スイーツアディクト・ガール
第一話
駄菓子屋。
少女が店を散策していた。店の中には駄菓子が棚に並べられている。まあ、駄菓子屋なので当然と言えば当然なのだが――。
「おじいちゃん、これちょうだい」
少女はお金を置いて、駄菓子屋にあるシュークリームを頬張る。
ああ、シュークリームは美味しいなあ――そう思いながら、彼女は外へ出る。
おじいちゃんが出てくることは無い。恥ずかしがりやなおじいちゃんなので、出てこないのである。――彼女の母親は、彼女にそう教えた。
「こんにちは、柊木さん」
家へ帰る道中、柊木さんに出会う。柊木さんは少女の隣に住む女性である。一人暮らしをしていて、よくコンビニにご飯を買いに行く姿を目撃されている。
「柊木さんもおいしそうなチョコレイトを食べていたなあ」
少女は呟きながら、イチゴ味のシュークリームを食べ終えた。
ああ、お腹いっぱい。
少女はたった一個のシュークリームでそう思ってしまうくらい、胃が小さいのだ。
◇
「めいちゃーん! あそぼーっ!」
めいちゃんの家は、少女の家の隣にあった。とはいえ、柊木さんの家の逆側にある家である。
「はあい!」
少し遅れて『めいちゃん』は出てくる。
めいちゃんは同い年の友達だ。だから、少女と一緒に遊ぶのだが。
「……ごめんね、お父さんが居るから」
「そっか。じゃあ、しょうがないや。めいちゃんのお父さん、家で遊ぶと怒っちゃうもんね。外で遊ぼう……にも、昨日は雨が降っていたから外はぬかるんでいるし」
「ほんとごめんね。また明日、遊ぼう?」
「そうだね。そうしよう」
そうして、少女とめいちゃんは別れた。
◇
「おじいちゃん! お菓子食べたいなあ!」
駄菓子屋。
しかし、声は聞こえなかった。
仕方ないなあ、と思いながらお金を置いて彼女はビスケットサンドを手に取った。ストロベリークリームが挟まれた、とても甘い食べ物。
彼女はそれを――思い切り頬張った。
◇
そして彼女は家に戻る。
手を洗い、夕食を食べ、母親とテレビを見て、眠る。
そんな生活だった。
――そんな、生活だった。
◇
一週間後。
少女は今日も散策していた。
少女は柊木さんに挨拶して、黄緑さんという女性のパティシエの家へ向かった。
黄緑さんはパティシエ。美味しいお菓子を作る職人だ。
ここに来るのを、一週間の楽しみにしている。
「いらっしゃい」
黄緑さんは笑顔で少女を出迎えた。
「おいしいシュークリームを、ちょうだい!」
少女の無垢な笑顔を見て、黄緑さんは笑顔で頷いた。
少女が店を散策していた。店の中には駄菓子が棚に並べられている。まあ、駄菓子屋なので当然と言えば当然なのだが――。
「おじいちゃん、これちょうだい」
少女はお金を置いて、駄菓子屋にあるシュークリームを頬張る。
ああ、シュークリームは美味しいなあ――そう思いながら、彼女は外へ出る。
おじいちゃんが出てくることは無い。恥ずかしがりやなおじいちゃんなので、出てこないのである。――彼女の母親は、彼女にそう教えた。
「こんにちは、柊木さん」
家へ帰る道中、柊木さんに出会う。柊木さんは少女の隣に住む女性である。一人暮らしをしていて、よくコンビニにご飯を買いに行く姿を目撃されている。
「柊木さんもおいしそうなチョコレイトを食べていたなあ」
少女は呟きながら、イチゴ味のシュークリームを食べ終えた。
ああ、お腹いっぱい。
少女はたった一個のシュークリームでそう思ってしまうくらい、胃が小さいのだ。
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「めいちゃーん! あそぼーっ!」
めいちゃんの家は、少女の家の隣にあった。とはいえ、柊木さんの家の逆側にある家である。
「はあい!」
少し遅れて『めいちゃん』は出てくる。
めいちゃんは同い年の友達だ。だから、少女と一緒に遊ぶのだが。
「……ごめんね、お父さんが居るから」
「そっか。じゃあ、しょうがないや。めいちゃんのお父さん、家で遊ぶと怒っちゃうもんね。外で遊ぼう……にも、昨日は雨が降っていたから外はぬかるんでいるし」
「ほんとごめんね。また明日、遊ぼう?」
「そうだね。そうしよう」
そうして、少女とめいちゃんは別れた。
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しかし、声は聞こえなかった。
仕方ないなあ、と思いながらお金を置いて彼女はビスケットサンドを手に取った。ストロベリークリームが挟まれた、とても甘い食べ物。
彼女はそれを――思い切り頬張った。
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そして彼女は家に戻る。
手を洗い、夕食を食べ、母親とテレビを見て、眠る。
そんな生活だった。
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黄緑さんはパティシエ。美味しいお菓子を作る職人だ。
ここに来るのを、一週間の楽しみにしている。
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