ヒーローライクヒール(リメイク連載中)
その7・お節介
[クロノ]
レオが来て次の日。
浜辺もようやく落ち着いてきた。
クロノ「よっし!今日は遊ぶぞ!」
レオ「おー‼︎」
少しずつ客も入ってきている。
まだ人が少ないから、広く遊べるだろう。
レオ「きゃっ!」
シーラ「ふっふっふ。油断大敵ですよ!」
シーラがレオに水をかける。
ターニア「それはお前もだ、シーラ!」
シーラ「えっ、わきゃあ!」
ターニアが水を魔力で集め、シーラに向けて発射する。
ターニア「ははは!きいたか!」
シーラ「きいたか、じゃないですよ!魔力使うのは反則ですよ反則‼︎」
レオ「お返し!」
シーラ「ぶはぁ‼︎」
ターニア「うわぁ‼︎」
魔力の塊を水面に向かって撃ち、大量の水しぶきをあげる。
レーニャ「お姉さまの仇!」
レオ「当たらないよ!」
(お~お~、楽しそうだなぁ…。)
少し離れた所で少女達のキャッキャッウフフを眺める。
浜辺から少し離れた沖の方を見ると、フレアがブランから泳ぎ方を教わっていた。
相変わらず溺れそうになりながらも、ブランに助けられている。
(仲良くなったなぁ、あいつら。なんかあったんかねぇ。さて、俺は何しようかな…。)
ボーッと立っていると、顔に水がかかってきた。
水がかかったというより、水のレーザーが顔に放たれた感じだ。
クロノ「いってぇ‼︎」
ターニア「そんなところで何をしている!お前もこっちに来い‼︎」
いいだろう、全力で水をかけてやる。
いつの間にか夕方、楽しい時間が過ぎるのは早いものだ。
クロノ「泳げるようになったの?」
フレア「いや…なんか難しいんだよなぁ…。」
ブラン「体が泳げない泳げないって怯えちゃってるのよ。ちゃんと泳ぎ方さえ分かれば、ちゃんと浮かべるはずよ。れ
フレア「頭では分かってるんだけどなぁ…。」
クロノ「まぁ、慣れだしな。頑張るしかないな。」
レオ「ねぇ、お兄ちゃん。」
クロノ「ん?どうした?」
レオ「あれ船だよね?こっちに向かってきてるみたいだけど…。」
クロノ「海水浴場だけど端の方は普通に船の発着場になってるからな。あれは…」
見たことのある船だ。
ブラン「誰の船だろ?」
クロノ「行ってみりゃ分かるんじゃねえか?」
発着場の近くで船が着くのを待つ。
船から降りてきたのはカンザーだった。
カンザー「おぉ、お主ら。」
どこか疲れてるような感じだが、まぁ船に乗ったら誰だって疲れるか。
ブラン「師匠!どこ行ってたの⁉︎」
カンザー「ちょっと海の調査をな。浜が魔獣で覆い尽くされていたのは知っとるじゃろ?それの原因を探しに行っとんたんじゃ。」
ブラン「なんであたしも連れてってくれなったの⁉︎」
カンザー「危険な魔獣と出会う可能性があるからの。行くって知ったら止めても乗るつもりじゃったろ?」
ブラン「うぅ~。」
フレア「それで、結果は?」
カンザー「ひときわ大きな魔獣を見つけた。他の魔獣を餌にしておったし、大量の触手で魔獣を掴んでおった。原因で間違いないだろう。」
クロノ「イカかタコかってところか。」
カンザー「あれはイカの魔獣じゃったな。とても巨大だった。大型魔獣だ。」
クロノ「大型…ね。」
シーラ「倒したんですか?」
カンザー「いや、一旦引き上げてきた。撃退が目的ではないから大したものを積んどらんくてな。」
ターニア「これほどの大きな船を1人で操縦できるものなのか?すごいな…」
カンザー「う…うむ…。」
1人?そういえばカンザー以外に降りてきたのを見ていないが…
クロノ「え?いや、何人か漁師連れてってなかったか…?」
