしまう。初対面であればなおさらだ。
別に引きこもりだからと言ってコミュ障なわけではないが、俺の声は必要以上に硬くなっていた。
というか、裏返ってしまった。恥ずかしい・・・。
「いえ、お気になさらず。私のせいなんですから・・・。誤ってあなたのことを吹き飛ばしてしまって。本当に申し訳ありません」
礼儀正しい人だ。元はと言えば俺の奇行が原因なんだから、謝る必要なんてないのに。
おっと、言質をとられた。失敬。
「こちらこそすんません。その節は俺の行動が原因なんですから、頭を上げてください。というか、ここはどこです? 留置所ではないようですが・・・」
そう問うと、女性は驚いたような顔でこちらを見上げた。いや、びっくりしているのはこちらの方なんですが。
犯罪容疑で逮捕されたと思ったら、夜のお外で美女と二人っきり。
寝ている間に檻に入っているだろうぐらいのことは予想していたのだが、これは一体どういうシチュエーションなのだろうか。
まさか、本当に一生奴隷コースなんてことが待ち受けているのかもしれない。はわわ、テキトーに考えてしまったことがよもや現実になるなんて・・・。
冗談はさておき、俺の疑問に対して女性は思わぬことを口走った。
「留置所・・・監獄のことでしょうか? いえ、別に服のなかに手を突っ込まれたわけでもないですし、そこまではしませんよ。第一、ここから一番近い監獄まで行くのに何週間もとられるのですからそれだけで大損こいちゃいます」
そういって女性は困ったように微笑んだ。相変わらず頬を染めて。
神や・・・ここに女神がおるで・・・。
面倒だからという理由で痴漢を容赦する美女なんてどこにいようか。そんなものエロゲーの世界にあるかないかぐらいだ。あってもクソゲ認定確定である。
そもそも、イケメンならまだしもこの俺に触られたというのに、女性は微塵も怖気づくことなく接してくれている。
彼女の銀色の髪を見た限り、日本人じゃなさそうだな・・・。
海外のどこぞかの国では俺みたいな風貌の男がうじゃうじゃいたりするのだろうか。
いや、無いな。そんなところ、男の俺であっても卒倒するに違いない。
「失礼ですが、あなたはどこの国出身の方なんです? 日本語もかなり流暢に話されるようですが」
「私はラノヴァ神殿の方からやってきました。自分の腕前を確かめながら世界を旅するのが趣味なんです。女性らしくはないとよく言われますけどね。ニホンゴ、とは今話すしている言語のことでしょうか・・・? すいません、昔からこの言葉を使っているのでよくわからないです」
ほう、ラノヴァ・・・。聞いたこともない場所だな。
さも知ってて当然、みたいに言われても困る。俺は日本から、もっと言えば住みの地域から出たことが無いのだ。
しかし、だとするといよいよもって訳が分からない。彼女の言ってることがちぐはぐだ。日本語を使ってるのに日本語を知らないなんて。
もしかすると、ちょっとそういう病気の方なのかもしれない。
そう勘繰った俺は少し深く話を進めることにした。
「なるほど、ラノヴァですか。えと、じゃあ、ここがなんて国だかわかります?」
女性は心底意味不明と言いたげな顔で、それでもきちんと俺の質問に答えてくれた。
「国というかただの広野ですけどね。強いて言うならカラブ広野と呼ばれている場所でしょうか」
「なるほどなるほど。では、ここに来るまでに、あなたはどんな乗り物を使ってきましたか。飛行機とか船でしょうか」
「ヒコーキ? すいません、それのことはよくわからないですが、船と馬車なら利用しましたよ」
