ヒーローライクヒール(リメイク連載中)

手頃羊

その2・襲来

[クロノ]
マキノの研究所にて、自分が知っている限りの原子についてのことを教えて欲しいと頼まれた。
クロノ「水は酸素原子1つと水素原子2つからできてます。」
マキノ「つまり…H2Oとなるわけか。」
クロノ「そうそう。」
マキノ「水素っていうのは、さっき爆発がどうこういってたやつか。」
クロノ「うん。」
マキノ「ということは…水があれば爆発する?」
クロノ「それは…どうだろ?そこまでは詳しくはないからなぁ。」
メイ「水から水素を取り出せばできるのではないでしょうか?」
メイがお茶を運んでくる。
メイ「どうぞ。」
クロノ「サンキュ。」
マキノ「水から水素を取り出す…つまり…水は原子がこう重なっているから…ここに魔力をかけて…」
クロノ「もしもーし?」
マキノ「いや、これじゃだめか…だから…」
完全に自分の世界ですわ。
メイ「それでは失礼しまして、サシュさんのところへ行ってきます。」
クロノ「お?おう、行ってらっしゃい。」
メイが部屋を出ていこうとすると、突然何もないところで躓いた。
メイ「あっ。」
受け身もとれず、綺麗に顔面からダイブ。
クロノ「おいおい、大丈夫か?」
メイ「いえ、大丈夫であります。」
クロノ「そうか…?気をつけろよ?」
なんか口調おかしいような…
メイは〜でありますって口調をしたことはなかったが、奴なりのおちゃらけた喋り方か?
マキノ「この原理なら水素と酸素を分離できるか…?よし、クロノ来てくれ!」
クロノ「あ?あぁ、はいはい。」
マキノに連れられ、実験室の1つに入る。

桶に水を入れ、それを机の上に置く。
マキノ「この水面に手をつけ、魔力を流す。魔力で原子を物理的に掴み、無理やり引き剥がす。」
クロノ「できんの?そんなこと?」
マキノ「それをする為に魔力の流し方や大きさを微調整しているんだ…これくらい…いやまだでかいか…」
水に手をつけて集中している。
マキノ「この大きさならこれを…こう‼︎」
マキノが力を入れると、水が半分くらい一気に消し去った。
クロノ「おお⁉︎」
マキノ「これでできたか⁉︎よし、頼むぞ。」
クロノ「あいよ。」
銃を構え、魔力を放出して桶の周りを囲う。
マキノがロウソクに火をつける。
マキノ「準備はいいな?投げるぞ?」
マキノがロウソクを投げ入れる。
ロウソクが魔力の壁を超えた瞬間、囲いの中で大きな爆発が起きる。
クロノ「うおっ‼︎」
爆発の威力は思ったより大きく、壁が破られた。
マキノ「大丈夫かクロノ‼︎」
クロノ「あぁ、大丈夫。弾かれただけだ。」
マキノ「そうか…。まぁとにかく、これで成功だな!」
クロノ「まさかやっちゃうとはね…」
マキノ「これは戦闘の幅が広まるな…。いや、もっと色んなことに役立つか…?いや、だが…これは悪用されたら…」
クロノ「やばいでしょうなそりゃあ。」
大爆発起こせるくらいの大量の水素をばら撒いて火をつけたら…。
この世界では火薬の類は見つかっていないが、これがその代わりになるのだろうか。
クロノ「ヤバイこと教えちゃったか…?いやでもマキノさんならどうせすぐ気づくか…」
すると、実験室のドアが開いた。
メイが入ってきた。
メイ「失礼します。クロノ様、お客様です。」
クロノ「客?俺に?」
メイ「アクアさんです。」
クロノ「アクアさん?」
アクア「メイさんちょいとごめんよ‼︎クロノ‼︎今いいかい‼︎」
アクアがメイを押しのけ、実験室に入ってくる。
クロノ「アクアさん‼︎そんな急いで何の」
アクア「悪いが説明の暇はないんだ‼︎今すぐあたしと一緒にアウストールまで来てくれ‼︎」
クロノ「なんでそんなに…分かったよ。マキノさん、続きはまた今度‼︎」
マキノ「何かは分からんが、とりあえず行ってくるといい。」

研究所の前に出る。
アクア「早く馬車に乗ってくれ‼︎」
クロノ「いや、馬車より速い乗り物がある。」
拳に魔力を溜め、地面を殴る。
殴った場所を中心に召喚魔法の魔法陣が現れる。
自分の両脚に挟まるようにバイクが魔方陣から出現する。
アクア「これが噂のばいくってやつかい?」
クロノ「乗れ‼︎こっちの方が速い‼︎」
アクアが後ろに乗る。
クロノ「よし、掴まってろよ‼︎」
バイクはスピードを上げ、森を駆け抜けていく。

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