ヒーローライクヒール(リメイク連載中)

手頃羊

その1・おかえり

[クロノ]
いよいよこちらの世界での12月に突入。
向こうの世界とは、1日の長さ、1年の日数は同じだが、一月の長さは初めの5つの月が31日ある以外は全て30日しかない。
でもまぁ365日なので向こうの世界とそんな変わった感じはしない。

キュリーとの戦いで受けた傷を癒し、とうとうラフに戻ってきた。
馬車に乗って移動したのは久しぶりな気がする。
(どんな顔で入ろうか…)
クロノ「おまたせ(イイ声)」
なんか違うな…
クロノ「クロノ様の帰還だー‼︎」
これはキャラに合わんな…
クロノ「はぁ…もうその場の状況に合わせるか…」
ラフの扉を開ける。
レオ「お兄ちゃん!」
シーラ「クロノさん!無事で良かった‼︎」
フレア「よく無事で帰ってきたなぁ、おい‼︎」
ブラン「まぁ、クロノならどうせ何されてもピンピンして帰ってくるとは思ってたけどね。」
クロノ「それは信用してくれてるのかい?」
レーニャ「でも本当に無事で良かったです…‼︎」
ターニア「あぁ…。おかえり、クロノ。」
クロノ「はいはい、ただいま。」
みんなが一斉にお出迎えをする。
クロノ「みんないるの?」
ハゼット「いや、マキノ達はいないな。来るとは言ってたが。ほらよ。」
クロノ「あっ…」
キュリー教の修道士に預けたままだった俺の武器だ。
クロノ「取り返してくれたんですか?」
ハゼット「フレア達が見つけたんだ。礼ならあいつらに言ってくれ。」
ジェス「いやー、まさか魔界に連れてかれてたとは思わなかったぜ。」
クロノ「あれ、なんであんたここにいんの?」
てっきり別の町に行ってたのかと。
ジェス「いやさ、ハゼットがうちのギルドに入らねーかって。」
クロノ「俺の時は断ったくせに。」
ジェス「バッカお前、ハゼット・ローウェルだぞ⁉︎ドラゴンスレイヤーだぞ⁉︎」
クロノ「うわー」
ジェス「まぁ、それは冗談で…実はギルドに入団してるってわけではないんだ。シーラちゃん…だっけ。あの子から気になる情報が聞けてな。」
クロノ「そういやなんかやらなきゃいけないことがあるとか言ってたな。」
ジェス「あぁ。人を探しててな。俺の友人なんだが、ある日いきなり行方不明になってな。あちこちで情報を集めるために流浪の傭兵になってたんだが、お前がおねんねしてる間にシーラから有力な情報が聞けたんだ。」
クロノ「なるほど。そんで探しに行こうと。それで今すぐにでも旅立てそうな準備してるんだと。」
ジェス「あぁ。お前の復活を祝ってやりたかったんだが、すぐにでも確かめに行きたいんでな。」
クロノ「まぁ、そっちの方が大事だわな。ってか1人で行くの?」
ジェス「あぁ。そんじゃな。」
荷物を持って扉に向かう。
クロノ「あんまり遅くなんなよ?」
ジェス「………うん?」
クロノ「あんたにまだ報酬渡してねぇぞ?」
ジェス「報酬…?…あっ!あぁ、そういやそうだったな‼︎はっはっは‼︎それじゃあすぐに戻ってくるよ‼︎」
扉を開け、外に出ていく。
レオ「報酬って?」
クロノ「あいつにお菓子作る約束したんだよ。」
マキノ「なんだと⁉︎」
クロノ「うおぁ‼︎」
この人、毎回変な登場するな‼︎
マキノ「お菓子…」
クロノ「…マキノさんにも作りますよ……」
マキノ「本当か‼︎」
この人お菓子の話になると子どもっぽくなるというか…
ブラン「クロノ、お菓子作れるの?」
クロノ「まぁ、ある程度はな。」
シレイノ「ぜひともうちで働いてほしいくらいですね。」
クロノ「あんたは驚かんぞ。」
シレイノ「おや、さすがに同じパターンは連続では通用しなかったか。」
ハゼット「さて、クロノが戻ってきたことだし…クロノ、俺は明日魔界に出発する。」
クロノ「なんか用事でも?」
ハゼット「キュリーの封印がなぜ解かれたのかを知りたくてな。年月が経ったことで封印が弱まったからなのか誰かが封印を解いたのか…もし後者なのだとしたら、なんとかしなくてはいかん。」
あぁ、確かに。