「ば、馬車ですかほうほう・・・」
これは本格的に不味い。彼女は決して冗談を言ってる風ではなさげだ。
その証拠に俺を見る目が完全に漂流した外国人を憐れむそれに変わってきている。
チクショウ、これじゃあ俺が頭のおかしい人みたいじゃないか。
とりあえずこれ以上聞いても無駄だと判断した俺は、最後にさっき適当に思いついた質問を投げかけることにした。
「前から思ってたんですが、俺のことが怖くないんですか? こんなキ、キモチワルイ巨漢に襲われかけたんですよ。しかも、触れたのは胸とかお尻といった女性にとって大切なところなんですから。ぶち殺してやろうとまでは思わなくても、警察を呼ぶとか、もしくは俺が気絶した後逃げるとか普通するんじゃないですか」
やばい、自分で聞いてて泣きたくなってきた。
どうして俺はわざわざ自分から墓穴を掘るようなことを聞いているのだろうか。
相手が気にしてないのならそれでいいじゃないか。
ごめんなさいでさっさと逃げれば済むものを。
案の定女性はひどく困った顔をしつつも、言葉を選び選び丁寧に答えてくれた。
だがそれは、俺の想像を遥かにとび越えるものであった。
「怖くは、ないですね。いざとなったら私が逃げることぐらい容易いですし・・・。さっきこそ油断してしまいましたが、普段の私ならあのくらいの速度だったら余裕で切り抜けられます。伊達に幼いころから鍛えてないですよ。それにあなたは今、ご自分のことを巨漢と仰っていたようですが、大変失礼ながら、私にはかわいらしい少女にしか見えません。相手が異性じゃあるまいし、女の子に体を触られたぐらいでキャーキャー喚くようでは冒険者なんて務まりませんしね」
「かわいらしい・・・おんなのこ・・・?」
いよいよもって俺は頭が痛くなってきた。
先ほど吹き飛ばされたダメージによるものではない。精神的な面でだ。
俺は本気で目の前の女性が怖くなった。
さっきからべらべら非常識なことを言っている。
しかも本人は冗談のかけらも見せない。始終本気で言っているようだった。
明らかに正常な人のそれではない。
果てどうしたものかと俺は考える。
こんな怪しい女性なんてほっといて、さっさと逃げるべきか。
はたまた、俺を女だと勘違いしている彼女に俺のいきり立った男を見せつけて認識を改めさせるか。
馬鹿言うな。そろそろ真面目に考えろよ。
余計なことを考えていたせいで、こんな時だというのに俺は股座に微かな痒みを感じた。
猛烈にカイカイしたい欲望に駆られるも、レディの前ではしたないことが出来るはずもなく、仕方なく足をもじもじこすり合わせるようにして我慢する。
だがそれに目ざとく気づいた目の前の女性は、気を使ってか一時的な退席を促してきた。
俺がトイレに行きたいと思ってのかもしれない。合ってはいないが、ありがたい配慮だ。
俺は失礼と一言述べて席を立つ。
近くの木陰に隠れ、服の上から大事なアソコを掻き毟る。ふああ・・・キモチイイ・・・。
いかん、思わずキモチワルイ声をあげるところだった。慌てて自制して、痒みも程々に収まったあたりで中止する。そのまま戻ろうかと思ったが、せっかくトイレのタイミングを見つけたのだからこのまま済ませていこうと思った。
不思議なことに、そう考えた途端尿意とは自然と湧き上がってくるものである。穿いていたジャージを下ろそうとして腰に指を掛ける。そのまま勢いで下ろそうとした・・・が、何故か引っかかって上手く降りてくれない。無理に下ろそうとすれば正面のボタンが弾けそうだ。
・・・ボタン?