カンザー「………」
ブラン「師匠…?」
クロノ「まさか…」
カンザー「他のやつは…帰ってこれんかった…。」
ブラン「…⁉︎」
フレア「帰ってこれなかったって…何があったんだよ‼︎」
カンザー「やつの触手で連れてかれた…。おそらく、今頃はやつの胃袋の中じゃろうな…。」
ブラン「そんな…」
カンザー「剛力のカンザーとはよく言ったものじゃ。結局この力は、人を守る力ではなく、敵を倒すだけの力に過ぎん。わしの拳では、何も守ることはできん…。」
ブラン「くっ‼︎」
フレア「ブラン⁉︎どうしたんだおい‼︎」
船に向かって走り出したブランをフレアが止める。
ブラン「決まってんでしょ‼︎そいつにやり返しに行くのよ‼︎師匠の代わりにあたしが行ってくる‼︎」
フレア「アホか‼︎何言ってんだ‼︎」
ブラン「止めないで‼︎あたし1人でなんとかしてやるんだから‼︎」
フレア「なんとかって何をするんだよ‼︎1人で行って勝てるわけないだろ‼︎」
ブラン「じゃあどうするってのよ‼︎このままずっと見てるだけなの⁉︎師匠を助けて死んじゃった人たちも死なせたまんまなの⁉︎」
クロノ「気持ちは分かるが落ち着け。1人で行って勝てるわけないだろ。」
ブラン「じゃあ…じゃあ…」
膝をついて泣き出す。余程悔しかったのだろう。
クロノ「1人で行って勝てるわけはない。相手は余程の巨大生物だしな。だけど…そうだな、複数人で行けばなんとかなるんじゃないか?例えば7人くらいとか。」
ブラン「7人…?」
クロノ「そう。具体的には、俺、フレア、ターニア、レーニャ、シーラ、レオ。それから…ブラン。」
ブラン「えっ…」
クロノ「困ってる人見捨てたんじゃギルドの意味がないだろ。なぁ?」
ターニア「そうだな、人々の為のギルドだ。」
レーニャ「困ってる人を見捨てるなんてできません。」
シーラ「乗りかかった船ですもの!」
レオ「僕たちなら勝てるよ!」
クロノ「だってさ。こっちは満場一致みたいだぞ?」
ブラン「みんな…」
フレア「あんたが行くっていうなら、俺らは絶対について行くぞ。止めさせはしないからな。」
ブラン「フレア…」
カンザー「どうしても行くのか…?」
クロノ「ブランが行ってもいいかはともかくとして、俺らは絶対に行きますよ。そんな危険な魔獣がいたんじゃこの海で遊べなくなっちゃいますからね。」
ブラン「師匠…。あたし…行きたい…!」
カンザー「ブラン…。」
クロノ「どうします?」
カンザー「…無理だと感じたらすぐに帰ってこい。」
ブラン「師匠!」
カンザー「倒せなくても構わん。だが死ぬのは絶対に許さんからな。」
ブラン「うん!絶対に倒して帰ってきてやるんだから!」
クロノ「よし。今日はもう疲れてるし、明日の朝に出発にしよう。」
カンザー達と別れ、宿に向かう。
クロノ「いや~、勝手なこと言ってごめんね?」
ターニア「みんな同じことを考えていたさ。」
シーラ「そうですよ!ハゼットさんだって言いますよ!」
クロノ「そっか…。」
フレア「お前が言わなかったら俺が1人で行ってたかもしれんしな。」
レーニャ「それをクロノさんが止めて、結局みんなで行くことになりそうですね。」
クロノ「よくできた流れだなぁおい。」
レオ「お兄ちゃんのことだから、お兄ちゃんが1人で行きそうだよね。」
フレア「それなら多分全員で止めに行くな。」
シーラ「どうあがいてもみんなで行くことになりますね!」
クロノ「ラフの奴らはみんなお節介かよ。」
本当にバカ集団だな。
レオが来て次の日。
