進化上等~最強になってクラスの奴らを見返してやります!~
第二話 僕のステータスめっちゃ弱くないですか?
「グリンデル皇国……ねぇ……」
僕はあまり知らないけれど、幸希が前に貸してくれた本にも、こういった事象が書かれていた。
すなわち
「異世界召喚……ってやつだよね…………」
「私もこんなの漫画や小説の世界だけだと思ってた……」
静香も僕に同意するように呟く。
「まあ、まずは幸希たちと合流しないと」
僕はそう言って立ち上がる。
少しフラフラするが、時間が経てば治るだろう。
「私が案内するね」
「晃!! 目を覚ましたのか!」
幸希が珍しく真剣な顔つきでこちらに詰め寄ってくる。
「まったく、全然目を覚まさないから心配したんだぞ!」
「あはは、心配かけてごめんね」
どうやらかなり心配をかけていたらしい。
「ホントに心配したんだぜ~」
間延びするような声で南海が言う。
「なんか心配している風には聞こえないんだけど……」
僕は苦笑を浮かべる。
だって本当に心配されているように感じないから。
でもそれは南海が薄情なわけではなく、僕に信頼を置いてくれているからである。
伊達にヤクザとつながりを持ってはいない。
「どうやらお目覚めになったようですね」
聞きなれない声に、僕は声の発生源に目を向ける。
そこには金髪の美少女が立っていた。
身長は男中でも低い僕よりも少し低めだろうか。
煌びやかな服装と、品のある佇まいから、おそらくだけど王族の人じゃないかな。お姫様とか。
というか、女神さまと言いお姫様といい、女の子のレベル高過ぎじゃない?
「初めまして、グリンデル皇国第二王女、リリアス・アイネス・グリンデルと申します。以後お見知りおきを」
予想通りお姫様だった。
「こちらこそ初めまして。海崎晃と申します」
「ウミサキ様ですね。お体に違和感などはございませんか?」
お姫様の言葉に、僕は少しだけ体を動かして大丈夫なことを告げる。
「それは何よりです。ではいきなりで申し訳ないのですが、早速皇王と会っていただきます」
なんだか話がトントン拍子に進んでいくなぁ。
僕たちは特に文句も言わずに、お姫様の後を追いかける。
お姫様に連れてこられたのは、おそらく謁見の間と呼ばれる、王様たちと会うにふさわしい部屋なのだろう。
その証拠に、皇宮とはいえ室内であるにも関わらず、とても大きな扉が目の前に鎮座しているのだから。
……大きすぎやしないだろうか。
扉の前にいる兵隊がお姫様の姿を確認したのか、一礼してから扉をゆっくりと開け始める。
平然とした顔で中に入るお姫様とは対照的に、ぼくたちは少しだけ気後れしながら中へと入る。
謁見の間には、武装した兵隊とその指揮官だと思われる武官、この国の政治に携わっていると思われる文官、皇王の右腕である宰相。
そして、この国を束ねる最大の権力者、皇王その人が、正目の椅子に腰かけ、こちらを値踏みするように見ている。
正直、居心地が悪いったらありゃしない。
お姫様が皇王の隣に立ったのを見計らっていたのか、おもむろに口を開いた。
「よく来てくれた、異世界から召喚されし勇者方よ。我はこの国の皇王である、アルヴィス・アイネス・グリンデルである」
王様の自己紹介に、僕たちはふと気づいたことがある。
―――――跪いたほうがいいよね?