ジャージにボタンなんてと違和感を感じた俺は改めてしっかり下を見る。
いつもなら脂肪まみれのでっぷりとした俺の腹が見えるはずが、どうしてか今日は見晴らしよくへそのあたりまでストンと視界に入り込んできた。
いつの間にこんなに痩せたんだろうか。
そして、驚いたことに今日の俺はジーパンでかっこよくキメちゃっていた。正確にはボタンではなくホックだったようだ。
暗いせいでしっかり見ることが出来ず、しかし膀胱もそろそろ悲鳴を上げそうになっていたため慌てて感覚でホックとチャックを外す。久々のジーパンに慣れず、結構戸惑ってしまった。
そのままいつも通りパンツをずらし、俺のイチモツを優しく包み込んでやる。
が、残念ながら指が空を切ってしまった。
おかしい。ここまで俺のボーイは小さかっただろうか。
その後何度もつかみ直そうとするが、いずれも失敗に終わる。いよいよ俺も不安になってきた。付け根をなでてやると、心なしか骨が盛り上がっている気がする。
そのまま静かに指を下へずらしていく。撫でる様な感覚に、俺は思わず背筋を震わせた。
ため息がこぼれる。
そしていよいよ、ボーイの根元に到着した。
確かにめちゃくちゃ小さくなってはいるが、しっかりご健在のようだ。
あんまり触っていても汚いだけなので、恥ずかしがり屋のそれに俺は喝を入れてやるべく、少し強めに指で引っ張ってやる。
その瞬間。
「ひう!」
自分のものとは思えないぐらい高い声が漏れたかと思うと、俺の身体が今までにないぐらいビクビクビクッ!と跳ねた。
経験したことのない刺激が快感となって、下から上へ駆け上がる。脳をバチバチと震わせた。
そのまま尿意に耐え切れず放尿。
ちゃんと狙いを定めていなかったため、尿は俺のパンツとジーパンの上に悲しく降り注いでいく。
そして口からは、堪え切れずに漏れ出した声と息で非常にだらしないことになっていた。少し涎も垂れてしまったようである。
俺の声が届いてか、女性がこちらへ駆け寄ってくる音がする。
だがそれを聞いても尚、麻痺した身体は涎を拭うことすらしなかった。
流石にここまでくっきり男のそれではない感覚を植え付けられては、否が応でも認識しておかなければなるまい。
脳を焼き尽くす程の敏感な反応に、正常な判断もできなくなった体はうっすら思う。
俺、女の子になっちゃった・・・。
頬に直接吹き付ける涼しい風を感じ、自分は今外にいることを認識する。
辺りは暗闇に包まれていて、時刻は夜であることを示した。
寒さに耐え切れず目が覚めたのか。
否、誰かが俺の身体に毛布を掛けてくれていたらしい。
充分な睡眠を取れたというだけの話だ。
快適な寝覚めに満足し、毛布の持ち主にお礼を言おうと周囲を見回す。
すると、少し離れた位置に焚き火の番をしつつ船を漕いでいる女性を見つけた。彼女が掛けてくれたのだろうか。
礼を言うべく起き上がり、もそもそとその女性の方へ近づく。
ある一定の距離近づいた頃、その女性は人の気配を感じたのか目を覚ました。
俺と目が合うと、ちょっと怒ったような顔でほんのり顔を赤らめる。
怒った顔からも感じられるように、女性の顔はものすごく端正なつくりをしていた。
はて、俺はこの人を見たことがあっただろうか。どこかで見たことがある気がするのだ。
あ。いや、無い。断じてない。後頭部にズキズキとした痛みを覚えたが、全くの無関係であったはずだ。
ビッグバン? なんだそれ。
「あの、毛布・・・あなたのですよね? 俺のために、わざわざありがとうございます・・・」
相手が美人となれば自然と委縮してしまう。初対面であればなおさらだ。
別に引きこもりだからと言ってコミュ障なわけではないが、俺の声は必要以上に硬くなっていた。
というか、裏返ってしまった。恥ずかしい・・・。
「いえ、お気になさらず。私のせいなんですから・・・。誤ってあなたのことを吹き飛ばしてしまって。本当に申し訳ありません」
礼儀正しい人だ。元はと言えば俺の奇行が原因なんだから、謝る必要なんてないのに。
おっと、言質をとられた。失敬。
「こちらこそすんません。その節は俺の行動が原因なんですから、頭を上げてください。というか、ここはどこです? 留置所ではないようですが・・・」
そう問うと、女性は驚いたような顔でこちらを見上げた。いや、びっくりしているのはこちらの方なんですが。