浜辺もようやく落ち着いてきた。
クロノ「よっし!今日は遊ぶぞ!」
レオ「おー‼︎」
少しずつ客も入ってきている。
まだ人が少ないから、広く遊べるだろう。
レオ「きゃっ!」
シーラ「ふっふっふ。油断大敵ですよ!」
シーラがレオに水をかける。
ターニア「それはお前もだ、シーラ!」
シーラ「えっ、わきゃあ!」
ターニアが水を魔力で集め、シーラに向けて発射する。
ターニア「ははは!きいたか!」
シーラ「きいたか、じゃないですよ!魔力使うのは反則ですよ反則‼︎」
レオ「お返し!」
シーラ「ぶはぁ‼︎」
ターニア「うわぁ‼︎」
魔力の塊を水面に向かって撃ち、大量の水しぶきをあげる。
レーニャ「お姉さまの仇!」
レオ「当たらないよ!」
(お~お~、楽しそうだなぁ…。)
少し離れた所で少女達のキャッキャッウフフを眺める。
浜辺から少し離れた沖の方を見ると、フレアがブランから泳ぎ方を教わっていた。
相変わらず溺れそうになりながらも、ブランに助けられている。
(仲良くなったなぁ、あいつら。なんかあったんかねぇ。さて、俺は何しようかな…。)
ボーッと立っていると、顔に水がかかってきた。
水がかかったというより、水のレーザーが顔に放たれた感じだ。
クロノ「いってぇ‼︎」
ターニア「そんなところで何をしている!お前もこっちに来い‼︎」
いいだろう、全力で水をかけてやる。
いつの間にか夕方、楽しい時間が過ぎるのは早いものだ。
クロノ「泳げるようになったの?」
フレア「いや…なんか難しいんだよなぁ…。」
ブラン「体が泳げない泳げないって怯えちゃってるのよ。ちゃんと泳ぎ方さえ分かれば、ちゃんと浮かべるはずよ。れ
フレア「頭では分かってるんだけどなぁ…。」
クロノ「まぁ、慣れだしな。頑張るしかないな。」
レオ「ねぇ、お兄ちゃん。」
クロノ「ん?どうした?」
レオ「あれ船だよね?こっちに向かってきてるみたいだけど…。」
クロノ「海水浴場だけど端の方は普通に船の発着場になってるからな。あれは…」
見たことのある船だ。
ブラン「誰の船だろ?」
クロノ「行ってみりゃ分かるんじゃねえか?」
発着場の近くで船が着くのを待つ。
船から降りてきたのはカンザーだった。
カンザー「おぉ、お主ら。」
どこか疲れてるような感じだが、まぁ船に乗ったら誰だって疲れるか。
ブラン「師匠!どこ行ってたの⁉︎」
カンザー「ちょっと海の調査をな。浜が魔獣で覆い尽くされていたのは知っとるじゃろ?それの原因を探しに行っとんたんじゃ。」
ブラン「なんであたしも連れてってくれなったの⁉︎」
カンザー「危険な魔獣と出会う可能性があるからの。行くって知ったら止めても乗るつもりじゃったろ?」
ブラン「うぅ~。」
フレア「それで、結果は?」
カンザー「ひときわ大きな魔獣を見つけた。他の魔獣を餌にしておったし、大量の触手で魔獣を掴んでおった。原因で間違いないだろう。」
クロノ「イカかタコかってところか。」
カンザー「あれはイカの魔獣じゃったな。とても巨大だった。大型魔獣だ。」
クロノ「大型…ね。」
シーラ「倒したんですか?」
カンザー「いや、一旦引き上げてきた。撃退が目的ではないから大したものを積んどらんくてな。」
ターニア「これほどの大きな船を1人で操縦できるものなのか?すごいな…」
カンザー「う…うむ…。」
1人?そういえばカンザー以外に降りてきたのを見ていないが…
クロノ「え?いや、何人か漁師連れてってなかったか…?」
カンザー「………」
ブラン「師匠…?」
クロノ「まさか…」