僕たちの心情を表情で呼んだのか、皇王は笑いながら僕たちに待ての合図をした。
「お主たちは異世界人。その様子を見るに王族に会うための礼儀を知らないようであるしな、跪かなくてもよい」
僕たちは皇王様がそう言うなら、ということで立ったまま話を聞くことにした。
「皇王様。いくつか質問、よろしいでしょうか?」
弘原海先生が皆を代表して質問をする。やっぱり先生って頼りになるよね。
「うむ、構わぬぞ」
「ありがとうございます。まず、私たちはなぜ、この世界に召喚されたのでしょうか」
「うむ、その質問にはリリアスが答えよう。リリアス」
「はい、皇王様。では、なぜ召喚されたのかという質問ですが、端的言えば、魔王を倒してほしいからです」
「魔王、ですが?」
「はい。魔王です。魔王とはこの世界に存在する魔族の頂点であり、人間の天敵であり、悪の権化です。今までは大した被害などもなかったのですが、ここ最近になってからは他の町や村、延いては大都市にまで魔物の群れが攻めてきたり、魔族の姿が頻繁に見かけられるようになりました。このことから、私たちは魔王が戦争を起こそうとしていると考え、皆様の力をお借りしようとしたのです」
先生は少しだけ考えるそぶりを見せた後、次の質問に移る。
「私たちは、元の世界に戻ることはできるのでしょうか」
元の世界に戻れるのか。
これは、ぜひ画でも聞いておかなければならない事だろう。
向こうも、この質問をされることはわかっているはずだ。
だからこそなのだろうか。
皇王様の顔がひそかに歪み、住まなさそうな表情で答える。
「こちらの都合で勝手に呼び出して申し訳ないが、この国には貴殿らが元の世界に帰るための魔法技術が存在しない」
皇王様のその言葉に僕たちは騒然としたが、「じゃが……」という皇王様の声に再び静かになる。
「じゃが、魔法の先進国である国や、魔法のエキスパートであるエルフ達なら、帰還の魔法を知っているやもしれん。こちらでも、帰還の魔法を探しておくことを、ここに約束する」
僕たちは取り敢えずその言葉を信用することにした。
ここで反発してごちゃごちゃと文句を言う方が危険だろう。
僕たちの立場は、今非常に危ないのだから。
「では次の質問です。元の世界では一般人の我々が勇者として召喚された、とのことですが、本来私たちは力なき一般人です。その私たちにどうやって魔族、ひいては魔王と戦えというのでしょうか」
これは僕も気になっていた。
僕たちは普通の高校生だ。
それなのにいきなり戦ってください、というのははっきり言って無理があるだろう。
「ああ、それなら心配はいらんぞ
お主たちはこの世界に来る前、女神さまに会ってるはずであろう?」
「確かに会っていますけど…………」
どうしてそれを知っているのだろうか?
「ならば、女神さまから恩恵をいただいているはずだ。ステータスオープン、と頭の中で念じれば、自分のステータスが表示されるはずだ。
これを聞いたみんなは一斉にステータスオープン、と唱え始める
僕も念じてみる。
「ステータスオープン」
―――――ステータス―――――
名前:海崎 晃
種族:人間
職業:
Lv1
HP:20/20
MP:30/30
STR:10
DEF:10
AGI:10
MGA:10
MGD:10
INT:10
LUK: 5
スキル
【鑑定Lv1】【隠蔽Lv1】
ユニークスキル
称号
異世界人・召喚に巻き込まれし者・転生神の加護
………………うん?
あれ? 確か女神さまの説明では一人ひとりにユニークスキルを与えるって言ってなかったっけ?
しかもこのステータス。これって確実に弱いよね? それも最弱の部類じゃない?
…………バグ、なのだろうか? ユニークスキルはないけど【鑑定Lv1】と【隠蔽Lv1】があるんだよね。
これ、どうやって使うのかな?
ジッとスキルを見つめていると、スキルの説明欄が浮かび上がってきた。
【鑑定Lv1】
一般的なスキル。誰でも習得可能。相手のステータスやアイテムの効果、レア度が閲覧可能。
レベルを上げることによって閲覧できる上限が変動。自分よりレベルが上のものは閲覧することはできない。
なんだか微妙なスキルだな……。
なんだかパッとしない。
……気を取り直して次は隠蔽スキルだ。
【隠蔽Lv1】
一般的なスキル。誰でも習得できるわけではないが、レベルが低ければ大した効果を発揮しない。
自分のステータスを隠蔽することができる。但し、隠蔽が聞くのは自分よりもレベルが下か同等の者のみ。レベルが上の者、または鑑定レベルが隠蔽レベルより高い場合は効果を発揮しない。
うーん、これも微妙な代物だね。
あ、いまならみんなのステータスを見えるんじゃないかな?
