明日は幸せな、大学の薬学部見学日~♪

ノベルバユーザー173744

明日は幸せな、大学の薬学部見学日~♪

刹那の家の近所には学校が密集しており、小学校と公立の中学校と高校、私立の中学高校、そして、大学が二つある。

その一つの大学は春と秋に、薬学部の栽培している薬草等の畑や、本館を開放して、イベントが行われる。
実は、この年二回のイベントが、しゃこの嬉しい日だったりする。

何せ、先着百人に薬草、ハーブの苗を貰えるし、本館では試供品コーナーや、会社のアピールのためのボールペンなどをわんさか貰える。
そして、簡単な地域に自生しているハーブの冊子をくれた上に、ブースを回るごとにスタンプを押すと、後日日本のハーブ薬草事典が抽選で貰えるのだ!!
まだ貰ったことはないが、是非ほしい!!どうしてもほしい!!
これさえあれば小説のネタにも使えるにゃぁぁ~!!
……ハッ!今のワンルームはペット可能で、病気が良くなったら、ハムスターはもう高齢なので連れてこれないが、犬が飼いたい。
一度諦めたベルジアン・グリフォンを飼いたい。
その為に、貯金を……と思っていたのだが、

「やっぱり足りないか……。テディベアは大きいから高額になるし……小さくてお手頃な、キティちゃんがいるなぁ……」

今度持っていく荷物を確認し、ため息をつく。
元々自分を着飾る趣味もないので、シンプル、そしてドケチ!!である。
もっと花のあるような……

「仕方ない。実家は行かない。代わりにもう一度天袋から探すか」

今はクローゼットとかっこよくいうが、押し入れの上の開き戸を開け、うんしょと椅子を使わずに登る。
腰は痛くとも、この程度で自爆はない。

「う~ん……ティッシュペーパーにトイレットペーパーと、シュタイフのベアちゃんが入っていた箱二つ……ん?」

左手で支えつつ、箱を開けると、キティちゃんがギュウギュウにつまっていた。
もうひとつの箱も同様である。

「ラッキィ!!やったぁ!!実家に戻らずにすむ!!それにぬいぐるみに、キーチェーンに、色々揃ってるよ~!!良かったぁ!!」

ほっとする。
荷物は重くなるがそれでもこの20個程があるなしでは本当に違う。

「あぁ良かったぁ!!あとは予備を作ったら良いから、少し肩の荷が下りたよぉ!!」

そして、お店のイメージのために、100Yenショップでファブリックボードや、色々な柄の押しピンに、メッセージCardを作ったりするために準備した。
最低限は家のものを持ち出すけれど、飾りになれば、雰囲気は出るはず……。

「これでいいかな?」

呟いた。

まだ作るつもりではあるが、それよりもどんな風になるのか、が問題であり、自分一人で出来るかも問題である。

お金はないので、スーパーの買い物袋をそのままお渡しする。
最初はためらったが他のものを買う人にはいいだろうと思った。
そして、時間をどのように潰せばいいのかである。
作ったものが売り切れれば万歳!!だが、残れば大赤字……出たとこ勝負である。

「一か八かだよね……頑張ろう!!」

今日はちょっと疲れたので、お風呂に入って早く寝よう。
そして……。

「明日は何貰えるかな~♪試供品よりも文房具がサイコーに嬉しい!!懸賞に使えるし!ハーブの苗も春に貰ったのは、苗とも言いがたい小さい子で死んじゃったし……明日は可愛い子貰うぞ~♪」

現金なしゃこであった。

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