ハゼット「さて、クロノも帰ってきたし、今日は宴会といくか‼︎」
アクア「よっしゃあああ‼︎酒飲むぞ酒‼︎」
ミランダ「今日は死ぬほど飲むわよ‼︎」
クロノ「あれ⁉︎ミランダさん館にいたんじゃ⁉︎」
ミランダ「やぁねぇ。あんたの馬車に忍び込んだに決まってるでしょ。宴会になるのは予想できたわけだし。」
このサキュバスめが…

酒場に入って15分。
ハゼット「そういえばお前誕生日はいつだったっけか?」
クロノ「あれ?そういえば過ぎてますね。」
ハゼット「ということは…」
アクア「酒解禁か⁉︎とうとうクロノの酒飲み姿が見られるのかい⁉︎」
ミランダ「あら、ならこのお酒でも飲んでみる?」
クロノ「あんたらもう酔っ払ってんのかよ。」
レオ「ちょっとミランダさん!そのお酒ここで1番強いやつ!」
シーラ「大丈夫れすよぉレオくぅん。クロノさんなら大丈夫れすよぉ。」
クロノ「シーラまで酔っちゃってんの⁉︎」
レオ「シーラさん、こないだお酒に負けてから酔うようになっちゃって…」
クロノ「変な癖ついちまったなぁ…」
シーラ「ちょっとレオくぅん‼︎あんたには渡さないんだからね‼︎」
レオ「シーラさん⁉︎ちょっやめ‼︎」
いきなりシーラがレオに組みつく。

なんとかカオスとなった集団から抜け出し、落ち着いた人たちの所へ逃げる。
フレア「モテモテだなぁ、クロノ。」
クロノ「あれでモテてるのかよ。絡まれてるだけじゃねーか。」
フレア「あ〜あ。」
エリー「まぁまぁ。一旦ここで落ち着いてまたあっちに混ざりたくなったら混ざればいいじゃないですか。」
クロノ「それもそうですかね…」
行きたくはないな…
マキノ「そうだクロノ…一つお前に聞きたいことがあってな。」
クロノ「聞きたいこと?」
マキノ「実はこの間ある発見をしてな。ただ…その発見が本当に正しいのかどうか信じがたいことだったんだ。」
クロノ「信じがたいこと?」
マキノ「あぁ。もしかしたら文明の進んだクロノの世界だったら既に判明してることなんじゃないかと思っているんだ。
クロノ「発見って?」
マキノ「この世に存在するすべての物はとても小さな、肉眼では見分けられないほど圧倒的に小さな粒の集合体だ…と言って分かるか?」
それって…
クロノ「原子とか分子とかその辺の話ですかね…水とかも超小さな粒でできてますし…」
マキノ「やはりそちらの世界では分かっていたか‼︎ということは私のその発見も正しかったということで……だから…つまり…」
自力で原子の存在を見つけきったのかこの人は…
ってかてっきり知ってるもんだと思ってたぞ。あんなめちゃくちゃ化学ばけがく的な実験してたんだし。
マキノ「クロノ‼︎明日私の研究所に来て詳しい話を聞かせてくれないか‼︎」
クロノ「詳しくはないですよ?」
マキノ「詳しくなくても構わん‼︎少しでも何か情報があれば研究は進むもがぁ‼︎」
いきなりマキノが後ろから酒瓶を口に突っ込まれた。
クロノ「マキノさごぼぉ‼︎」
自分にも同じように酒瓶を突っ込まれる。
ミランダ「ちょっとぉ、こんな静かなところでナニ盛り上がってるのよぉ?」
シーラ「そうれすよぉ…私らを置いてこんなところれぇ…」
クロノ「げほっげほっ‼︎実はシーラが1番酔ってない⁉︎」
シーラ「瓶から直接は嫌ですかぁ?なら口移しで…」
レオ「だめーー‼︎」
シーラが乗りかかろうとしたところにレオが飛び込んでくる。
クロノ「うぉあっち‼︎」
ミランダ「は〜い、確保〜。」
今度はミランダに捕まる。
クロノ「あぁ、くそっ‼︎俺が落ち着ける場所は無いのかよ‼︎」
ミランダ「なら私で落ち着く?」
クロノ「却下だ‼︎」

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