僕は試しに親友たちのステータスを覗いてみる。
―――――ステータス―――――
名前:海城 幸希
種族:人間
職業:最強の盾使い
Lv1
HP:200/200
MP:300/300
STR:200
DEF:600
AGI:120
MGA:110
MGD:400
INT: 90
LUK: 95
スキル
ユニークスキル
【絶壁Lv1】
称号
異世界人・召喚されし者
―――――ステータス―――――
名前:久美先 静香
種族:人間
職業:最強の剣士
Lv1
HP:320/320
MP:130/130
STR:310
DEF:110
AGI:100
MGA:150
MGD:180
INT:110
LUK:100
スキル
ユニークスキル
【剣聖Lv1】
称号
異世界人・召喚されし者
―――――ステータス―――――
名前:刎内 南海
種族:人間
職業:最強の拳闘士
Lv1
HP:300/300
MP: 60/60
STR:200
DEF:210
AGI:190
MGA: 80
MGD: 60
INT: 40
LUK: 40
スキル
ユニークスキル
【鬼人化v1】
称号
異世界人・召喚されし者
…………あれぇ? 僕がおかしいのかな? みんなどれか一つ絶対に三桁に届いてるんだけど。
しかも、周りの話を盗み聞く限り、皆こんな感じのステータスらしい。
…………もしかして僕ってこの中で最弱?
「晃、お前のステータスも見せてくれよ」
「…………見ても驚くなよ」
静香と刎内さんも集まってきた。
僕は三人にこのステータスを見せることにした。
「な、なんじゃこりゃーーーー!!?」
「おいこらそんな大きな声出したら―――――」
「どうかしたのか?」
「ほら、やっぱり目をつけられた…………」
こんな最弱のステータスなら、悪い意味で目立っちゃうよ……。
「それで、どうかしたのか?」
「い、いえ、こいつのステータスがあまりにも低すぎてちょっとびっくりしただけで……」
「なに? そこの君、ちょっとステータスを見せてくれないか」
うう、国のトップの人から言われたら断れないじゃないか…………。
僕はしぶしぶステータスを見せる。
―――――ステータス―――――
名前:海崎 晃
種族:人間
職業:
Lv1
HP:20/20
MP:30/30
STR:10
DEF:10
AGI:10
MGA:10
MGD:10
INT:10
LUK: 5
スキル
【鑑定Lv1】【隠蔽Lv1】
ユニークスキル
称号
異世界人・召喚に巻き込まれし者・(転生神の加護)←隠蔽中
「な、なんと…………」
ほら、皇王様も返す言葉を失ってるじゃないか!
