引きこもりLv.999の国づくり! ―最強ステータスで世界統一します―
モンスターの命
「せいやっ!」
「とるぁっ!」
「うるぁぁぁぁぁあ!」
男女さまざまなかけ声が、草原内に大きく響き渡った。
若き新入生たちが、慣れない動作でモンスターに斬りかかっていく。
攻撃しては反撃され、わずかに吹き飛んでいく。
それでも生徒たちは血気盛んに立ち上がり、またも攻撃を開始していく。
勇者の魔法によって、デッドスライムの物理攻撃力は0にされていた。だからたとえ反撃されようが痛くもかゆくもないし、HPも減らない。
ただし、かといってデッドスライムも単なるカカシではない。
通常のモンスターのように明確な意志を持っている。
攻撃されれば避けるし、反撃もする。
ただし、どんなに抵抗したところで、デッドスライムが生きられる可能性はまったくない。攻撃力が0の状態では、どんなに足掻いても新入生たちにはまったく効かないからだ。
ーーそう、まさに死ぬことを定められたカカシのような。
一体、また一体と虫けらのように消えていくデッドスライムを、ロニンは拳を握らせながら眺めていた。
ーー私は魔王なのに。モンスターを守るはずの王なのに。
仮にここでロニンが暴れ出せば、シュン以外の者は即座に始末できるだろう。いまのロニンならば、勇者にも負ける気はしない。
だけど。
ロニンはわなわなと震えながら、隣のシュンを見上げた。
彼はロニンの手を握りながら、首を横に振る。
そんな暴力的な手段に出ても、なんの解決ももたらさらない。さらに対立が深まるだけだ。
人間側の目的を知るために王都に潜入したい……などと、よく言ったものだ。
人間の目的など単純明快。
それはモンスターの速やかなる殲滅だ。
そんなことを考えているうちに、新入生がデッドスライムを倒したようだ。これも魔法の一種なのか、死んだスライムは煙となって天に消えていく。
「はい。いまの新入生は判定Dです」
言いながら、勇者アルスはちらっとこちらを見やった。そしてこほんと咳払いをし、高らかに叫んだ。
「次の新入生を指名します。ーーシュン君、前に出なさい」
「とるぁっ!」
「うるぁぁぁぁぁあ!」
男女さまざまなかけ声が、草原内に大きく響き渡った。
若き新入生たちが、慣れない動作でモンスターに斬りかかっていく。
攻撃しては反撃され、わずかに吹き飛んでいく。
それでも生徒たちは血気盛んに立ち上がり、またも攻撃を開始していく。
勇者の魔法によって、デッドスライムの物理攻撃力は0にされていた。だからたとえ反撃されようが痛くもかゆくもないし、HPも減らない。
ただし、かといってデッドスライムも単なるカカシではない。
通常のモンスターのように明確な意志を持っている。
攻撃されれば避けるし、反撃もする。
ただし、どんなに抵抗したところで、デッドスライムが生きられる可能性はまったくない。攻撃力が0の状態では、どんなに足掻いても新入生たちにはまったく効かないからだ。
ーーそう、まさに死ぬことを定められたカカシのような。
一体、また一体と虫けらのように消えていくデッドスライムを、ロニンは拳を握らせながら眺めていた。
ーー私は魔王なのに。モンスターを守るはずの王なのに。
仮にここでロニンが暴れ出せば、シュン以外の者は即座に始末できるだろう。いまのロニンならば、勇者にも負ける気はしない。
だけど。
ロニンはわなわなと震えながら、隣のシュンを見上げた。
彼はロニンの手を握りながら、首を横に振る。
そんな暴力的な手段に出ても、なんの解決ももたらさらない。さらに対立が深まるだけだ。
人間側の目的を知るために王都に潜入したい……などと、よく言ったものだ。
人間の目的など単純明快。
それはモンスターの速やかなる殲滅だ。
そんなことを考えているうちに、新入生がデッドスライムを倒したようだ。これも魔法の一種なのか、死んだスライムは煙となって天に消えていく。
「はい。いまの新入生は判定Dです」
言いながら、勇者アルスはちらっとこちらを見やった。そしてこほんと咳払いをし、高らかに叫んだ。
「次の新入生を指名します。ーーシュン君、前に出なさい」
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