引きこもりLv.999の国づくり! ―最強ステータスで世界統一します―
小学生からやりなおし
「あれ、トルフィンくん、元気ですか?」
「……えっ?」
ぼけっとしていたことに気づかれたのだろう。レイアに名指しで呼ばれた。
「申し訳ありません。私は静かに聴いてますから、どうぞ続きをお願いします」
「え、ええ……」
目を瞬かせるレイア先生。
「ちょっと。ちょっとトルフィンくん」
今度は隣のリュアが腕をつついてくる。
「いまのしゃべりかた。やめたほうがいいよ。子どもっぽくないもん」
「いまさら直せるかよ。無理なの。断じて無理」
「うぅ……」
「そんな顔すんなよ。マジで無理なんだっての」
精神年齢だけを見れば、トルフィンはとうに成人しているはずなのだ。大の大人が「はーい!」とか間違っても言えない。
まあ、仮にもトルフィンは王子。言葉遣いを徹底的に仕込まれていることにすれば、みんな納得してくれるだろう。実際にはそんな教育など受けたことないが。
レイアは気を取り直したように教室を見渡し、笑顔で語りかけた。
「まあいいでしょう。今日はみんなと、《ステータス》のお勉強をします」
――ステータス。
その言葉を聞いた途端、寝ぼけていた意識が一気に覚醒した。
前々から疑問だったのだ。
この世界の住人は、ステータスなるものを《当然のもの》として認識している。
いわく。
人の強さは数値で表記できるものである。
そして、《職業》に応じた働きをすることによって、その数値を高めていくのである――と。
しかしながら、トルフィンの前世にそんなものは一切なかった。ステータスなぞ、正直ゲームのなかだけの世界だった。
だから違和感が拭えないのだ。ステータスをすんなり受け入れて、当たり前のように暮らしている住民たちに。
各ステータスの説明を、レイア先生は以下のように行った。
HP……その人物の生命線。なくなったら死ぬ。
MP……その人物の活力。これが尽きない限り魔法が打てる。
物理攻撃力……その人の腕力。素の力。
物理防御力……物理攻撃への耐性。
魔法攻撃力……その人物の魔法の威力、強さ。
魔法防御力……魔法攻撃への耐性。
俊敏性……素早さ。高ければ高いほど早く動ける。
これとは別に、《職業》という要素がある。剣士や商人、僧侶などがそれである。
それぞれの職業を得るには条件があり、それさえ満たせば晴れてジョブチェンジとなる。ちなみに、前職でのステータスはそのまま引き継がれるらしい。
「……えっ?」
ぼけっとしていたことに気づかれたのだろう。レイアに名指しで呼ばれた。
「申し訳ありません。私は静かに聴いてますから、どうぞ続きをお願いします」
「え、ええ……」
目を瞬かせるレイア先生。
「ちょっと。ちょっとトルフィンくん」
今度は隣のリュアが腕をつついてくる。
「いまのしゃべりかた。やめたほうがいいよ。子どもっぽくないもん」
「いまさら直せるかよ。無理なの。断じて無理」
「うぅ……」
「そんな顔すんなよ。マジで無理なんだっての」
精神年齢だけを見れば、トルフィンはとうに成人しているはずなのだ。大の大人が「はーい!」とか間違っても言えない。
まあ、仮にもトルフィンは王子。言葉遣いを徹底的に仕込まれていることにすれば、みんな納得してくれるだろう。実際にはそんな教育など受けたことないが。
レイアは気を取り直したように教室を見渡し、笑顔で語りかけた。
「まあいいでしょう。今日はみんなと、《ステータス》のお勉強をします」
――ステータス。
その言葉を聞いた途端、寝ぼけていた意識が一気に覚醒した。
前々から疑問だったのだ。
この世界の住人は、ステータスなるものを《当然のもの》として認識している。
いわく。
人の強さは数値で表記できるものである。
そして、《職業》に応じた働きをすることによって、その数値を高めていくのである――と。
しかしながら、トルフィンの前世にそんなものは一切なかった。ステータスなぞ、正直ゲームのなかだけの世界だった。
だから違和感が拭えないのだ。ステータスをすんなり受け入れて、当たり前のように暮らしている住民たちに。
各ステータスの説明を、レイア先生は以下のように行った。
HP……その人物の生命線。なくなったら死ぬ。
MP……その人物の活力。これが尽きない限り魔法が打てる。
物理攻撃力……その人の腕力。素の力。
物理防御力……物理攻撃への耐性。
魔法攻撃力……その人物の魔法の威力、強さ。
魔法防御力……魔法攻撃への耐性。
俊敏性……素早さ。高ければ高いほど早く動ける。
これとは別に、《職業》という要素がある。剣士や商人、僧侶などがそれである。
それぞれの職業を得るには条件があり、それさえ満たせば晴れてジョブチェンジとなる。ちなみに、前職でのステータスはそのまま引き継がれるらしい。
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