だから見せるのが嫌だったんだよ…………。
「お主の称号を見るに、お主はただ召喚に巻き込まれただけじゃからな……。勇者様方とできるだけ一緒に行動を共にしてもらえるか?」
「わかりました」
というかそれ以外の道がないんだけどね。
「では皆ご苦労だった。細かい話はあとでもよいじゃろう。夕食ができるまで各自の部屋を割り当てておるからそこで過ごしてくれ。くれぐれも勝手な行動は起こさぬようにな」
こうして、クラスと皇王様たちから最弱のレッテルを張られ、僕は肩を落としながら割り当てられた部屋に行くことにした。
…………道中道に迷ってメイドさんたちにクスクスと笑われたのはここだけの話。
僕はあまり知らないけれど、幸希が前に貸してくれた本にも、こういった事象が書かれていた。
すなわち
「異世界召喚……ってやつだよね…………」
「私もこんなの漫画や小説の世界だけだと思ってた……」
静香も僕に同意するように呟く。
「まあ、まずは幸希たちと合流しないと」
僕はそう言って立ち上がる。
少しフラフラするが、時間が経てば治るだろう。
「私が案内するね」
「晃!! 目を覚ましたのか!」
幸希が珍しく真剣な顔つきでこちらに詰め寄ってくる。
「まったく、全然目を覚まさないから心配したんだぞ!」
「あはは、心配かけてごめんね」
どうやらかなり心配をかけていたらしい。
「ホントに心配したんだぜ~」
間延びするような声で南海が言う。
「なんか心配している風には聞こえないんだけど……」
僕は苦笑を浮かべる。
だって本当に心配されているように感じないから。
でもそれは南海が薄情なわけではなく、僕に信頼を置いてくれているからである。
伊達にヤクザとつながりを持ってはいない。
「どうやらお目覚めになったようですね」
聞きなれない声に、僕は声の発生源に目を向ける。
そこには金髪の美少女が立っていた。
身長は男中でも低い僕よりも少し低めだろうか。
煌びやかな服装と、品のある佇まいから、おそらくだけど王族の人じゃないかな。お姫様とか。
というか、女神さまと言いお姫様といい、女の子のレベル高過ぎじゃない?
「初めまして、グリンデル皇国第二王女、リリアス・アイネス・グリンデルと申します。以後お見知りおきを」
予想通りお姫様だった。
「こちらこそ初めまして。海崎晃と申します」
「ウミサキ様ですね。お体に違和感などはございませんか?」
お姫様の言葉に、僕は少しだけ体を動かして大丈夫なことを告げる。
「それは何よりです。ではいきなりで申し訳ないのですが、早速皇王と会っていただきます」
なんだか話がトントン拍子に進んでいくなぁ。
僕たちは特に文句も言わずに、お姫様の後を追いかける。
お姫様に連れてこられたのは、おそらく謁見の間と呼ばれる、王様たちと会うにふさわしい部屋なのだろう。
その証拠に、皇宮とはいえ室内であるにも関わらず、とても大きな扉が目の前に鎮座しているのだから。
……大きすぎやしないだろうか。
扉の前にいる兵隊がお姫様の姿を確認したのか、一礼してから扉をゆっくりと開け始める。
平然とした顔で中に入るお姫様とは対照的に、ぼくたちは少しだけ気後れしながら中へと入る。
謁見の間には、武装した兵隊とその指揮官だと思われる武官、この国の政治に携わっていると思われる文官、皇王の右腕である宰相。
そして、この国を束ねる最大の権力者、皇王その人が、正目の椅子に腰かけ、こちらを値踏みするように見ている。
正直、居心地が悪いったらありゃしない。
お姫様が皇王の隣に立ったのを見計らっていたのか、おもむろに口を開いた。
「よく来てくれた、異世界から召喚されし勇者方よ。我はこの国の皇王である、アルヴィス・アイネス・グリンデルである」
王様の自己紹介に、僕たちはふと気づいたことがある。
―――――跪いたほうがいいよね?