カンザー「他のやつは…帰ってこれんかった…。」
ブラン「…⁉︎」
フレア「帰ってこれなかったって…何があったんだよ‼︎」
カンザー「やつの触手で連れてかれた…。おそらく、今頃はやつの胃袋の中じゃろうな…。」
ブラン「そんな…」
カンザー「剛力のカンザーとはよく言ったものじゃ。結局この力は、人を守る力ではなく、敵を倒すだけの力に過ぎん。わしの拳では、何も守ることはできん…。」
ブラン「くっ‼︎」
フレア「ブラン⁉︎どうしたんだおい‼︎」
船に向かって走り出したブランをフレアが止める。
ブラン「決まってんでしょ‼︎そいつにやり返しに行くのよ‼︎師匠の代わりにあたしが行ってくる‼︎」
フレア「アホか‼︎何言ってんだ‼︎」
ブラン「止めないで‼︎あたし1人でなんとかしてやるんだから‼︎」
フレア「なんとかって何をするんだよ‼︎1人で行って勝てるわけないだろ‼︎」
ブラン「じゃあどうするってのよ‼︎このままずっと見てるだけなの⁉︎師匠を助けて死んじゃった人たちも死なせたまんまなの⁉︎」
クロノ「気持ちは分かるが落ち着け。1人で行って勝てるわけないだろ。」
ブラン「じゃあ…じゃあ…」
膝をついて泣き出す。余程悔しかったのだろう。
クロノ「1人で行って勝てるわけはない。相手は余程の巨大生物だしな。だけど…そうだな、複数人で行けばなんとかなるんじゃないか?例えば7人くらいとか。」
ブラン「7人…?」
クロノ「そう。具体的には、俺、フレア、ターニア、レーニャ、シーラ、レオ。それから…ブラン。」
ブラン「えっ…」
クロノ「困ってる人見捨てたんじゃギルドの意味がないだろ。なぁ?」
ターニア「そうだな、人々の為のギルドだ。」
レーニャ「困ってる人を見捨てるなんてできません。」
シーラ「乗りかかった船ですもの!」
レオ「僕たちなら勝てるよ!」
クロノ「だってさ。こっちは満場一致みたいだぞ?」
ブラン「みんな…」
フレア「あんたが行くっていうなら、俺らは絶対について行くぞ。止めさせはしないからな。」
ブラン「フレア…」
カンザー「どうしても行くのか…?」
クロノ「ブランが行ってもいいかはともかくとして、俺らは絶対に行きますよ。そんな危険な魔獣がいたんじゃこの海で遊べなくなっちゃいますからね。」
ブラン「師匠…。あたし…行きたい…!」
カンザー「ブラン…。」
クロノ「どうします?」
カンザー「…無理だと感じたらすぐに帰ってこい。」
ブラン「師匠!」
カンザー「倒せなくても構わん。だが死ぬのは絶対に許さんからな。」
ブラン「うん!絶対に倒して帰ってきてやるんだから!」
クロノ「よし。今日はもう疲れてるし、明日の朝に出発にしよう。」
カンザー達と別れ、宿に向かう。
クロノ「いや~、勝手なこと言ってごめんね?」
ターニア「みんな同じことを考えていたさ。」
シーラ「そうですよ!ハゼットさんだって言いますよ!」
クロノ「そっか…。」
フレア「お前が言わなかったら俺が1人で行ってたかもしれんしな。」
レーニャ「それをクロノさんが止めて、結局みんなで行くことになりそうですね。」
クロノ「よくできた流れだなぁおい。」
レオ「お兄ちゃんのことだから、お兄ちゃんが1人で行きそうだよね。」
フレア「それなら多分全員で止めに行くな。」
シーラ「どうあがいてもみんなで行くことになりますね!」
クロノ「ラフの奴らはみんなお節介かよ。」
本当にバカ集団だな。
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