引きこもりLv.999の国づくり! ―最強ステータスで世界統一します―

魔法少女どま子

幼女の反則的な仕草

 トルフィンとリュアはしばらく修行に打ち込んでいた。
 シュロン学園の校庭は広い。
 いくら魔法をぶっ放そうが、問題なく修行に興じることができる。最も、トルフィンの魔術が成長したらどうなるかわからないが。

 そうして、夕日も沈みかけた頃――

「おお、やってんな」
 ふいにシュン国王が姿を現した。ワープでここまでやってきたようだ。
 と、さっきまで堂々と戦いを見守っていたレイア先生が、急にうろたえ始める。
「シ、シュン様……! な、なななぜここに!?」
「ん? そりゃ、校長室で仕事してたらドンパチの音がしてたからな。気になって来ただけさ」
「そ、そそそうですか……」

 すっかり萎縮してしまうレイア。動揺しているときでも乳が揺れているところはさすがである。

「おまえがトルフィンと……ゴルムの娘さんを鍛えてくれてたのか。ありがとな。本来の仕事じゃねえのに」
「い、いえっ、シュン様に感謝されるなんて恐縮ですっ」
「だが、もうそろそろ日も暮れる。悪いが今日のところはお開きにしてくんねえかね」

 言いながら、シュンはちらりとトルフィンを見やった。まるで、これ以上無理をしても意味がないとでも言いたげだ。
 正直助かった。本音を言えば、そろそろ帰りたかったところである。

 しかし次の瞬間、シュンはとんでもないことを言い出した。

「レイアと、それから、えーっと……」
「リュ、リュアと申します」
「ああそうだ。レイアもリュアも、これから一緒に飯にしようぜ。城に招待する」
「なっ……!」
 トルフィンは思わず目を見開いた。

 どういうことだ。
 学園にいるとき以外は、家に引きこもるべきではなかったのか。
 そんなトルフィンの動揺に気づいたのか、シュンはリュアに向けて、意味深なセリフを述べた。

「おまえが仲良くしてくれれば、トルフィンのやる気もあがるんだ。いいよな? 城にはゴルムもいるし」
「は、はい、私はその、いいですけど……」
「行きます行きます!」
 快諾するリュアとレイアだった。

 余計な世話を……!
 トルフィンはシュンをちょっとだけ睨みつけた。
 しかし、リュアに「いこ?」と手を差し出され、数秒後にはそんな怒りなど吹き飛んでしまっているのであった。

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