僕たちの心情を表情で呼んだのか、皇王は笑いながら僕たちに待ての合図をした。
「お主たちは異世界人。その様子を見るに王族に会うための礼儀を知らないようであるしな、跪かなくてもよい」
僕たちは皇王様がそう言うなら、ということで立ったまま話を聞くことにした。
「皇王様。いくつか質問、よろしいでしょうか?」
弘原海先生が皆を代表して質問をする。やっぱり先生って頼りになるよね。
「うむ、構わぬぞ」
「ありがとうございます。まず、私たちはなぜ、この世界に召喚されたのでしょうか」
「うむ、その質問にはリリアスが答えよう。リリアス」
「はい、皇王様。では、なぜ召喚されたのかという質問ですが、端的言えば、魔王を倒してほしいからです」
「魔王、ですが?」
「はい。魔王です。魔王とはこの世界に存在する魔族の頂点であり、人間の天敵であり、悪の権化です。今までは大した被害などもなかったのですが、ここ最近になってからは他の町や村、延いては大都市にまで魔物の群れが攻めてきたり、魔族の姿が頻繁に見かけられるようになりました。このことから、私たちは魔王が戦争を起こそうとしていると考え、皆様の力をお借りしようとしたのです」
先生は少しだけ考えるそぶりを見せた後、次の質問に移る。
「私たちは、元の世界に戻ることはできるのでしょうか」
元の世界に戻れるのか。
これは、ぜひ画でも聞いておかなければならない事だろう。
向こうも、この質問をされることはわかっているはずだ。
だからこそなのだろうか。
皇王様の顔がひそかに歪み、住まなさそうな表情で答える。
「こちらの都合で勝手に呼び出して申し訳ないが、この国には貴殿らが元の世界に帰るための魔法技術が存在しない」
皇王様のその言葉に僕たちは騒然としたが、「じゃが……」という皇王様の声に再び静かになる。
「じゃが、魔法の先進国である国や、魔法のエキスパートであるエルフ達なら、帰還の魔法を知っているやもしれん。こちらでも、帰還の魔法を探しておくことを、ここに約束する」
僕たちは取り敢えずその言葉を信用することにした。
ここで反発してごちゃごちゃと文句を言う方が危険だろう。
僕たちの立場は、今非常に危ないのだから。
「では次の質問です。元の世界では一般人の我々が勇者として召喚された、とのことですが、本来私たちは力なき一般人です。その私たちにどうやって魔族、ひいては魔王と戦えというのでしょうか」
これは僕も気になっていた。
僕たちは普通の高校生だ。
それなのにいきなり戦ってください、というのははっきり言って無理があるだろう。
「ああ、それなら心配はいらんぞ
お主たちはこの世界に来る前、女神さまに会ってるはずであろう?」
「確かに会っていますけど…………」
どうしてそれを知っているのだろうか?
「ならば、女神さまから恩恵をいただいているはずだ。ステータスオープン、と頭の中で念じれば、自分のステータスが表示されるはずだ。
これを聞いたみんなは一斉にステータスオープン、と唱え始める
僕も念じてみる。
「ステータスオープン」
―――――ステータス―――――
名前:海崎 晃
種族:人間
職業:
Lv1
HP:20/20
MP:30/30
STR:10
DEF:10
AGI:10
MGA:10
MGD:10
INT:10
LUK: 5
スキル
【鑑定Lv1】【隠蔽Lv1】
ユニークスキル
称号
異世界人・召喚に巻き込まれし者・転生神の加護
………………うん?
あれ? 確か女神さまの説明では一人ひとりにユニークスキルを与えるって言ってなかったっけ?
しかもこのステータス。これって確実に弱いよね? それも最弱の部類じゃない?
…………バグ、なのだろうか? ユニークスキルはないけど【鑑定Lv1】と【隠蔽Lv1】があるんだよね。
これ、どうやって使うのかな?
ジッとスキルを見つめていると、スキルの説明欄が浮かび上がってきた。
【鑑定Lv1】
一般的なスキル。誰でも習得可能。相手のステータスやアイテムの効果、レア度が閲覧可能。
レベルを上げることによって閲覧できる上限が変動。自分よりレベルが上のものは閲覧することはできない。
なんだか微妙なスキルだな……。
なんだかパッとしない。
……気を取り直して次は隠蔽スキルだ。
【隠蔽Lv1】
一般的なスキル。誰でも習得できるわけではないが、レベルが低ければ大した効果を発揮しない。
自分のステータスを隠蔽することができる。但し、隠蔽が聞くのは自分よりもレベルが下か同等の者のみ。レベルが上の者、または鑑定レベルが隠蔽レベルより高い場合は効果を発揮しない。
うーん、これも微妙な代物だね。
あ、いまならみんなのステータスを見えるんじゃないかな?