犯罪容疑で逮捕されたと思ったら、夜のお外で美女と二人っきり。
寝ている間に檻に入っているだろうぐらいのことは予想していたのだが、これは一体どういうシチュエーションなのだろうか。
まさか、本当に一生奴隷コースなんてことが待ち受けているのかもしれない。はわわ、テキトーに考えてしまったことがよもや現実になるなんて・・・。
冗談はさておき、俺の疑問に対して女性は思わぬことを口走った。
「留置所・・・監獄のことでしょうか? いえ、別に服のなかに手を突っ込まれたわけでもないですし、そこまではしませんよ。第一、ここから一番近い監獄まで行くのに何週間もとられるのですからそれだけで大損こいちゃいます」
そういって女性は困ったように微笑んだ。相変わらず頬を染めて。
神や・・・ここに女神がおるで・・・。
面倒だからという理由で痴漢を容赦する美女なんてどこにいようか。そんなものエロゲーの世界にあるかないかぐらいだ。あってもクソゲ認定確定である。
そもそも、イケメンならまだしもこの俺に触られたというのに、女性は微塵も怖気づくことなく接してくれている。
彼女の銀色の髪を見た限り、日本人じゃなさそうだな・・・。
海外のどこぞかの国では俺みたいな風貌の男がうじゃうじゃいたりするのだろうか。
いや、無いな。そんなところ、男の俺であっても卒倒するに違いない。
「失礼ですが、あなたはどこの国出身の方なんです? 日本語もかなり流暢に話されるようですが」
「私はラノヴァ神殿の方からやってきました。自分の腕前を確かめながら世界を旅するのが趣味なんです。女性らしくはないとよく言われますけどね。ニホンゴ、とは今話すしている言語のことでしょうか・・・? すいません、昔からこの言葉を使っているのでよくわからないです」
ほう、ラノヴァ・・・。聞いたこともない場所だな。
さも知ってて当然、みたいに言われても困る。俺は日本から、もっと言えば住みの地域から出たことが無いのだ。
しかし、だとするといよいよもって訳が分からない。彼女の言ってることがちぐはぐだ。日本語を使ってるのに日本語を知らないなんて。
もしかすると、ちょっとそういう病気の方なのかもしれない。
そう勘繰った俺は少し深く話を進めることにした。
「なるほど、ラノヴァですか。えと、じゃあ、ここがなんて国だかわかります?」
女性は心底意味不明と言いたげな顔で、それでもきちんと俺の質問に答えてくれた。
「国というかただの広野ですけどね。強いて言うならカラブ広野と呼ばれている場所でしょうか」
「なるほどなるほど。では、ここに来るまでに、あなたはどんな乗り物を使ってきましたか。飛行機とか船でしょうか」
「ヒコーキ? すいません、それのことはよくわからないですが、船と馬車なら利用しましたよ」
「ば、馬車ですかほうほう・・・」
これは本格的に不味い。彼女は決して冗談を言ってる風ではなさげだ。
その証拠に俺を見る目が完全に漂流した外国人を憐れむそれに変わってきている。
チクショウ、これじゃあ俺が頭のおかしい人みたいじゃないか。
とりあえずこれ以上聞いても無駄だと判断した俺は、最後にさっき適当に思いついた質問を投げかけることにした。
「前から思ってたんですが、俺のことが怖くないんですか? こんなキ、キモチワルイ巨漢に襲われかけたんですよ。しかも、触れたのは胸とかお尻といった女性にとって大切なところなんですから。ぶち殺してやろうとまでは思わなくても、警察を呼ぶとか、もしくは俺が気絶した後逃げるとか普通するんじゃないですか」
やばい、自分で聞いてて泣きたくなってきた。
どうして俺はわざわざ自分から墓穴を掘るようなことを聞いているのだろうか。
相手が気にしてないのならそれでいいじゃないか。
ごめんなさいでさっさと逃げれば済むものを。
案の定女性はひどく困った顔をしつつも、言葉を選び選び丁寧に答えてくれた。
だがそれは、俺の想像を遥かにとび越えるものであった。
「怖くは、ないですね。いざとなったら私が逃げることぐらい容易いですし・・・。さっきこそ油断してしまいましたが、普段の私ならあのくらいの速度だったら余裕で切り抜けられます。伊達に幼いころから鍛えてないですよ。それにあなたは今、ご自分のことを巨漢と仰っていたようですが、大変失礼ながら、私にはかわいらしい少女にしか見えません。相手が異性じゃあるまいし、女の子に体を触られたぐらいでキャーキャー喚くようでは冒険者なんて務まりませんしね」
