エンデラント記設定集

愛山雄町

魔導師の塔および宗教

魔導師集団
 マギーアは「叡智の守護者」、「真理の探究者」、「神霊の末裔」という3つの組織が存在し、それぞれ“魔導師の塔”と呼ばれる本拠を持つ。
・叡智の守護者(ヴァイスヴァッヘ:ヴァイスハイト・ヴァッヘの略)
・真理の探究者(ヴァールズーハー:ヴァールハイト・ズーハーの略)
・神霊の末裔(エオンナーハ:エオン・ナーハフォルガーが語源)

①叡智の守護者――ヴァイスヴァッヘ
 グライフトゥルム王国のヴォルケ山地に塔を持つ組織。
 助言者マグダに協力する組織であり、マグダから多くの情報を得て、三組織の中では最も強力な魔導が使え、大導師は制限付きながらも第六階位の魔導を使えると言われている。
 管理者を絶対者として崇め、管理者の降臨を助けることを目的に行動する。
 構成員に闇森人が多く、「闇の監視人シャッテンヴァッヘ」を配下に持つ。

②真理の探究者――ヴァールズーハー
 オストインゼル島のガオナァハイム山地に塔を持つ組織。
 マギーアの能力を高め、再び人が宇宙に進出できるほどの文明を築くことを目的に魔導に関する研究を進めている。このため、管理者による支配を目指す助言者マグダと敵対している。
 配下に「真実の番人ヴァールヴェヒター」と呼ばれる間者・暗殺者集団を持つが、シャッテンヴァッヘほどの技量はない。但し、組織力は強く、各国に出先機関があり、情報収集能力は高い。

③神霊の末裔――エオンナーハ
 ゾルタード帝国のツィーゲベルク山脈に塔を持つ組織。
 自らを管理者の末裔と称し、助言者や四聖獣を排除し、管理者の知識を独占することを
目指している。
 配下に「ナハト」と呼ばれる暗殺者集団を持つ。ナハトの構成員は人工的な魔導器ローアを埋め込まれた特殊なマギーアであり、身体能力は闇森人に匹敵する。上位者の命令に盲目的に従うため、自律的な行動が取れない。このため、間者としての能力は低い。

魔導師の階級:
 魔導師にはその力によって以下のような階級が存在する。
 ・大導師:魔導師の塔の最高位
 ・導師:大導師に次ぐ階位で、第五階位の魔導が使用できる。
 ・上級魔導師:第四階位の魔導が使用できる。
 ・一級魔導師:第三階位の魔導が使用できる者のうち、優秀な者。
 ・二級魔導師:第三階位の魔導が使用できる。
 ・下級魔導師:第二階位の魔導が使用できる。
 ・見習い魔導師:第一階位の魔導が使用できる。

魔導使い:
 魔導師は塔に所属する者を指すが、魔導使いツァオバラーは正式な修業を経ていないが魔導を使える者のことを指す。一般的には第二階位程度の魔導しか使えず、魔導師が侮蔑の意味を込めて使うことが多い。市井の治癒師や占い師が魔導使いに該当する。

魔導士:
 魔導師のうち、国家に属する者を魔導士マギベアムテと呼ぶ。魔導師の塔から有償で派遣されることがあり、所属する塔に不利益をもたらさない限り、国に忠誠を尽くすため、重用される。
 魔導士は国家間の戦争に参加することから、一級魔導師以下しか派遣されない取り決めとなっている。仮に上級魔導師以上が魔導士として戦争に参加すると、代行者たちが介入し、上級魔導師を処分することになる。


トゥテラリィ教:
 トゥテラリィ教は管理者ヘルシャー守護神トゥテラリィとして崇める一神教。レヒト法国では国教となっており、宗教指導者(法王)が国家元首である。
 他国においては四聖獣を神とする四聖獣教が一般的。トゥテラリィ教では四聖獣はあくまで神の使い(聖霊:シュッツハイリガー)であり、信仰されるものの他国とは解釈が異なる。
 四聖獣は北方(神狼)、東方(聖竜)、南方(不死鳥)、西方(鷲獅子)を意味し、それぞれの方位を冠する四つの教会からなる。
 千年近い長い歴史を持つ一神教であるため組織が腐敗し、他国ではほとんど信仰されていない。特にグランツフート共和国はトゥテラリィ教による迫害を逃れた者が建国したため、トゥテラリィ教の布教は禁止されている。但し、トゥテラリィ教の信者の入国は認められている。

①組織
 四つの教会を統括する法王がおり、国の最高責任者となる。
 各教会はそれぞれの地方を支配する。
 ・総主教:各教会の最高位
 ・大主教:大聖堂(東西南北の名を冠した教区を統括する聖堂)の統括者。4名。
 ・主教:聖堂(教区を統括する修道院)の統括者または大主教を補佐する聖職者。
 ・司祭:修道院の統括者(修道院長)または主教を補佐する聖職者。
 ・輔祭:司祭を補佐する聖職者。
 ・伝教師:修道院以外で布教活動をする聖職者。
 ・修道士:修道院で修業する者
 基本的には修道士になると世俗とは離れ、出家扱いになる。但し、妻帯は可能。
 司祭以上は荘園を有しており、貴族と同列になる。また、世俗の貴族も教会への寄進により、名誉称号を得ることができる。
 各教会には騎士団が存在し、各聖獣の名を冠している。騎士団長は大主教と同列。

②聖堂騎士団
 神狼騎士団、聖竜騎士団、不死鳥騎士団、鷲獅子騎士団があり、それぞれ公称3万の兵力を有している。実体としては2万程度。
 各騎士団には白、黒、赤、青が冠される四つの騎士団からなる(例:白狼騎士団、黒竜騎士団、赤鳳騎士団、青鷲騎士団など)。
 優秀な騎士が多いため、、法国の主力となっている。


四聖獣教(フィーア教):
 四聖獣を神の化身と考える多神教。四聖獣は神狼、聖竜、不死鳥、鷲獅子であり、それぞれ水、土、火、風の四元を表わしている。
 統一的な組織はないが、グライフトゥルム王国では鷲獅子、ゾルダート帝国では神狼、オストインゼル公国では聖竜、シュッツェハーゲン王国では不死鳥の大神殿がある。
 トゥテラリィ教とは教義の違いから対立しているが、宗教的な弾圧を行うことまでは行われていない。

大神殿:
 四聖獣を祀る神殿は地域ごとに独立しているが、総本山となる大神殿が存在する。
 各大神殿はそれぞれの聖獣がいる山近くにある。それぞれ清貧を旨としているため、神殿は極質素な作りであり、神官長は四聖獣に認められた者がなっている。実際には代行者である四聖獣ではなく、助言者が認めた者を四聖獣が承認している。

神殿:
 各神殿は礼拝の場であり、神官たちは祭祀を取り仕切るだけで、四聖獣の力を顕現させるような力はない。しかし、ヴァイスヴァッヘの魔導師が治癒師として派遣されていることが多く、地域の医療機関としての役割も持っている。
 また、貧者の救済のため、施療院や孤児院などが併設されていることが多い。

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