僕は試しに親友たちのステータスを覗いてみる。
―――――ステータス―――――
名前:海城 幸希
種族:人間
職業:最強の盾使い
Lv1
HP:200/200
MP:300/300
STR:200
DEF:600
AGI:120
MGA:110
MGD:400
INT: 90
LUK: 95
スキル
ユニークスキル
【絶壁Lv1】
称号
異世界人・召喚されし者
―――――ステータス―――――
名前:久美先 静香
種族:人間
職業:最強の剣士
Lv1
HP:320/320
MP:130/130
STR:310
DEF:110
AGI:100
MGA:150
MGD:180
INT:110
LUK:100
スキル
ユニークスキル
【剣聖Lv1】
称号
異世界人・召喚されし者
―――――ステータス―――――
名前:刎内 南海
種族:人間
職業:最強の拳闘士
Lv1
HP:300/300
MP: 60/60
STR:200
DEF:210
AGI:190
MGA: 80
MGD: 60
INT: 40
LUK: 40
スキル
ユニークスキル
【鬼人化v1】
称号
異世界人・召喚されし者
…………あれぇ? 僕がおかしいのかな? みんなどれか一つ絶対に三桁に届いてるんだけど。
しかも、周りの話を盗み聞く限り、皆こんな感じのステータスらしい。
…………もしかして僕ってこの中で最弱?
「晃、お前のステータスも見せてくれよ」
「…………見ても驚くなよ」
静香と刎内さんも集まってきた。
僕は三人にこのステータスを見せることにした。
「な、なんじゃこりゃーーーー!!?」
「おいこらそんな大きな声出したら―――――」
「どうかしたのか?」
「ほら、やっぱり目をつけられた…………」
こんな最弱のステータスなら、悪い意味で目立っちゃうよ……。
「それで、どうかしたのか?」
「い、いえ、こいつのステータスがあまりにも低すぎてちょっとびっくりしただけで……」
「なに? そこの君、ちょっとステータスを見せてくれないか」
うう、国のトップの人から言われたら断れないじゃないか…………。
僕はしぶしぶステータスを見せる。
―――――ステータス―――――
名前:海崎 晃
種族:人間
職業:
Lv1
HP:20/20
MP:30/30
STR:10
DEF:10
AGI:10
MGA:10
MGD:10
INT:10
LUK: 5
スキル
【鑑定Lv1】【隠蔽Lv1】
ユニークスキル
称号
異世界人・召喚に巻き込まれし者・(転生神の加護)←隠蔽中
「な、なんと…………」
ほら、皇王様も返す言葉を失ってるじゃないか!
だから見せるのが嫌だったんだよ…………。
「お主の称号を見るに、お主はただ召喚に巻き込まれただけじゃからな……。勇者様方とできるだけ一緒に行動を共にしてもらえるか?」
「わかりました」
というかそれ以外の道がないんだけどね。
「では皆ご苦労だった。細かい話はあとでもよいじゃろう。夕食ができるまで各自の部屋を割り当てておるからそこで過ごしてくれ。くれぐれも勝手な行動は起こさぬようにな」
こうして、クラスと皇王様たちから最弱のレッテルを張られ、僕は肩を落としながら割り当てられた部屋に行くことにした。
…………道中道に迷ってメイドさんたちにクスクスと笑われたのはここだけの話。
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コメント
ノベルバユーザー601400
サクサク読めていいですね。
スペチ
やっぱり強いと当たり前のように進んじゃうし、こういう底辺からの方が私的には楽しみです!
ノベルバユーザー601233
ランキングから読ませてもらいました。
ノベルバユーザー325276
なんか、ここまでは「ありふれ」に似すぎてる
ノベルバユーザー276254
というか隠蔽スキル1で見えなくなったものは鑑定スキルが1以上じゃないと見えないって事は、皇王様達の鑑定スキル1か、無いという事じゃない?