「かわいらしい・・・おんなのこ・・・?」
いよいよもって俺は頭が痛くなってきた。
先ほど吹き飛ばされたダメージによるものではない。精神的な面でだ。
俺は本気で目の前の女性が怖くなった。
さっきからべらべら非常識なことを言っている。
しかも本人は冗談のかけらも見せない。始終本気で言っているようだった。
明らかに正常な人のそれではない。
果てどうしたものかと俺は考える。
こんな怪しい女性なんてほっといて、さっさと逃げるべきか。
はたまた、俺を女だと勘違いしている彼女に俺のいきり立った男を見せつけて認識を改めさせるか。
馬鹿言うな。そろそろ真面目に考えろよ。
余計なことを考えていたせいで、こんな時だというのに俺は股座に微かな痒みを感じた。
猛烈にカイカイしたい欲望に駆られるも、レディの前ではしたないことが出来るはずもなく、仕方なく足をもじもじこすり合わせるようにして我慢する。
だがそれに目ざとく気づいた目の前の女性は、気を使ってか一時的な退席を促してきた。
俺がトイレに行きたいと思ってのかもしれない。合ってはいないが、ありがたい配慮だ。
俺は失礼と一言述べて席を立つ。
近くの木陰に隠れ、服の上から大事なアソコを掻き毟る。ふああ・・・キモチイイ・・・。
いかん、思わずキモチワルイ声をあげるところだった。慌てて自制して、痒みも程々に収まったあたりで中止する。そのまま戻ろうかと思ったが、せっかくトイレのタイミングを見つけたのだからこのまま済ませていこうと思った。
不思議なことに、そう考えた途端尿意とは自然と湧き上がってくるものである。穿いていたジャージを下ろそうとして腰に指を掛ける。そのまま勢いで下ろそうとした・・・が、何故か引っかかって上手く降りてくれない。無理に下ろそうとすれば正面のボタンが弾けそうだ。
・・・ボタン?
ジャージにボタンなんてと違和感を感じた俺は改めてしっかり下を見る。
いつもなら脂肪まみれのでっぷりとした俺の腹が見えるはずが、どうしてか今日は見晴らしよくへそのあたりまでストンと視界に入り込んできた。
いつの間にこんなに痩せたんだろうか。
そして、驚いたことに今日の俺はジーパンでかっこよくキメちゃっていた。正確にはボタンではなくホックだったようだ。
暗いせいでしっかり見ることが出来ず、しかし膀胱もそろそろ悲鳴を上げそうになっていたため慌てて感覚でホックとチャックを外す。久々のジーパンに慣れず、結構戸惑ってしまった。
そのままいつも通りパンツをずらし、俺のイチモツを優しく包み込んでやる。
が、残念ながら指が空を切ってしまった。
おかしい。ここまで俺のボーイは小さかっただろうか。
その後何度もつかみ直そうとするが、いずれも失敗に終わる。いよいよ俺も不安になってきた。付け根をなでてやると、心なしか骨が盛り上がっている気がする。
そのまま静かに指を下へずらしていく。撫でる様な感覚に、俺は思わず背筋を震わせた。
ため息がこぼれる。
そしていよいよ、ボーイの根元に到着した。
確かにめちゃくちゃ小さくなってはいるが、しっかりご健在のようだ。
あんまり触っていても汚いだけなので、恥ずかしがり屋のそれに俺は喝を入れてやるべく、少し強めに指で引っ張ってやる。
その瞬間。
「ひう!」
自分のものとは思えないぐらい高い声が漏れたかと思うと、俺の身体が今までにないぐらいビクビクビクッ!と跳ねた。
経験したことのない刺激が快感となって、下から上へ駆け上がる。脳をバチバチと震わせた。
そのまま尿意に耐え切れず放尿。
ちゃんと狙いを定めていなかったため、尿は俺のパンツとジーパンの上に悲しく降り注いでいく。
そして口からは、堪え切れずに漏れ出した声と息で非常にだらしないことになっていた。少し涎も垂れてしまったようである。
俺の声が届いてか、女性がこちらへ駆け寄ってくる音がする。
だがそれを聞いても尚、麻痺した身体は涎を拭うことすらしなかった。
流石にここまでくっきり男のそれではない感覚を植え付けられては、否が応でも認識しておかなければなるまい。
脳を焼き尽くす程の敏感な反応に、正常な判断もできなくなった体はうっすら思う。
俺、女の子になっちゃった・・・。
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